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海津の戦い
「名のある武将みたいですね。支援するんで宗兵衛様、突っ込んで下さい」
戦場の混乱の中、退こうとする武将を見つけた秀一は、宗兵衛に指示を出す。
「様付けは、直らないな。分かった、頼んだぞ」
続けて周りの者たちに声を掛ける。
「貫次、源三は宗兵衛様の脇を、佐吉、平二は私の廻りを、練習通りに頼みますよ」
「「「「分かりました」」」」
「では、いきましょう」
「坂井甚助、滝川彦右衛門が家臣、滝川宗兵衛が討ち取ったり」
(副将首かよ。流石前田慶次、引きがつええ)
尾張に移って僅か二ヶ月。滝川宗兵衛は、海津の戦いにおいて清洲織田家重臣坂井甚助首を取った。史実では、柴田勝家が討つはずの武将を僅か13才で討ってみせた。
前田家の養子どころの話では無くなっているのだが、まだ秀一はその事に気がついていなかった。




