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#0.プロローグ

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西畑師恩 ニシハタシオン

16 男 173cm 64kg

アメリカンジョーク好き

二重お目目

黒髪に紫のメッシュ


桐生凛咲 キリュウリサ

16 女 158cm 52kg

清楚()

二重パッチリお目目

黒髪ロング


力石恵馬 リキイシケイマ

17 男 184cm 76kg

ひょうきん、金持ち…?

糸目

ベリーショート


小此木菜音 オコノギナオ

16 女 154cm 46kg

ぺたんぬ、常識人

ジト目

ポニテ

んでさ~昨日タカがさ~」そうそう!思い出した!あのね…」お前マジふざけんなよ!この野郎w」おーい!静かにしろ~」


高校生になって1年が過ぎ、2年生の教室にいると言うことは、どうやら俺は無事に進級出来たようだ。ああ、桜も散ってきたな。まあ、3月には満開だったし、仕方ないか。


~、という訳でだな、今日から同じクラスになる転校生を紹介する。入って来てくれ。」


へぇ、転校生か。

別に興味もないけど、一応見ておくか。まあ一応だけど。


「失礼します。今年からこの高校に入学しました。力石恵馬、16歳の男です。特技は…」


まあ元から興味もなかったからあえて横目で見ておいただけに止めていたけれど、アイツ、目が細いな。糸目ってヤツか?見えているのだろうか。

まあ、俺には関係ないし、関わる事もないだろう。


…えっと、以上です。これからよろしくお願いします。」

「はい。力石君には…おい西畑、お前の隣の席、空いてるよな。よし。じゃあそこに入れ。」


前言撤回。ふざけるな。主人公の横の席に座るのは美少女キャラと相場が決まっている。なんで俺の横にあんなムサイ男が来ないといけないんだ。滅べ学校。


「いくら願ったって学校はそうそう滅ばんぞ西畑。」

「わかってまーす。心の声を読まないでくださーい。というか、なんでまた担任が元山先生なんですか。」

「それは、お前みたいな問題児の手綱を捌けるのが私しかいないからだ。光栄に思いなさい。では、一人ずつ自己紹介していってくれ。」


ああ、だるい。また面倒くさい自己紹介か、ファッキン自己紹介。来なくて良いぞ。


「西畑君、だっけ?よろしくね。」

「ハイヨロシクナカヨクシヨーネー」

「ハハッ!棒読みか~、まあ、隣がこんなムサイ奴だけど、どうせ席替えするまでの間だからさ、よろしくね。」

「へえへえ。」

何だお前の笑い方。夢の国にでも行ってこい。


…よろしくお願いします。」

「はい。じゃあ次は小此木。」

「はい。小此木菜音、16歳です。趣味は機械いじりとか…」

「はえ~、きれいな子だね。あの子知ってる?」

「知ってるもなにも、俺の幼なじみだよ。通称ナオ坊。」

「ふーん。いい幼なじみもってるね。」

「馬鹿言え。アイツはすぐ怒るし、たいして可愛くもない。それに柔道で黒帯持ってる。」

「ありゃりゃ。俺には適わねえや。」


話していて分かったが、コイツとは仲良くなれそうだ。ありがとう元山ちゃん。大好き。

「よし。次、といきたいところだが、西畑、なんか告白でもしたか?」「ウェッ。マリモ。」

チクショウ。なんで心の声読めるんだよあの人。そして力石。ちっちゃな声で「…オンドゥル語?」とか言ってんじゃないよ。正解だよドチクショウ。



…」「はい。中間さんよろしく。じゃあ次は西畑、爆笑取れ。」「無理ですよ!?…はい。西畑獅恩です。16歳、得意科目はありません。苦手科目は倫理です。よろしくお願いします。」

「はい西畑改め非人間的生徒さんよろしく~。じゃあ次は野上さん。」

先生、冗談でも非人間的はやめてください心に来るんです。



…」「よし。自己紹介も終わったことだし、役員を決めていく。やりたい奴は手をあげろよ、それじゃあ…」


そうこうしているとチャイムが鳴った。今日は2限までなので、これで終了だな。

「じゃあね、西畑君。」「はいさよーならー」

まあ、今年はクールに、大人しく。これをモットーに過ごそう。それが良い。


一ヶ月後


…ぃよし来たねっ!喰らえ力石ダイナマイトコンボ!」やられるかよっ!カウンターアタックじゃあボケえええええ!」


「あんた達何してんの?」

「ん?ナオ坊か、見たら、聞いたらわかるだろう?海戦ゲームだ。」

「分かるか!何がダイナマイトコンボよ魚雷打っただけじゃないの!」

「ロマンがないねえ小此木さんは~、これは読者を騙す技なんだよ。大声でコンボとか言ってたら格ゲーかなって思うでしょ?そこで海戦ゲームだよ。」「メタい発言やめてくださーい。というか休み時間まであんたら仲良いのね、感心するわ。」「まあな。コイツは唯一のベストフレンズだ。」「西畑君、フレンズなら複数形だよ。」「男子ってホントバカ。」


思いのほか力石と仲良くなった俺は、こんなふうに休み時間に遊んだり昼飯を一緒に食べるぐらいの仲になっていた。


「よし、もう一回やるか!」

「もう、仕方ないね~、もう一回だけだよ。」


そんな話をしていると横から女子生徒が近づいてきた。


「おーい、そんな事してないでさっさと昼ご飯食べたら?」

「ん?誰かと思えば委員長さんじゃないか。どうしたんだ?こんなバカの集まりに顔出して。」

「ちょっと獅恩、私はバカじゃないわよ。」

「ナオ坊、ちょっと黙ってなさい。んで?委員長が何の用?」

「もうお昼だし、ご飯食べないのかなーって思ってね。」


コイツはウチのクラスの委員長、桐生凛咲。容姿端麗快刀乱麻のスーパー高校生だ。

ひとたび彼女が指揮を取れば、どんな困難な問題もいともたやすく解決してしまう。

「-そんな委員長が話しかけてきてくれてありがたいんだが、今はゲームに夢中でね。また後で食べるよ。」

「どんな委員長かは知らないけど、早く食べないと5限に間に合わないよ。」

「?5限ってなんの科目?」

「家庭基礎で調理実習よ。」

「なるほど。サンキューだ。」

「どういたしまして。」


そう言って別れようとしたときに食いついた奴がいた。


「あー、桐生さん…だっけ?一緒にお昼食べない?」

「力石ィ!?」

コイツはいったい何を考えてんだよ!あの天下の委員長だぞ、誘ってもOK貰えるはずが-


「ごめんね、今日は先着が入ってるの。また明日ね!」


…そこは成功しろよ力石…使えねえ奴だ。


「じゃあ、明日一緒に食べよう!それで良い?」


は?


「良いよ~!」


おい、力石


お前最高に使えるな。



そうして時間は過ぎ、次の日の昼になった。俺は全く期待してないが力石の友好関係を築くためなら仕方が無い。参加してやる。


「ごめんごめん遅れちゃってー、次のHRの資料提出してて遅くなっちゃった!」

「いいえ、そんなに待ってないので大丈夫ですよ桐生さん。」

「というか、なんでナオ坊までついてきてるんだ。お前は関係ないだろう?」

「バカ獅恩、それ言うならあんたも関係ないから」「何だとこのアホポニテ!引きちぎるぞ根元から!」「まあまあ二人ともに落ち着いて、一緒に食べましょう?ね?」


~!それで前田の奴なんて言ったと思う?『可愛いに性別は関係ないっ!』だって~!今お前の趣味聞いてねぇよって話だよね~!」


煩い。ナオ坊煩い。お前いつもの2倍ぐらい饒舌になってないか?


「小此木さん、それ分かる!いきなり会話に入って来て自分の意見言ってどっか行くの、ホントにイライラする!あ~もう、思い出しただけでイライラしてきた、今度あったら、思いっきり叩いて、『あーいあーむチャンピオーン』って両手挙げながら言いたーい!」


あ、委員長もノルんですね。そんで何だよあーいあーむチャンピオーンって、わかんねぇよなんかのキャラか?


「やっぱり!ビンゴ!」

「はへ?」


力石ー、いきなりどうしたんだー?全員首傾けてるぞー。


「桐生さん、あなたやっぱりvtuber好きですよね?」

「へ!?嘘っ、なんで分かったの!?」

「おい、ぶいちゅーばー、って何だ?」

「私も分かんないんだけど、ナニソレ?」

「えっと…こういう奴ですよ。」


首をかしげる我々(メッシュとポニテ)は、力石がポケットから取り出したスマホを凝視した。


『はいどーも世界初バーチャルユーチューバーの、ゆうちゃるですイェイイェイイェイ!今回は…』


「「何このキリン人間…?」」

「えっと…これがバーチャルユーチューバー、通称vtuber。簡単に言うと、生身の人間が3Dだったり2Dだったりのキャラクターを動かして、ゲーム実況したり生放送したりする行為のことなの。」

「ふーん、そんなのあるんだ。で、この中の人は誰なの?」

「「中の人などいない。」」

「いやでもさっき生身の人間って言ってたじゃないか!」

「「繰り返す。中の人などいない。」」



「えっと…それで、さっき委員長が言ってた『あーいあーむチャンピオーン』って言うのが、委員長が一番好きなvtuberがよく言う言葉って事?」

「そうなの、私が好きな『清井スイ』って言うvtuberが、ゲームで勝ったときによく言うセリフなんだ~、でも、まさか今までバレなかったのに、まさか力石君にバレるとはね…転校生は凄いな~。それにしても、他になんかヒントあったっけ?」

「結構ありましたよ?例えば-」

そう言って力石は委員長の席を指さし、

「ほら、桐生さんの筆箱のファスナーの持ち手に付いてるチャーム。あれも清井スイグッズですし。」

「ありゃりゃ、結構バレバレだね。」

と、委員長は笑い出した。そして


「まあ、vtuberっていっても今じゃもう有名だよね~。はぁ、私もなってみたいなぁ…」

とか言い出した。


「なんで委員長はvtuberになりたいんだ?」

「決まってるでしょ?有名になりたいのよ。有名になってお金をがっぽがっぽ稼いでゆくゆくは私だけの豪邸をっ!」


委員長?キャラ大丈夫?


「…失礼。…でもなりたいなぁvtuber…なってみたいなぁ…。」


一気にトーンダウンした委員長は、あった弁当箱をよけて机に突っ伏した。


「いくら何でもこんな風にはなれませんよ

桐生さん、これどう見ても機材いりますし第一委員長パソコン使えました?」

「うっ…それはぁ…」


委員長はここまで綺麗で頭も良いのにパソコンが使えないようだ。凄い人にも欠点はあるらしい。カワイイ。


「うーん…でもなぁ…やりたいなぁ…」

どうやらまだ諦められていないらしい。


しかしその瞬間、俺の横で食い入るようにスマホを見つめていたナオ坊が顔を上げた。


「これ、出来るよ。多分。」

「「「えっ?」」」

「だから、これってモーションキャプチャして、3Dモデルと合わせる感じでしょ?多分私出来るよ?」




ここから俺、いや俺たちのvtuber人生は始まったのだった。

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