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Part.1.5 佐伯透真視点
Part.1.5 佐伯透真視点
別にこれと言って取り柄なんざありゃしないが
読んだ本は1度見たら忘れない事ぐらい。
まぁ、自己紹介はこれぐらいに、もっと教えたら
面白くないだろう?
今は午前10時4分。
ある友達を待ってんだ。視界の隅で時計を見る。
10時5分。
ピンポーン、来た!
俺は勢いよくドアを開ける。
「おっす、透真!」
「よっ、雪十!」
パンッと雪十と手を叩いたら良い音が鳴った。
「雪十、また時間ピッタだぜ?!」
「透真は必ず時間に遅れるよなぁww」
雪十は笑いながら揶揄うように言う。
「まぁ、暑いから中入れ。」
「もちろんそのつもり~。」
相変わらず一言余計なんだっつの!
この拗れ野郎は同じ中学の山本雪十。
同じクラスでもある。
成績は上の上、つまり頭が良いのだとても。
そんな出来る奴が何故俺の家に上がり込んでるかって?
「おーい、部屋入っても良いよね?」
「お好きにどうぞ。」
まぁ、そのうち分かるさ。