19 神璽⑤
リアルでは残酷な表現が無いと言ったな、すまんあれは嘘だ。
きっと私の引き出しが漫画・アニメ・ゲーム・そして映画と洒落怖なのが原因だ。
※カニバリズム表現が一部出てきます。ご自愛ください。
ああ、もうなんなんだ、この作品。ていうか擬人縁起編だけがこんな暗いのだと信じたい。はやくゲーム内に帰りたい。あと二話くらいで戻りたい。
今回のアニメパロ一部。
オレンジ「ゼロだ、ゼロをさがせぇ!!何処にいるゼロォォォォッ!!」
「……んぅ?」
真っ暗な部屋の中、俺は目を覚ました。おかしいな、瞼の上げ方忘れちゃったのかな?目の前が真っ暗だ……そだ。
「【光属性魔術・初級Ⅰライト(弱)】」
指先程度の光の玉が、ぼうっと辺りを薄暗く照らし出す。まるで月明かりの様な柔らかい光が、今俺が居る場所が何処であるかを教えてくれた。
俺の隣には、姉貴が眠っていた。どうやら姉貴の部屋に居るようだね。何故添い寝してやがるのかは置いておこう、俺のゴーストが追及してはいけないと囁いている。
何があったんだっけか。
寝ぼけて思い出せないでいる頭を覚醒させるために、姉貴の部屋を勝手に漁って飲み物を調達する。チッ、碌な物置いてないな。ミルクココアとミルクティーの粉末しかねーとか、なんなの?背ぇ伸ばしたいの?流石に粉末じゃ伸びないと思うよ?セノヴィアックくらいじゃないと無理だよ。
俺は久々のミルクココアをチョイスして、やや小さめのマグカップにお湯を注ぐ。一人暮らし用の短時間でお湯が作れるポットを利用しているから、割と早く作れるのだ。俺の部屋にも同じのがあるから、勝手知ったるなんとやらだ。
コポコポ。
絶えず俺の手元を明るく照らしてくれるライトの魔術。いやぁ、便利すぎる。ぶっちゃけ最初は戸惑ったけど、意外と慣れるものだ。
エアコンの冷気が効いては居るが、既に止まって久しい様なので、ベランダに出て飲むことにする。
カラカラとサッシが開く音が鳴るので、細心の注意を払ってゆっくりと開く。
ふぅ。
この学園は山の中腹よりやや上に位置する為、こんな夏まっさかりでも深夜三時ともなると結構涼しいものだ。偶に霧が出たりして、むしろ寒くなる時もあるが今日は綺麗に晴れている。
ベランダに備え付けられている簡易ベンチ(頼まれて俺が組み立てた木製の物)に腰を下ろして、雲一つない空を見上げてココアを一口含む。うむ、美味い。
ストレートの紅茶も美味しく戴けたし、お子様舌って訳じゃないのかもな。そんな事を考えながら、ちびちびとココアを舐める。
しかしあれだな、真夜中に浮遊する光球ってどう考えても鬼火だよなぁ。
ふよふよと浮く、ライトの魔術を見てぼやく。でもこれを消すと、本気で真っ暗だしなぁ。
ライトを右へ左へとUFO的な動きをさせていると、服が変わっている事に気付く。今までココアに夢中だったせいだろうか、まったく気が付かなかった。ライトを近づけて、何を来ているのかを確認する。淡い黄色の、ヒヨコ柄パジャマだった。ふと、昼間の出来事がフラッシュバックする。
皆でお風呂に行った事、今の俺に合うサイズの服を買った事、ファミレスに行った事。成田に会って、ぐちゃぐちゃにされたこと。
そうだ、あの時初めて俺は魔術を使った。犯されると思って、怖くて、必死で逃げる手段を探して、魔術に行きついた。
じっとライトを見つめる。
そうだ、俺は自分の都合で、成田を殴ってしまった。【ドッペルゲンガー】で男の俺を呼び出して、ボコボコにしてしまったのだった。明日にでも、ヒールをかけさせて貰おう。全部俺の都合なのだから、アイツはずっと俺が受けるべき罰を受け続けているのだから。俺が分け合わなくてどうするんだ。
「【ヒール】」
パアァァ……と、緑色の光が辺りに舞う。まるで夏蛍が舞っている様で、とても綺麗だ。
俺がその光景に見惚れていると、カタッという音が背後で鳴った。
そちらに顔を向けると、そこには見知らぬ赤毛の女性が立っていた。
この場合、冷や汗が先か、鳥肌が先か、どちらにせよ心霊現状は御免こうむる。
「【聖壁】」
あまり使っていない聖属性の光の壁を作りだし、その後ろに隠れる。こっちくんなこっちくんなこっちくんなぁっ!
ガクブルしながら去るのを待っているのだが、一向に去る気配が無い。なんだよもう、浄化してやろうか!?
「あの、神璽君……?」
「ひぃっ!?」
恐ろしい事に、幽霊は俺の名前を知っているらしい。どこで知ったのだろう、いや幽霊なのだから知っていて当然なのか。いつどこで俺を見ているか、解ったものじゃない。
「な、南無阿弥陀仏、エェイメンッ!祓い給え、清め給え!!」
「いや、私は幽霊でも吸血鬼でもないのですよ……?」
「じゃあ誰だよ、忍者か!?」
「何で忍者になるのか解らないのですが……クラスメイトのジェシカ・バートンなのです。今後ともよろしくなのですよ」
「はぇ?く、クラスメイト……?」
「はい、なのです」
ガクッと脱力してしまい、ココアを持ったままベランダの床にぺたりと座り込んでしまった。なんだ、クラスメイトか。びっくりしたぁ……。
「それにしても、クラスメイトに忍者が居るとは驚きだな」
「だから、どうして忍者になるのです?」
「だって、俺のクラスメイトが俺と一緒に姉貴の部屋に居る訳が無い。つまり今さっき侵入してきたんだろう?」
「最初からいたのですよ?」
「マジで?何処にいたのさ、俺さっきココア作っていたから結構歩き回っているのに」
「あ、私もココア作ってほしいのです。ちなみに、私はソファーベッドで姉さんと一緒に寝ていたのですよ」
そんな便利な物がこの部屋にあったのか。俺、姉貴の入学時に引っ越し業者(身内)として入ったきりだから、まったく記憶になかったぜ。視線をそれらしいものに向けると、ジェニーが大の字になって眠っていた。姉ってあれかよ。
「いや、ココアくらい自分で作れよ。ミルクココアの粉末だから、特に考え無しでスプーンに一杯掬ってコップに放り込んで、お湯を淹れれば出来上がりだろ?」
「神璽君の淹れたココアが飲みたいのです」
「……あのね」
「神璽君の淹れたココアが飲みたいのです」
「どうしたの、バグった?」
「神璽君の淹れたココアが飲みたいのです」
「わかったから、淹れるから。この時間にそのネタはやめてくれ、背筋が凍る」
「わぁいなのです!」
この場合、そのわぁいについてツッコんで良い物だろうか。真剣に悩んでしまう。
ジェシカのココアを新しく淹れ、俺の分を淹れ直して再びベランダに出る。うん、やっぱり肌寒い時間に飲むホットココアはんまいな。
「「ほふぅ……」」
二人してほっと一息つく。まだ少し緊張はするものの、アリシアさんのお蔭で少しは女に耐性が出来ているみたいだ。そういえば、あれからログイン出来ていないから、今度ログインしたらいっぱい料理作っておかないとな。そしてアリシアさんに食べさせてあげないと。
「成田君と神璽君の事、簡単にですがお姉さんから聞きました」
ビクリ、と体が震える。
姉貴が話した、だと?何故、俺の罪を勝手に他人に話した?姉貴はそんなに口の軽い奴だったのか。そうか、残念だ。もう、姉貴とは口を利かない様にしよう。最低限の受け答えだけにして、あとは何一つ口にしてはいけない。
じゃないと、また飛び散る。
「……一人きりは、寂しいのですよ?」
「慣れてるから、問題ないさ。俺はぼっちだからな」
「神璽君――――少し、お話に付き合ってくれませんか?」
お話?俺が首を傾げながらジェシカを見ると、彼女は苦笑いをしながら話し出した。
「私はアメリカ生まれで、街ではそこそこ可愛い部類に入っていたと自覚しているのですよ。そんなだから、色んな男の子と付き合った事があるのです」
「へぇ……意外とビッチなんだな」
「日本じゃそうかもなのですが、向こうじゃ彼氏が居ないと逆に苛められるのですよ。だから、フェイクの彼氏を作る人も沢山いたのです」
流石はビッチ大国、ぼっち大国日本じゃ太刀打ち出来ねぇな。
「そんな時、私の一人目の彼氏が事故死したのです」
「何その急展開!?」
「本当にびっくりなのですよ。トラックに跳ねられて亡くなったと聞きましたけど、その頃は全然立ち直れなかったのです」
それってもしや異世界召喚トラックとかじゃないよね?
「そんな塞ぎ込んだ私を慰めてくれた男の子と仲良くなって、恋人同士になったのですが、その人は山登りしている時に一家揃ってグリズリーの餌になったのです」
「え?」
「その次は友達がテロで爆死、その次も友達なのに溺死。通りすがりの強姦魔に襲われた時には、強姦魔が過呼吸で窒息死したのです……それから、私のあだ名は男殺しの死神になってしまったのですよ」
ええぇぇぇぇ……!?何その猛毒っぷり、貞○もびっくりの呪いの力じゃないですか!
「何度も警察の事情聴取を受けましたし、何度も病院で精密検査を受けたのですが、原因は全く分からず……。最後の頼みとして教会に悪魔祓いを依頼したのです」
「あく、ま?」
「実際はそんなものは付いていなかったですし、悪魔が居たのかすらわからないのです。けど、神父様からは“呪われている”と言われたのです。そんな情報が学校に漏れて、死の呪いを振りまく魔女って呼ばれて、完全に無視され避けられるようになったのです……。姉さんも、その時私に構ってくれなくて、両親は私を避けるようになって……本当に一人きりになったのです」
苛められる事すら無い、完全な無視の世界。恐らく、教師ですら忌避したであろうジェシカはそんな地獄を味わった。
だから、何?俺にお前を頼れと?同類だから仲良くしようとでも?
俺とお前とでは、ケースが違いすぎる。何の参考にもならないし、無駄な犠牲を増やすだけだろう。
「数年経った頃に、家族はバラバラになってしまったのです。お父さんも、お母さんも帰ってこなくなって、姉さんは神学校の寮から帰ってこなかったのです……もう、本気で死を覚悟したのです。食べるお金もない、服を買うお金も無い、学校に行く事すら出来ない。もう、何度も死のうと思ったのです」
「でも、死ねなかったんだな」
「はい、何度死んでも、死ねなかったのです。ナイフで手首を切っても、銃で頭を撃っても、電車に轢かれても、ビルから落ちても、何度死んでも死ねなかったのですよ」
え?
「そのうち私が不死身だと噂が流れて、好事家が不死身の肉を売ってくれと言うようになったのです。私は喜んで売りました。100g二千ドルもの高値が付いて、オークションで毎度二キロは売れていました。ぶくぶくと太った肉塊が私の体を食べると思うと、心の底から気持ち悪かったのです。けど、それ以外に生きる道が無かったのです……どうせすぐに再生する、そう言い聞かせて何度も何度も何度も何度も何度も足を手をお腹を背中を胸を目を舌を切り落として売ったお金で食べ物を買ったのです」
ガクガクガクガクガク……。
「あぅ、ぁぅ、ひゃぅ……」
「最後には、脳を売ってくれと言われて、私は生きたまま……」
「ひいいいいいいぃぃぃぃぃっ!!」
「なーんて、嘘なのですよ☆」
う、うそ?嘘なの?本当に?
そんな確実にハン○バルなレ○ター博士が顧客みたいな事してないよね!?あの人なら絶対に毎度高値だろうが競り落としそうだ。
「うっ、えぐ、ひぐ、ぐしゅ」
「あぁ、ごめんなさいなのです。そこまで怖がらせる気は無かったのですよ?」
「ひっ、ぐす、ど、どからどこまで、ほんとう?」
「全部嘘なのですよ。でも、神璽君がやっている事はさっき言った事と同じことなのですよ?」
「ふぇ――ど、どの辺が?俺、体の切り売りなんてしてないよ?」
「同じことなのですよ。自分のせいじゃない事で心を削って、身を差し出して、身近な人の心に気付かないで遠ざけて。そのせいで、その人が傷付いているとも思わずに」
「…………違う」
「何が違うのです?」
「成田の事は、俺が原因なんだ。全部の原因は俺にあるんだ!アイツがおかしくなったのも、麻薬に手を染めたのも、バカな連中とつるむ様になったのも。だから、俺がアイツに暴力を振るわれるのは当然の報いなんだよ!」
「じゃあ、なんで昨日は成田君を殴って逃げたのです?」
っ!?
「ずっと嫌だった、逃げたかった、助かりたかった。違うのですか?」
「違う、違うっ、違うっ!!俺は、そんなあさましい事望んじゃいない!!」
「怖かったのですよね……?」
怖かった?――そう、怖かったのだ。あの時の感情は嫌だ、でも逃げたいでもあるけど、それ以前に俺は、ただ怖かったのだ。
「ぁ……」
「燈子先輩が言っていたのです。今の神璽君は、男の時みたいに感情を抑えられないでいる。不愛想なヤクザ顔というフィルターを通せずに、ありのままの感情がダイレクトに外に出ているって。だから、いくら隠しても無駄なのです。これからは、私が全部見破ってしまうのですよ」
「――そっか……それなら、仕方ない、よな」
「はい、仕方ないのです」
すっかり白み始めた空を見上げて、冷え切ったココアを口に含む。少しぬるいけど、まぁ、美味い。
ほろり、ほろりと、涙の粒が頬を伝って落ちていく。これは悲しみの涙なのだろうか、それとも安堵の涙なのか。
今の、本当の気持ちを口に出す事が怖く。口に出してしまえば、もう耐える事なんて出来そうになくて。でも、そう、仕方ない。
いくら隠してもバレてしまうのだから、仕方ない事なんだ。
「嫌だよ。男の時でも嫌だったけど、この体に成ってから凄く怖いんだ……。成田の声が、足音が、俺に向かって伸びる手が。犯すって言った時の、あの眼が。酷く、怖くて……逃げたくても、足が竦んで腰が抜けて、本当なら多分あの時滅茶苦茶にされていたんだと思う。きっと今頃行方不明で、成田の部屋で人形に成っていたんだと思う」
怖い。歯がカチカチと音を立てながらも、俺はゆっくりと感情を吐露する。
「けど、俺には魔術があったのを思い出した。この体がゲームのものだというなら、魔術も使えて当然だって思ったんだ。これで助かる。あの時はその一心で、魔術に縋った」
だから、助かった。
「でも、俺に助かる資格なんて無いんだ。成田を殴る資格なんて無いんだ。そう思うと、もうどうでも良くなって……。成田が、怖い。成田に殴られることが怖い。成田に従おうとする自分が、怖い。何より、成田に支配されたがっている俺の心が、怖い。怖いんだ……っ」
「違うな、間違っているのですよ、神璽君」
「ふぇ?」
「それは償いでも罰でもなく、ただの依存なのです。長い間、こんな関係だったから気付かなかったのでしょうけど、神璽君は殴られる事で自らを許そうとしていたのですね。自分で許されないと言っておきながらも、殴られる事で許された錯覚に陥っていた。水面を叩けば飛沫が舞うように、それを続ければいずれは罪が消えると信じていた」
「そう、なのかな……?」
「そうなのですよ。でも、女の子になったばかりの神璽君には、辱められる事でどれだけの飛沫が舞うのかが解らなかった。だからパニックになって、逆に活路を見いだせたのです。だから、その姿になった事にも、何かしらの意味があるのですよ」
そうか、そうかもしれない。もし、何かしらの意味を見出すのなら、成田への生贄である事なのだろうか。でも、もしそれが改善されたら……成田はどうなるのだろうか。
「ところで、その時に使った魔術ってどんな物なのです?」
「え?えっと、【大精霊化・光】【光属性魔術・初級Ⅲ『ドッペルゲンガー』】」
ズズズズ……。俺の影が変化し、もう一人のニノとなってその場に現れる。真っ黒な髪に真っ赤な瞳を持った幼女。それがドッペルニノだった。もしかしてランダムでどちらが出るか決まるのかな?
「わぁ……ゴスロリが似合いそうなのです……」
「前に呼んだ時は、男の俺だったんだけどね。てか、この力の感想がソレってどうなの?」
何、この子魔法使いなの?魔法少女なの?どう考えても異常事態だよね、もう少し気味悪がるとか反応が欲しかったような、安心したような。むぅぅ、複雑。
「神璽君は甘ロリが似合いそうなのです。それにさっきから聖壁とかライトとか使っているから、大して不思議に感じないのです。むしろ大精霊化とか光魔術Ⅲとかの方が気になるのです。今ニノちゃん何レベルなのです?」
「たしか45レベルだけど。あとそのなんとかロリってのは着ないからな」
「早すぎるのです……腐ってやがるのです……」
「残念だが腐ってやがるのはお前の姉貴だ」
「『お姉ちゃんは巨○兵』とか、割と漫画でありそうなのです」
「誰得だよ」
「私得デスネ!」
後ろのガラス窓が開いて、ジェニーが顔を出す。どうやら、さっきまでのやり取りで起きてしまったらしい。まぁ、結構騒いでいた気もするし、仕方ないか。
ていうか、ジェニーはそれ楽しめるの?マジで?
「ほらジェニー、アンタの分のココア淹れたんだから持っていきなさいよ」
「ありがとデス!」
「悪い。姉貴まで起こしちまったか?」
「気にしないでいいわよ、これで神璽の本心が知れた事だし」
うぅ……聞いていたのか。
「アンタ割とバカなんだから、ちゃんと周りを頼りなさい。昔みたいに、無力な子供ばかりじゃ無いのだから」
「――ん、解った」
俺はこの時、いつも以上に素直に笑えたと思う。
◆◇◆
朝方の寮内廊下にて、二人の姉妹が歩きながら会話をしている。しかし、お互いが普段の柔らかい雰囲気とは違い、怜悧な印象を受ける表情をしていた。
「ジェシカ、随分とあの子に気をかけるのね」
「そうでもないのですよ、姉さん」
「過去の事まで話して……そんなに自分を傷つけて楽しい?」
「違うのです、姉さん。私はやっと巡り会えたのですよ?」
「へぇ、じゃあ、あの子が……?」
「体が変わって、魔術まで使えて、そこまで出来るならきっと」
「そう。ニノには悪いけど、これも妹の為ね」
「なんだか、その言い方は悪役っぽいのです」
「自らの悲願を成し遂げる事、それが悪なら喜んで悪役になるわ。ニノじゃないけど、それがジェシカを一人にしてしまった事への罪滅ぼしだから」
「姉さんは十分に傍にいてくれているのですよ」
ジェシカは胸に光る半透明のペンダントトップを指で弄る。それは姉が長年研究してようやく完成した奇跡の一つ。呪いを封じる、出口無き無限迷路。
名を【聖堂結晶】という。
読了感謝です。
嘘?本当?さてさてどっち?
イラァッっと来た人は嘘で、来なかった人は本当でいいんじゃないかな?(無責任)
映画ネタはハンニバル、羊たちの沈黙、レッドドラゴンのレクター博士から。
他にもSAWとかCUBEとかエミリーローズとか各スティーヴン・キング作品等の洋画作品をパロッて行きたい。
そんな事を考えているから、残酷表現ありになるのだよ……。
おかしい、最初は時代劇の勧善懲悪物語風味の予定だったのに……。神璽なんて誤変換するからいかんかったんか。
何はともあれ、あと数話で擬人縁起編も終わります。
そしたら夏休みイベント編(仮)で心のリフレッシュをっ!