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其の肆 血族 ー隆生ー4

 俺を見つめて優しく微笑むセインさんは思い出した通りの以前のままで。

「俺、何度も助けてもらった」

「そうか…。長い眠りの間に長の力が弱まったか」

 俺の頭をひと撫でして離れたセインさんに、ラズナとユーリが駆け寄った。

「兄者」

「セイン兄様!」

 ユーリがセインさんに抱きついて、それをラズナが後ろから見ている。

 そして壮軌は……、セインさんを食い入るような眼差しで見ていた。

「壮軌」

 俺が呼ぶとハッとしたように表情が動いて、ゆっくりと俺の方に歩いて来る。

「隆生」

「彼が、壮軌を殺そうとしたのか……?」

「あぁ」

 ぐっと握り締めた手にそっと触れた途端にその手を握られた。

「何か、嫌な予感がする……」

「え?」

 どういうことかと問いかけようとしたら、肩に手を置かれて振り向く。

「セインさん」

「私達の話を聞いてくれるかい?昔、君に話せなかった全てを」

「……はい」

 連れ立って庭から部屋へと移動すると、壮軌が片付けてくれたのか布団は見当たらなかった。

「少し、待っててください」

 壮軌の手を解いて母屋へと向い、台所で忙しそうにしている絹さんを呼んだ。

「おはようございます」

「おはようございます、隆生さん。どうかなさいました?」

 前掛けで手を拭きながら絹さんが俺に近づいてきた。

「あの、今日は朝餉はいらないから。それと、ちょっと……来客があるから、呼ぶまで誰も部屋に近づかないで欲しいんだ」

「お客様ですか?では、お茶の用意だけでも致しましょう」

「俺が持っていくから」

「わかりました」

 怪訝そうな顔をしながらも頷いてお茶の支度をする絹さんに礼をいい、用意された盆を持って台所を出て部屋に戻ろうとして、少し離れた所に立つ壮軌に気付いた。


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