おりょうり
「ねぇ~今日の晩御飯はなに~?」
こいしがちょっかい出してくるんだけど・・・
「ひみつだよー!」
「ことりおねえちゃんのけちー」
うん・・・なんか複雑な気持ちになった。
まあ、この流れでわかると思うけど晩御飯担当は私です。
といっても、料理の知識はほとんどなくてね。さとりにちょくちょく教えてもらってつくってるんだけど
なかなか上達しなくて・・・・さとりが言うには
「誰だって上達しないで悩むときあるから大丈夫よ?」
だって。
まあ、さっき買い物行ったときに見つけた料理本があるからだいたいはどうにかなると思うんだ
「さっき、こいしが騒ぎながら走って行ったけど・・・どうかしたの?」
やっぱりこいし・・・
まあ、晩御飯の献立を教えなかったからかな?
「そう・・・・で、今日の晩御飯は?」
えっとね・・・・って何で普通に聞こうとしてるの!?
「ふふっ、私も気になってるからね?」
今日は秘密!
「んん・・・わかった、今日はハンバーグね?」
えっ!?
「その表情はあたりかしら? 心の中でもつぶやいてないようだしね?」
・・・。
なんでわかったの?料理本は隠したはずなのに、
「じゃあ、そこのフライパンに乗ってる丸いのは何かしら?」
うっ・・・
「あとね、残念だけど料理本燃えてるわよ?」
えっ・・・・
隠したとこが悪かったみたく、ガス台の近くで料理本が燃えていた。
「あああああああ!」
「静かにっ!お空とかこいしとか来たらどうするの?いろいろとうるさくなるわよ?」
そ、そうだね・・・
「とりあえず、私が教えるから、ちゃんと覚えてね?」
はーい。
やっぱり一人で作るにはまだ早かったみたい・・・
「いや、そうでもないわよ?」
え?
「貴方だって上達したいから一人でやったんじゃないの?」
たしかに、うまくなってみんなを驚かせようとおもって料理本を見つけてきたけど
「私だって始めはへただったわ、」
あぁ・・・また?
「確かに毎回この言葉をいってるかもしれないわね」
毎回言われてるよ。
「でも、その時の私よりかはいいと思うわ」
え?それはどういうこと?
「私だって、教えてくれる人なんていなかったもの。全部一人で頑張ってたからね」
・・・
「いま、あなたは私という教えてくれる人がいるからいいけれど。その時の私は人から避けられていた
でも、頑張ってうまくなるためにやってたの。そのために必要なのは・・・・なんだとおもう?」
・・・あきらめないこととか?
「確かに、そういうこともあるわね。けど、あなたもさっき言ってたわ。この答えをね?」
えっと・・・・
「貴方は(うまくなってみんなを驚かせようと~)といってたわよね?」
まあ、思ってた のほうがあってる気がするけど・・・確かに言ってたね
「それよ。」
え?驚かせようとすることが必要なの?
「えっと・・・・」
ちょっと困り顔のさとり・・・かわいい。
「さすがに貴方も鳥頭じゃないわよね・・・?」
たぶん。
「たぶんって・・・まあいいわ。
とにかく、ほかの人に自分の料理を食べてほしい。そして(驚いて)ほしかったんでしょ?」
うん、おいしそうに食べてるのを想像すると楽しくなってくるからね
「それよ。私が一人で頑張ってた理由も」
・・・こいしに対して?
「そう、あの子はどこかにすぐ行ってしまうけれど私の妹であることには変わることはないの。
私の料理を無意識に楽しみにして帰ってきてくれたらいいな、そんな思いで頑張ってたの」
・・・・
「貴方も私みたいに理由があるんでしょ?(私たちを驚かせたい)という理由がね。
それなら私のようにうまくなるはずだわ。私が保証する。」
さとり・・・
「じゃあ、がんばってね?」
えっ!?ちょっと教えてくれるんじゃなかったの!?
「教えたでしょ?」
なにを!?
「秘密っ♪」
そういいながらさとりはキッチンから去っていっちゃった。
さて、今回はさとりとことり、あと少しだけどこいしも
さとりとことりって字自体では似てるのですが性格などは・・・似てるのかな?
こんな一面もありそうなさとりさまでした。