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フルネームなんて、分かるわけがない

「お前ら、どこに雇われたんだ。俺の後ろに誰がついているのか、わかってやってるんだろうな」


秀一は、何が何だかわからないながらも、平静を装ってたんかを切った。


ホストは水商売の女性を相手にしているため、トラブルは日常的にあった。そこで学んだことは、「弱気になったら負け」である。どんなに悪い状況でも、どんな理不尽な目にあったとしても、冷静で強気に押すことでイーブンにまで持っていく。そうやって秀一はホストとして生きてきていた。


「儂らは、滝川新助様の兵よ。貴様こそ、ここで何をしている」


山賊のなかで、もっとも身なりが立派な男が答えた。


(タキガワシンスケ様の「兵」か。中国マフィアにでも拉致られたのかと思ったけど、なんかおかしいな。やつらの格好って、七人の侍の三船敏郎みたいじゃねえか。


「土だけで盛られた」畦道や「曲がりくねった」田んぼ、「茅葺き」の小屋だと。ビルどころか、コンクリやトタン屋根、電柱の一本もねえぞ。日本語が通じてたみたいだけど、本当にここは日本か)


現代日本であれば、ある程度の大きさの田んぼは整地され整った形をしているし、機械を通す為に畦道はアスファルトやコンクリで補強されている。どんなにボロい小屋でも、トタン屋根ぐらいはついているし、小屋の側には木製であろうと、電柱が立っているものだ。


(俺の服は、昨日寝る前に着てた作務衣のままだ。香里奈が読んでた小説みたいに、戦国時代にでも転移したってことか?)


ホストの客は水商売の女性だけではなく、普通のOLも多い。秀一自身が本好きでもあったが、お客に話を合わせるためにも、ジャンルを問わず様々な本を読んでいた。そのなかには、ファンタジー世界や戦国時代に転移や転生するラノベも含まれていた。


(タキガワシンスケ様ってことは、タキガワは滝川だろうけど、シンスケなんて戦国武将聞いたことねえぞ。あれか、「通称」ってやつか?戦国時代で滝川って言ったら、滝川一益だろうけど流石に通称なんて知らねえぞ。


ここがどこで今がいつか分かれば、怪しまれないような受け答えも出来そうだが。。。


くそ、情報が足りねえ)



義太夫っていうと、私の年代だと真っ先にグレート義太夫が思い浮かびます。


(8/12) 通称を義太夫→新助に変更しました。登場人物自体は変わっていません。

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