第3話 説明書
アサダヨー、アサダヨー、アサダヨー
ふざけた目覚まし時計の声によって目が覚める。
確か正規サービスの開始は今日の13時からだったよな。てことは、午前中を使って説明書を読むことにした。キャラメイクやプレイのときに、わからないことがあったら困るからな。
中には、インターネットのβテスト時代の情報で、説明書以上の知識を集める人もいるだろうが、俺は説明書だけにする。
折角なので、公式に開示されていない情報は自分で見つけていきたいと考えているからだ。
「ん?これで終わりか。」
説明書を読み終え新しくわかったことを完結にまとめよう。
最初は、各ステータスの意味だ。
〈W M O〉おいて、存在するステータスは
HP・・・ヒットポイント。生命力。これが0になることはゲーム内での死を意味する。最大量はVIT+MENとなる。
MP・・・マジックポイント。保有魔力。これを消費して技を使う。最大量はSTR+INTとなる。
STR・・・strengthの略。筋力を示す。物理攻撃力と攻撃速度、最大MPに関係している。
VIT・・・vitalityの略。耐久力を示す。物理防御力とスタミナ、状態異常耐性や最大HPに関係している。
AGI・・・agilityの略。敏捷力を示す。様々な速度に補正がかかる。
INT・・・intelligenceの略。知力を示す。魔法攻撃力と最大MPに関係している。
MEN・・・mentalの略。精神力を示す。魔法防御力とデバフ耐性、最大HPに関係している。
と、なっている。
これらのステータスをレベルアップ時にもらえるステータスポイント、spを振り分けるとこで伸ばしていくらしい。
次は種族についてだった。
種族は7つのう内から選ぶことができ、それぞれでステータスの成長率と見た目が変わってくるらしい。
成長率とは、1sp振り分けるとこで伸びるステータスの量のことだ。詳しくは、おいおい説明するだろう。
その次は、スキルについての説明があった。
まず、スキルはアクティブスキルとパッシブスキルの2種類に分かれており、アクティブは自分で発動しないと効果を発揮しないもので、魔法スキルは全てこれに当たる。パッシブスキルは常に発動しているためいつでも効果がある。更なる効果をもたらすために技が使えるものもあるが、ないものもある。
技というのは全てのアクティブスキルと一部のパッシブスキルに含まれるもので、戦闘スキルは武技、魔法スキルは魔技、生産スキルは産技、その他スキルは技能、と呼ばれる。
スキルのレベルが上がると使用できる技も増える。
使用するにはMPが必要で効果の高い物や、後半の技になるほど必要なMPも増える。
あとは用語の説明や、パーティは最大6人まで、ということやパーティのでパーティを組む〈レイド〉と呼ばれるものがあり、それを組んで〈レイドボス〉を倒すことがある、などの基本知識だった。
ちょうど説明書の読み終えたところで、母親に昼飯に呼ばれた。
食べ終わって時間を確認すると13時の10分程前になっていた。
いいタイミングでだったな、等と考えているとケータイが鳴った。
どうやら着信のようだ。このタイミングで電話をかけてくる奴など一人しかいないだろう。
「もしもし、和鬼か?」
「おはよう、努。」
「もう昼だよ。それよりあと10分だぞ。準備は出来てるか?」
「もちろんだ。俺は〈クロオニ〉で登録するつもりだ。努はいつも通りか?」
「おう。βの時と同じ〈アルス〉で登録するよ。中に入ったら、始まりの街の中央広場に噴水があるらしいから、そこで会おう。」
「わかった。じゃ、またあとでな」
電話を切ると、説明書にあったとおりベッドに仰向けで寝ながらヘッドギアを付ける。
そして、ヘッドギアの起動用の音声コマンドを発する。
「virtual dive」