表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恐怖!"マリオン(爆♪)『オカルト部へようこそ!』  作者: Ark-Royal
『さてさて、本来の活動しなきゃ廃部になるよ⁉︎』
8/30

『ボク達の夢巡り冒険奇行――プロローグ1』



 試練とは、たとえ己自身を引き裂く程に辛くても。


 勝ち取った先には計り知れない成長と生きるための自信を得る。



 例え可愛い君達でも――敢えて心を鬼にして試練を与える。名付けて"ドS"と言う名のスパルタン式だ(嘲笑)



by湊





 



 ――何処までも真っ青な空だな。

 ふと鼻に触る潮風の心地よい香りを肺一杯に吸い込む。

 ゆっくりと――まるで綿飴の如く流れる雲を掴むように空高く右手を翳す。



 時折吹き込む風の流れと背中から伝わる軽い震動で、今現在役27ノット――時速にすれば役40キロのスピードで動いている事を?



「んもぅ。響っ! 作戦会議で副会長の玲香先輩から徴集が掛かっているのに、呆れた! こんな場所で昼寝って、まったくしんじられないわよ」



 ――うわわっ!?いきなりボクの目の前に現われんなよ。



 と。いい感じな雰囲気をぶち壊しにかからんと、視界に入るつぐみの膨れっ面に自己満足なボクの思考は停止。



「やぁ、ごめん――つぐみ」


「謝るなら今回の依頼(ミッション)担当のマリオン先輩にあやまんなさいよ、ほらっグズグズしない!」



 今現在寝そべる体制から無理矢理起こされるように勢い良く立ち上がる。



「へえ? あっちに航行する船も良く再現されているな」



「ええ、今回あの科学部主体の作戦に参加してくれたユーザー達よね。あっちに見えるのは、前方から護衛の"アーレイパーク級イージス艦。それに、"あたご級護衛艦"や……凄い"戦艦アイオワ級"まであるわよ」


 うっわww……ボクは、ある意味かなりマニアックなワードを口ずさみながらカチャリと彼女のトレードマークにもなる赤縁メガネを掛けなおしながら。



 子供みたいにはしゃぐ様を眺めていた。

 つーか彼女の意外な趣味の一面も驚いたんだけどねっ。




 そして今ボク達二人が佇む船。多分つぐみは艦名まで分かると思うが。空母だと思う。

 んで、何故ボク達オカルト部や桜丘高生徒会の面子まで、とあるマニアックなバーチャル系ゲーム内のど真ん中に転成させられているのはと言うと、今から数時間前に遡るんだけどねっ――



―――――――――



――――――――



――――――



―――





    ◇◆




 素早くキーボードを叩く音が綺麗に整頓された一室内に響いている。



 何処の聖地だろうか。北欧?ゲルマン神話??フォロー諸島に伝わる"あれ"かと。液晶画面に映るそれは又オカルト関係での事かと半信半疑な嫌な思考が過る。




 今現在ボクが胡坐をかいている前にある。小さな丸テーブルに置かれた冷たいアイスコーヒーを、一口含むつぐみが隣に正座を崩しながら座っている。



 ボクの視界に映る白い綺麗なポロシャツ姿の青年――生徒会会長こと湊先輩の背中を眺める。



 多分あの先輩と関係があるマリオン先輩に頼まれた事を調べているのか…

 休日になる今日。午前から一人暮らしのボクは、家事全般を一通り終わらせ休んでる最中。

 突然ボクの住むマンションの部屋に、何時もの如く生活監視に訪れるつぐみ。


 又々ボクの何時もの休日での彼女の説教とゴミ捨て地獄が開幕かと思いきや。



「ち、ちちちょっとさっきから鳴っているこの音って」




 何故か部屋の電話がけたたましく鳴っている事に二人して気付くように停止する。



 渋々と両肩を落とし、どうせ意味のねえ新聞かナニかの勧誘かと準話機を手に取り耳に聞こえる電話主の声は、はどんな経緯で調べ挙げたのか。先々週知り合いになったばかりのよく知るオカルト部部長ことマリオン先輩からなのだから、二人して驚くのも無理はないのだ。



 そして、湊先輩の部屋まで頼まれ事があると呼び出されるがままにここ、彼が住む自宅の部屋にお邪魔し、現在に至るんだけどねっ!



「ねえ、響っあれ見てよ」



「ん? あぁ……この数々の分厚い本は。某合衆国にあるマサチューセッツ州にある学会といえば?……かなり優秀な学者さん達が常に科学の進展の為実験を行使している場所じゃ」



 マジマジと赤縁メガネを光らせながら関心した素振りで綺麗に並べられた章。 若しくは部屋の大半を締める学会や研究会と知り去れた大量の書物の数々。



 噂には、一昨日知り合いになったあの眼帯っ娘こと颯人ちゃん曰く。あの先輩の秘密を物語っているような。



「ああ、待たせて悪かったね。唐突に君達を呼んだ理由がこれなんだけどな」



「はぁ……これと、ボク達がどう関係があると?」



 突如、デスクワークでの作業を終えたらしく、回転式の専用の椅子を回しながらこちら側に意味ありげな笑みを浮かべる湊先輩。



 チマタじゃ……あのマリオン先輩と並ぶ相当な"ドS"と聞いているのだが。



「うぅ〜ん……ま、君達に直接分かりやすく説明すれば、今から三日後の午後に君達オカルト部の新人メンバーによる試験もかねての"夢渡り"を行うのはマリオンから聞いていたな」



「はぁ――」



「ま、今回はその予行練習もかねて、ある依頼に参加して貰う事になったんだ」


 何気にボクとつぐみを特徴のある黒縁メガネを掛けなおしながらたんたんと告げる先輩。

 一体全体あのマリオン先輩とどういう事をかわしたのかは分からないのだが。


「兎に角今日の正午。桜丘高四階にある科学部が主催する部室に集合。詳しくは、あの飛山(とびやま)(つばさ)くんという人に会えば分かる」



 そう――その一言を告げられてからボクとつぐみ。そして、哲也筆頭の入部した訳じゃないけど新人部員達による。夢渡に至までの長い戦いが始まるのだが。



つづくっ






さてさて、いよいよ今回から前半でのバーチャル世界編……更にその先には夢渡り魔術的な異世界編にあの響達メンバーが挑みます。


とりあえずは、かなり長くなる予感のパートですが果たして……



次回っ! バーチャル編での「むむっ!」と妙な口癖の。意外なとある"別物語からの"登場人物が?――絡む予定だか?



お楽しみにっ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ