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やっと就職できました

秀一のことを信用したのか、新助は前に比べて砕けた様子で話しかけてきた。


「飛鳥井家までに道のり、お手伝い致しましょう」


しかしながら、秀一には飛鳥井家に行く気などさらさらなかった。


(一か八かの賭けに勝って、信用してもらえたんだ。

なんとしても、ここでこいつに仕えなきゃな)


「ありがとうございます、タキガワ殿。しかしながら、私は円旬様から預かった仏像と書状を失ってしまいました。首飾りだけもった私を、飛鳥井家は信用してくれますでしょうか。


タキガワ殿は、私の技をみて私の話を信用して下さいましたが、円旬様はあの技は秘伝だと言われました。あの技を飛鳥井家で見せて良いものか、私にはわからないのです」


「確かに、あの技をみるまでは、私も円秀殿を疑っておりましたからな。それでは、いかがなさるおつもりか」


秀一は、悲壮な表情を作り、新助に頼み込んだ。


「どんな形であれ、首飾りが飛鳥井家の元に届きさえすれば、円旬様の遺志にかなうと思うのです。タキガワ殿の主君であられるタキガワキュウスケ殿からの寄進という形には出来ないでしょうか」


(戦国時代の公家はみんな貧乏だったらしいからな。金目の物を寄進するとなりゃ、見に覚えのない話でもなんとかするだろ。もう一度危ない橋を渡るのは御免だぜ。

タキガワの名前で寄進するってことは、あんたにただで首飾りを渡すって言ってるんだ。OKするよな)


新助は、突然の寄進という言葉には驚いた様子だったが、直ぐにその意味を理解したらしく、喜色を堪えながらいった。


「分かり申した。私から殿にお願いいたそう。円秀殿は、これから如何が為さるおつもりか」


(よし、いい流れだ)


「ありがとうございます、タキガワ殿。これで円旬様の遺志を叶えることが出来ます。これもタキガワ殿のお力添えがあってこそでございます。


このご恩に報いる為にも、この円秀、タキガワ殿にお仕えしたく存じます。私、多少なりとも円旬様より算術や勉学を教わっておりました。どうか、お願いいたします」




こうして、円秀こと秀一は、滝川新助益氏の家臣となった。

あと何話でプロローグの時点までいけるかしら

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