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其の質 決戦 -隆生ー4

 壮軌の内から水の気配と火の気配が同時に湧き上がる。

 その右側の頬から首にかけて、丸い形の痣が広がっていった。

『ほう……』

 長が感心したように声を漏らした。

『これは面白い。お前は、どうなるんだ?』

 壮軌の攻撃をかわした長の足元が円形に抉れる。

 俺は意識を同化した三人のそれぞれの力を引き出す事に集中した。

(接近戦は、不利。だったら)

 左の頬が熱くなるのと同時に右手に空気の塊ができる。

《今だ、隆生》

 内からの声に従ってそれを長に向かって放つ。

 しかし、やはりあっさりとかわされてしまった。

「くそ……ッ」

「隆生、危ない!」

《隆生!》

 壮軌の声にセインさんの声が重なる。

 今度は首の左側が熱くなって、無意識のうちに左手を大きく振り上げると、長の方から来た何かが俺達の目の前で壁に当たったかのように砕けた。

「隆生、その顔……」

「どうなってる?」

 自分では確認できなくて壮軌に問いかける。

「印が全て浮き上がっている」

「そう」

 良くわからないけど、きっと三人と同化したことが関係しているのだろう。

 俺の考えを肯定するように、セインさんの声が響く。

《印を意識してごらん。私達の力が引き出せるはずだ》

 促されるまま、試にと額に集中してみた。ちりちりとした感覚がして、右手が青白い火花を散らす。

 その手を上の伸ばしてから、長の方へと振り下ろす。

「うわッ」

 轟音と共に光の柱が長を襲う。あまりの衝撃に、自分でも驚いた。

 光が収まって長を確認すれば、袂を少し焦がした程度で今だ悠然と立っている。

「遠隔攻撃も駄目か……」

 どうしたら、と思った途端に俺の手の中にセインさんの持っていた太刀が現れた。

 水月は初めて持つ俺の手にすんなりと馴染んでいた。

《これを、使うといい》

「ありがと。セインさん」


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