『みっくんはマジでバカでしたww』
やっぱし面白いなぁ〜"みっくん"はぁ。
あ!
みっくんは私の"何"だって? ちっがうちがうっ。
みっくんの"バカ"っぷりが超〜からかいがいがあって面白いんだって!
by嘉乃玻
「はぁ――オカルト部ねぇ〜…」
「そっ、オカルト部! ここの学園じゃぁ、あの個性的なお二人さんは結構有名人なのよ」
「で?その有名人にスカウトされた我らが響たんんっぼくちんはっぼくはぁ」
隣でやけに五月蝿いバカサルを少し距離を置きながら歩く。あれ?何か悪い事したかな。サルがいつの間にかボクの視界から消えたような…。
長い廊下を学校指定の革靴の音を鳴らしながら、ボクはさっきから意味ありげな"ワード"を口ずさむ。
前方をボクと平行して歩く、つぐみ。そして後方でシカトされた事で落ち込むサルを捕まえてはなやす哲也と圭介ことケイチャン。
考え込むボクの様子を満足げに目を輝かせながら悪巧みをするもうお馴染みなピンク髪を揺らすみっくん先輩。
「で? あのっオレ達は一体ナニをすればいいんすか?」
「ふふんっ!よくぞ聞いてくれた。少年っ」
「いや……あのオレ達は別に、つーか少年は止めて下さいます?さっき自己紹介」
「ナニを隠そうっ! あの"マリオン"に認められたアンタ等に俺様直々にオカルト部に相応しいか――」
うっわww……なんだこのピンク髪。まるっきし、哲也の質問に噛み合ってないすっとんきょうな仕草で拳を振り上げながらテンションマックスなんだけど。
しかも、あのマリオンと名乗る先輩も。昨年彼女一代で築いたオカルト部みたいだけど。この二人達の様子を見れば一目瞭然。
部員は愚か……誰一人として近付こうともしない理由が分かってきたような分からないような…。
て言うか、本来の目的であるその噂のオカルト部に相応しい相談。毎晩見る不思議な夢での出来事。
今現在ボクと平行して歩くつぐみがわざわざあの専門的な二人を紹介してくれたのには申し訳ないんだけど――
「むがぁぁぁああっ!出たな妖怪座敷わらしっ!」
「アッハハ……相変わらずこんな恥ずかしい奴が私と同じクラスだと思うともう恥を通り越して……あ、因みに座敷わらしじゃなくちゃんと貴義梨さまと呼んでくださいます?」
「にっにゃにぉぅ〜! 今日と言う今日はだなぁ」
いつの間にかボク達の様子に目がつき足早に近付いて来た先輩らしき女の子があのピンク先輩とギャーギャー喧しくなってる事に気が付く。
多分、ネクタイの色があのピンク先輩と同じだし、二年生の先輩だろうか。
しかもホウキを突き付けながらまるで掃除でもするかのようにチョッカイを出している様子が見える。
哲也とケイチャンはと言うと、サルが廊下脇の柱から除くナニかを見つけ取付こうとしているのが見え、 それを必死に取り押さえる始末。アイツの男の娘や可愛い奴には見境がないからな。
「こらっ百日紅っ。あんたは響一筋だろっ? 他の彼に"浮気"だけはやめろって」
「いややいややぁ〜!こんな可愛い娘をほうってくボクチンじゃないんやぁ」
「……僕に…馴れ馴れしくしないで――くださりますか……」
さ、サルゥ〜! 只でさえボク達メンバーだけどもカオスなのにこれ以上周りを巻き込むんじゃねぇ〜!
もうあのピンク先輩のクラスメイトらしき輩が現れたと同時にボクの周りでてんやわんやとお祭り的な惨状になる。
まぁ、これがあのピンク先輩の周りじゃぁ日常茶番時な事を知るのにはそう時間は長くなかったのだけどね。
◆◇
「はぁ――…なぁ〜んかボク。この学園生活最初でこんなのと知り合いになって、この先やって行けるか」
「そう悲観的になるのも無理はないがな……その内慣れると思うぞ。所で君は」
「あ、自己紹介まだでしたね。ボクは…」
これで二回目になるかな?今ボクの座る座席の目の前にカチャリと暖かな紅茶が置かれる。
先程前でのあの理科室倉庫で飲んだ紅茶とは違う香りを噛みしめながら一口口に運ぶ。
あれからしっちゃかめっちゃかになる惨状をこの人が素早く駆け付けたらと思ったらあっという間に沈黙。
一体この人は何者なんだろうと、ボクは彼の右腕に掛けてある腕章が目につく。
「この学園はあのピンク髪も含めて極めて個性的だからな。初めまして、俺はこの学園の治安を守る生徒会副会長をやってる。鳳玲香だ。杉原響君だったね」
「はぁ……」
正に礼儀正しく自己紹介をする玲香先輩と名乗る人に「冷めない内にどうぞ」と進められながら今日。ボクは、二度目にもなる美味しい紅茶を頂いていた。
あの三階の廊下の突き当たりに、まさかここ桜丘高の生徒会室があったとは。
そんな事を考えながらボクとこの一番的そうな先輩の周りを一舐めするように見渡す。ていうか、あの二人はまだやりあっとるのかとww
「みっくんは、やっぱり"バカ"でしたっと――きゃははっ」
「おいてめっ"貴義梨嘉乃玻"ッ!幼馴染のよしみで多めに見てやったが今日と言う今日はだな。"ギャフン"と」
「ギャフン――」
「んなんだとぅっ!?」
普段から書記の役職で慣れているのか。目の前でオーバーアクション気味に仰け反る"みっくん"こと光雄先輩の反応をたのしんでは、バックから取り出した小さな赤い手帳に器用に記載する嘉乃玻先輩。
「お、俺様になれなれしく観察すんなっ、それに」
「それに? ふぅ〜ん?道理で帰りが遅いと思ったらこんな場所で油売ってたんだねみぃぃ〜つぅ〜え〜クゥン?」
「みっくんさぁ。お取り込み中悪いんだが。君の責任者が今にも沸騰しそうだからわざわざ連れて来てあげまし?」
「のわぁぁ!? マリオンン? おぉいいっ!瑞希さんんん!な、なんちゅ〜もん連れて来たんだっちゅべ?むげっ」
うはぁ……ここって本当にこの学園の治安を守る生徒会なのかと?
会長らしき黒縁メガネを光らす爽やかな先輩。
多分あのコメカミをヒクつかせる爆発寸前のマリオン先輩と何かしら知り合いなのだろうか。
正に目の前で披露する今日二度目にもなる彼女の足技が、今度はピンク先輩に炸裂!
その様子を冷酷極まりない不適な笑みで見つめる生徒会会長こと。瑞希湊と名乗る先輩。
放物線を描き、ボクの座る遥か先。只今窓際にてダベっている最中の哲也とケイチャン及、びつぐみは瞬間的に未だ把握しきれていないサルだけを残し退避する。
まぁその後の惨状は言うまでもないが。
そしてボクは、超弩級極まりない"ドS"特性な二人の先輩を絶対敵に回したくないとふつふつと感じていた。
てか、本来の色々な目的は――どうなっちゃってんだろうか?
つづくっ!
えっと……まだ全員出し切れてないが光雄のクラスメイトやら生徒会のこの個性的な方々は、かの元祖"浜高生徒会"メンバーを書いています作者様。
"阿琉 夜"さんに創作して頂きやしたっ。
わざわざお忙しい所。ありがとうございましたっ!
夜さんの代表作品。
『これが俺らの生徒会?!〜青春とは悪ふざけです。たぶん〜』
http://ncode.syosetu.com/n3941bp/
も是非とも宜しくお願いしますっ。