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情景と礎

久しぶりの投稿です。この話は頑張って書き上げたい。(説得力がない)なんだか自己満足でだらだらと書いてしまいそうだ。(内容と関係ない愚痴ですみません。

「誰もいないな」


ホシは駅から出ると人を探すためひたすら歩き続けた。コンビニが一軒駅の近くにあっただけでデパートやスーパーなどの大きな店はこの街には見つからなった。それどころか、住宅すら見当たらない。それもそのはずである。ホシの目に入ってくるのは一面緑の景色。どうやら田舎の町にほうりだされてしまったようだと知った時、ホシの心中は絶望的なものだった。仕方なく額から流れ落ちる汗をぬぐいながら畑と畑の間の舗装された道路を当てもなく進む。時折、夏の太陽に体が堪えられず、その場に座りこむ。これを繰り返すこと2時間。コンビニから持ってきた飲み物はすでに手元になく、力尽きて木の陰に長く座り込むことにした。この街に降りてしまった以上、とにかくここで人を探すしかなかった。

駅で待っていても電車も真田さんも期待できない。


それに待つことがホシはあまり好きではなかった。



―――中学2年生のある夏の日。

その人の帰りをずっと待っていたが、来たのは1度きりの電話だけだった。





ホシの母親はホシがまだ小学校低学年くらいの時に他界した。

ここからホシの人生はくるっていった。もしかしたら、狂い始めたのではなくはじめからこうなる運命だったのかもしれない。

ホシの父親は母親をとても愛していた。その愛情は娘であるホシにも同じくらい注がれていた。

ホシがまだ小学校に入学していないころ、ホシの父は仕事から早く帰ってくると決まってホシと一緒に遊んだ。休日には家族そろって買い物に行ったり、時に奮発して遊園地なんかにも行ったりして、絵に描いたような良き父親としての姿を見せていた。


しかし、それは母が生きていた頃の間だけの話だった。


幸せな家庭に訪れた突然の悲劇。


ホシの母親は自宅で強盗によって殺された。



それからホシの父の精神は徐々に不安定になっていった。それでも一人、残った娘を支えるためかあるいはつらい現実を忘れるためか家事もこなしつつ毎晩遅くまで仕事に打ち込んだ。


数年たち、ホシは母の死をようやく受け入れることができるようになるまでに回復した。しかし、父はいまだ精神科に通い続けており母の死から立ち直る気配がなかった。父は愛する母が亡くなって以来ずっと世の中の幸せというものを恨んでいた。

そのことにホシは長い間気づくことができなかった。

そして、夏のある日の朝。この数週間、気象予報士も驚くような暑さが連続して続いていた。この日もうだるような暑さで目を覚ましたホシは眠気眼でリビングへ向かう。

「おはよう、お父さん」

「おはよう。」

すでに食卓には二人分の朝食が用意されていた。席に着き、ホシはあまり食欲もなかったがごはんを口に運ぶ。

ふとホシと父親の目があった。


その瞬間、ホシは夏とは思えないほど震えた。


娘へ向ける父のまなざしの奥にやりきれない、どこへ向けたらいいのかわからない憎しみじみたものがひそんでいた。

母が死んでから何となく父親の顔を見るのを避けてきたホシだったが、父親の顔を久しぶりにしっかりと見たこの時、初めて父親の中に沸いている悪に娘であるホシは気づいてしまい恐怖のあまり震えたのである。


父親はあわてて目をそらし、さっさっと食事を片付けると、そのまま仕事へと出かけて行った。


その晩かかってきた電話は警察からのものだった。




父親も失ってから、ホシは作家として生計を立てている叔母のもとに暮らすようになった。子ども好きである叔母は昔からホシのことを好いており、生活を共にするようになってからは家事などの身近なことから教育費などの経済的なことまで様々な面において面倒を見てあげた。ホシは叔母にだけは頭が上がらなかった。少しは面倒見てあげるから大学に行きなさいと言われた時も、最初は申し訳なくて拒否したが、

「カウンセラーになりたいんでしょ」と叔母に言われ、その時ホシは何で知ってるのと驚いたりもしたが、同時に感謝の気持ちで涙を流した。最終的に叔母の押しに負けて大学を目指すことにした。叔母はホシが将来カウンセラーになりたいことをひそかに知っており、だったらしっかり大学で勉強して立派なカウンセラーになってほしいと思い大学へ行くことを勧めたのである。




「早く帰って勉強しないと」

ホシは立ち上がって再び歩き出した。

次は1月にでもだらだらと投稿します。

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