其の質 決戦 -隆生ー3
「次は俺だな」
そう言ってラズナがセインさんと同じように俺と額を合わせる。
次いでユーリとも同化し終わって、俺は壮軌を見た。
「壮軌」
「何だ?」
「……俺の、道連れになってくれるか?」
「あぁ。隆生がそれを望むなら」
「ん。ありがとう」
壮軌の答えに満足して目を閉じた。
同化した三人の意識は微かにしか感じられないけれど、その力は俺の力と混ざって身体の奥底から湧いてくる。
ふとみると長の姿がない。
その気配を探ると、母屋の方から正太の悲鳴が聞こえた。
「壮軌」
「行こう、隆生」
先に走り出した壮軌に続いて俺も母屋に向かって走り出す。
さして時間を掛けず、子供達の前に立つ長の背中を見つけた。
「正太!直哉!」
俺の声にゆっくりと長が振り返る。
同時に奥から同じように正太の悲鳴に気付いたらしい弥市が走り出てきた。
「逃げろ!早く!」
「隆生さん?一体どうしたんです?」
子供達を抱えて弥市が俺に問う。けれどそれに答えている時間はない。
「いいから!皆を連れて屋敷から出て!訳は後で必ず話すから!」
「わかりました。必ず、説明してくださいね」
俺の剣幕と長の異常な姿に、弥市はそれ以上には食い下がることなく、子供達と共に屋敷の中へと入っていった。
『他者を気にしておるとは、余裕だな』
ぎぃん。とすぐ近くで硬質な音が響く。
見ると長と壮軌が刃を交わしていた。
「……セインさん、みんな。俺に力を貸して……」
目を閉じるとぐっと力が増すのを感じる。
そして最後の戦いが始まった。




