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恐怖!"マリオン(爆♪)『オカルト部へようこそ!』  作者: Ark-Royal
『さてさて、本来の活動しなきゃ廃部になるよ⁉︎』
7/30

『ボクと。とある"魔術師"の事情って?』



 人と言う生き物はねぇ――肉体と言う器が邪魔をして本来の力を出し切れないんだよ。



 そして、その力をある方法で少し出す事が出来る。


 その方法を唯一知っているのが私達――現代魔術の基本なんだからねっ!



by:マリオン

 



 カタリとボクの真後ろから拳だいの透明な透き通るナニかを机の上に置かれる。



 午後の日差しが射し込むのも手伝い、透明なナニかを通しダークグレーの机を金色に染め上げる。



 それが総てとても幻想的に大きな窓ガラス一杯に描かれたステンドグラスから来る光と一つになり――



「ほら…綺麗でしょ? 見てごらんなさい。 これにはねぇ、古くからイングランドとバルト諸地方のヘズビュー建築が立ち並ぶ古城。ヴィーキング城の聖域にて占いに纏わる神が宿っていると言われてるの。ほらっ耳を澄ませてごらん?」


 水色髪の先輩…いや、"マリオンさん"とか言ってたか。あの生徒会での瑞希さん達との出来事から翌日になる今日。

 授業が早く終わり。放課後早々にみっくん事ピンク先輩は彼のクラスメイトこと嘉乃玻先輩の用事で、つぐみや哲也達と共に買い物に出かけている。



 そしてボクこと杉原 響は、何故かピンク先輩の片割れ…

 オカルト部の部長ことマリオン先輩と二人きりでここ、オカルト部の部室でお留守番中な訳なのだが。



 こんな一室に若い男女二人きり。ましてや何時も馴れ親しんでいるつぐみならまだしろ、こんな知り合ったばかりの彼女と過ごせと言われても当然会話も上手く噛み合わない訳なんだよねぇ。



「あの――このヴィ…ヴィーキンっつ!」



 っつててっ。唇噛んじったしww…一体全体ボクはナニを緊張しきってんだよ…


「ほらっ、大丈夫?唇から血が出てるよっ」



「いや、いいっすwwあまり気にしないで下さい。只の事故ですから…ボクちょっと保健室へ」



「事故じゃないよ! あ、そのままじっとしてて、この機会だからいいおまじないしてあげるっ。ちょっと霊装に着替えて来るからっ」




 突然マリオン先輩は慌てるようにボクの噛んだ唇に青いハンカチをあてがう。 ガタンと鉄パイプ製の椅子をならし賑やかに立ち上がり「着替える」とボクに一言つげて足早に一室を後にする。



 一体全体ナニがしたいのかわけわからん奴だなぁと。たしか――霊装に着替えて来るって!?



 あてがわれた青いハンカチからなのか、仄かに嗅いだこともない不思議な香水の香りに包まれながら何故か無人になった部室で待っているボク。



 そう言えば、何時も知ってるあの元気一杯に罵声を浴びせる先輩とは全然別人のようだったよな。

 何処か寂しがり屋みたいな――ひょっとして、本当はこんな優しい雰囲気の人で、それを誤魔化す為に? ううんっ!違うっ。断じてそれだけはありえないっ! いやしかし――



「お待たせっ。ん? うぅ〜ん……響少年っ! 顔を綻ばせて一体ナニを考えていたのかなぁ〜もしかしてあのつぐみちゃんの事とか」


「へあ!?」



 って!?うわわぁっ! 来るのが早いっちゅーねんこの人。



 あたふたと何かしらを誤魔化すように慌てだすボク。ふとこの一室に戻って来た先輩から目を競らすようにボクは俯いて自分の足元を見ていた。



 何処か窓が開いているのかな。


 ボクが腰を降ろす付近まで来る微風が吹き込んではパサリ――と明るめの紫色のマントが揺れる。

 てか、何処も窓が締め切って開いてないじゃないか?

 しかも、ナニこのコスプレ魔法使い。しかも――



「ふふ……今日響が居るから精霊(マナ)達がいつになく機嫌がいいよっ」



「いや機嫌とかそういう事じゃなくてですねぇかりにもこんな――」


 次の一言でたしかにボクは痛々しいマリオン先輩に入れるはずだった。そう――筈だったんだよ。



 でも、このステンドグラスから差し込む日差しと水色髪が日差しを通し。綺麗な透き通るような菫色ショートの髪を揺らす。

 幻想的な妖精のように蒼く澄んだ大きな瞳を細める。鮮やかな紫のマントを揺らしながら今度は目の前に座るボクをこっちに来いとか細い紫の手袋ごしの手でボクの腕を掴む。

 そしてエスコートをする魔法使いの女の子――

 本当にこの人はあの五月蝿いマリオン先輩なのかな?まさか妹や人違いじゃ。


 目の前に可愛らしく微笑み。一体髪染めなのか、わからないが特徴ある水色髪が視界に入る。

 そっとボクの唇をあてがい詠唱を初めだす姿が、ボクをここの現実から――"魔術的"な"異世界"を司る"非現実"な世界をかいま観せてくれた。



「――Ragnvbld(ラーグンヴァルドゥは)bog i Ed(オネーメの娘で)Ona'dotter(ファストゥヴィーを偲び)Grckland krigarfoljets――ledare……sin」



 室内に同じく水を司る神様か何かしら分からないがやんわりとしたせせらぐ音源が。コンクリート製の壁を伝いボクの耳に入る。



 いつの間にか気が付けば優しい歌声を未だ唱える魔法使いの膝元の上に寝かされ先程切った唇の端から細い指先がゆっくりと、患部まで走らせる。



 そしてそんな中ボクの意識はとても暖かな感覚に見舞われ――遠い記憶の彼方に追いやった故郷みたいな。知っているようでどこか儚くも懐かしい感覚が支配していた。




    ◇◆




「でさぁ……あのクエストにはすっげ〜秘密があるんだぜ」



「どんな秘密か? まぁ哲也と俺のLEVELの違いなら俺はフリーで可能だけど…で、自信満々な光雄さんは?」



「へっへぇ〜ん俺様はナニを隠そう――」



 おいww……てめぇ〜等。ここにナニをしに来たんだよ。



 あの不思議な体験から気が付けば、さっきまで痛かった唇の瘡蓋は愚か、傷口は嘘のように無くなり。



 ボクの周りには賑やかに、買い物から帰宅したつぐみと嘉乃玻先輩の差し入れのスナック菓子を、乱雑にボリボリむしゃぶりながら哲也達がいつものゲーム話を楽しげにしている姿が見える。

 更にあの魔法使い的なコスプレ衣装じゃない何時ものブレザー姿のマリオン先輩は部室奥でご機嫌なのか、鼻歌を口ずさみながら買い出しでの週刊誌を捲る姿が見え――



 しかもあのピンク髪の"みっくん"も哲也達のゲーム話で花を咲かせてるし…。



 なんだかな……

 ボクの左隣では、独特の黒瞳をパチクリさせながらそんなネトゲ的な類いなんかお構い無しこと、百日紅(サルスベリ)が身を乗り出しながらボクと言う獲物を狙っとる様子が伺える。



 ていうか――あのマリオン先輩との不思議な出来事は嘘のように消え失せ何時もの平凡な雰囲気に?



「ぬぐっ――おい。そこの"眼帯"…ボクチンの獲物を横取りしようたぁ疾風たるボクの能力を」


「眼帯とは人聞きが悪いッス。俺の右目には秘められた能力があるッス」



 って!? なンだなンンだ何々ですかァ? この痛々しい二人はァ……つかサルは大体把握出来るんだが。



「響先輩。俺、湊先輩から聞いたッス。先輩には秘められた魔力が宿ってるッス」



 うっは、もうどうにでもしてくれと言わんばかりにボクの左右を取り囲むサルと……謎の眼帯少女に目を泳がせながらやれやれと膨大なため息が漏れる。



 この桜丘高って、案外問題児の溜り場じゃぁ〜ないかと。



 その様子を知っているのか知らないのか、先程ボクに本物の魔術を披露したマリオン先輩は。あの神秘的な……たしか――



「ヴィーキングに伝わる術式の準備かな。夢巡り――の魔術……"あれ"をやるのなら助手のみっくんだけじゃむりなんじゃないかな」


「あ〜……湊。居たんだ。でもねぇ〜今回はとびっきりのスペシャルくんが居るからね。多分魔力的には余裕かもだよっ」



 なんつーか…多分今現在サルと火花を散らす。もろ厨二病的発想にときめかせる眼帯少女。それにあの水晶を挟み二人してボクの噂で持ちきりなマリオン先輩と噂じゃ彼女と同等なナニかを秘める湊先輩…彼も魔法使いか何かな。



 今思うと、こんな非現実な輩に巻き込まれ……あの知っている刻の狭間の廃棄みたいな場所に行く事になろうとは。



 今は知る由もなかったんだけどねっ――




つづくっ!



今回パートでは、このオカルト部での要にもなる"魔術"を。異能的な不思議話に持ち込む予定でしたがね。ヤハリメンバーがメンバーだけに?



 そして次回かその次辺りから。異世界での夢渡り話に?――なる予定←(おいw更にあの謎の眼帯少女の眠れる獅子と唄われる能力とは!?←("うそ"です"嘘"ww


次回もお楽しみにっ!


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