表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/14

Study:3-B「ハチャメチャな寮構成!?」

注:三話の後半は肌色満載なのでご注意を!

――□■□――


 管理棟。ここは、男性寮と女性寮のそれぞれの寮棟の丁度真ん中に位置していて、それぞれの寮棟へ行くことが出来ます。謂わば、二つの棟を繋ぐ連絡棟の様なものです。管理棟と言っても一室だけではなく、複数箇所入れる場所があるんですが何分、生徒の不要物品や不健全対象となる物を没収したものを置く場所――まぁ、物置部屋に変貌してしまっているので、入れないのです。僕が管理棟には幾つか空き部屋があるはずと言った際に先生にそう言われました。


「ここが管理棟のA室ですか……」


「そう、みたいですね……」


 僕の言葉に鷹ノ宮さんが返答してくれます。他の皆もこの部屋以外の部屋の扉から中を覗き込んでいろんな物が散乱している光景を見て、やっぱりここに入居するみたいだと確信しているご様子。

 ポケットから鍵を取り出し、ドアノブにそれを差込み半回転。


ガチャッ!


 と、ごく一般的な解除音が聞こえ、僕はドアノブに手をかけました。手のスナップを利かせてドアノブを回して扉を開けると、そこからはなんとも言えない埃っぽい臭いがしてきました。僕はアレルギー持ちではないのですが、ハウスダストとか持っている人にはたまらないホコリの量だと思いました。

 僕達は腕を鼻に押し付けてそれを吸い込まないようにして先へと進みます。他の部屋程……ではないものの、この部屋もなかなか酷く散らかっていました。少しは整理整頓しないものかと思ってしまうほどです。この学園の風紀委員や美化委員もどうして何もしないのだろうと僕は首を傾げながら部屋の奥までやってきました。

 部屋の大きさは説明してもらう時に見た寮の部屋の図面の大きさと大して変わらないのでそこまで文句はありません。しかし、大抵の寮の部屋には二三人のはずなんでずが、僕達は僕を含めて四人……四人でこの部屋の広さは少し狭いんじゃないかと思います。

 これでは、寝返りを打った際に隣の女の子に当たって――。

 おっと、いけないいけない。思わずまた妄想世界にトリップしてしまうトコでした。こんなんだから鷹ノ宮さんに変態扱いされるんです。以後、気を付けないと!


「凄く、散らかってますね」


 鷹ノ宮さんが部屋の窓を開けようと鍵に手を伸ばしながらそう言います。しかし、鍵は何とか開いたものの、肝心な窓が開きません。精一杯力を込める鷹ノ宮さんですが、やはりビクともしない窓。

 女の子の力では限界があるだろうと、僕は鷹ノ宮さんに代わってもらって窓を開けることに試みました。


ガタガタッ!!


「う、うんぬぬぬぬぬぬッ!!」


 険しい表情で窓をこじ開けようと力みますがやはり無理の様……。思わぬ所で体力を使ってしまい僕は額に汗が滲みます。


「あ、あのぅ……ちょっといいかな?」


 そう言って手を首より少し下辺りまであげた雛本さんが何かを言おうとしました。


「はぁはぁ、何ですか?」


「私に開けさせてもらっていい?」


 いやいや、男の僕が無理だったんですから、女の子である雛本さんには無理なんじゃあ……と半ば内心疑問に思う僕でしたが、やる気に満ちた彼女の表情を見てそれを無下には出来ないと僕は了承しました。


「どうぞ」


「うん、ありがとう」


 なぜかお礼を言われる僕……。それほどまでに窓を開けたかったのでしょうか?


「よいしょっ!」


 ガタッ、ガララララッ!


 何と気持ちいい窓の開閉音。一瞬窓を大きく揺らしたかと思うと、普通にものの見事窓が開け放たれました。春の夜風の心地よさが埃っぽいジメジメした部屋に吹き込み新鮮な空気を運んでくれます。しかし、よくあの窓を開けられましたね、雛本さん。


「あの、どうして窓を開けることが?」


 どうしてもそのカラクリが気になって僕は思わず雛本さんに質問しました。すると、彼女は答えました。


「簡単だよ、この窓……サンの部分が錆び付いてて動きにくくなってたから、少し揺らして開けたんだ

よ」


 そんなので開くんだと、相槌を打ちながら僕は納得の声をあげました。


「すっごーい、すずめちゃん。よくそんなの知ってるね~!」


 みふえちゃんが、両手を合わせて満面の笑みを浮かべ雛本さんを褒め称えます。その言葉に思わず顔を赤くして照れる雛本さん。


「えへへ、ありがとう小鳥遊さん」


 口元に手を運んで恥ずかしそうにする雛本さんの仕草一つ一つがキュートでたまりません。と、変態

的な発言はさておき……。とりあえずこの部屋を片さないとこの部屋で就寝は出来ません。

 僕達は互いにアイコンタクトで頷き合うと、制服の袖を捲くり掃除用具のロッカーに入っていたはたきを片手にパタパタとホコリを落としていきました。モワモワと空気中に舞い上がるホコリに、ホントにハウスダストじゃなくてよかったと心底嬉しい気持ちになる僕。

 掃除は結構長引きましたが、女の子が三人もいるために結構指示も上手くて思いのほか時間もかからずすんなりと掃除を終わらせることはできました。あれほど不要物品で溢れかえっていた場所が綺麗になり、ホコリなどで薄汚れていた床も本来の色を取り戻し、曇っていた窓ガラスも綺麗に。ベッドはないので、布団を敷くことになりますが、この布団は新しいものを別の場所から運び込んだものなので汚れてる心配はありません。むしろ、寝た後に問題が――。まぁ、それはとりあえずいいとして、棚も整理整頓されてどこに何があるのかなどがはっきりと分かります。管理棟にも一応風呂場があるのですが、その風呂場もきちんと洗いました。


「やっぱり綺麗になるといいですね~」


 額の汗を拭いながら笑みを浮かべる鷹ノ宮さん。やはり、清楚な女性は凄いですね。ほんの一働きしただけでクタクタの僕とは違い、まだあんなに余裕そうな表情を浮かべていられるのですから。


「でも、おかげで汗かいちゃったよ~」


 制服の上着を脱ぎ捨てブラウス姿の彼女達はそれぞれパタパタと首元の部分を掴んでパタパタと内部に風を送り込み、涼しさを得ていました。その姿がなんとも(なまめ)かしく、首筋に垂れる汗に僕は思わずドキリとしてしまいました。何よりも、その汗が窓から差し込んでくる月明かりに照らされてキラキラと輝いているんですからそりゃあ艶かしくも見えますよ! いやあ、大抵の理性の持ち主でなければ耐えられませんよね! いやあ、僕って凄い!

 と、自己満足に浸るのはいいとしてこのまま寝てしまうのはいささかあれですね。女の子が汗臭いなんてそんなの彼女達も嫌でしょうし……も、もちろん僕も嫌ですよ? 決して、女の子の体臭がくんかくんか……なんて変態じみた妄想はしてませんよ? そこッ、「犯人はそいつです!」とか言わないッ!!

 僕は風呂場に迎い、浴槽にお湯を溜めることにしました。その間に、僕は寝巻き及び、布団の準備を整えます。その際に鷹ノ宮さん、みふえちゃん、雛本さんの三人には少しばかり休憩してもらいました。


――□■□――


 数十分後、浴槽にお湯が溜まり準備完了。後は三人に温かい風呂に入って汗を流してもらうだけです。その間僕は――……僕、は……。な、何もし、しませんよ? 当たり前です! 至って僕は物事に真摯です! 女の子に対して紳士です! ジェントルマンなんです! そんな僕が女の子相手にそんな如何わしいことす、するはずないじゃあ~りませんか!! HAHAHAHA!! 


「いいですか? 絶対に覗かないでくださいよ?」


 鷹ノ宮さんに念入りに忠告され、僕は「もちろんです」と返事をする。


「絶対に絶対にですよ? 覗いたら後が怖いですからね?」


 二度目の忠告。これにも僕はきっぱり否定の言葉を述べます。


「絶対の絶対ですよ?」


「もちろん、覗きませんって!!」


 三度目の忠告に思わず僕は少し口調を強めます。すると、鷹ノ宮さんは少し悲しそうな表情を浮かべて言いました。


「少しは覗きたいって言ってくださいよ……」


「え? 覗いたらダメなんですよね?」


「あ、当たり前ですっ!」


――一体どっちなんですか!?



 鷹ノ宮さんの言葉の意味が僕にはいまいち理解できません。

 結局、鷹ノ宮さんもみふえちゃんと雛本さんの二人が風呂場に向かうのを見て、渋々後をついていきました。ふぅ、鷹ノ宮さんがよく分からない事を言ってましたが、まぁ概ね大丈夫でしょう! 僕は布団の準備を整えて寝る準備を終了させ――あっ、そういえば風呂場にタオルがありませんでした!! ど、どどどどうしましょう!? タオルが無ければ髪や体を拭くことが出来ませんッ!! このままだと、ビショビショの体で寝巻きを着る事に! そうなれば、気分が悪くてよけいに気持ちよく寝れないじゃないですか! それだけは何としても阻止せねば! し、しかし……今鷹ノ宮さん、雛本さん、みふえちゃんの三人は風呂場に――。 もしもこのまま行って偶然バッタリと三人と鉢合わせしてしまったら、三人のあられもない産まれたままの姿を目撃してしまうことにッ! いや、それはある意味嬉し――もとい、危なすぎます! くぅ……、どうすれば? そうだ! 目隠しをしていきましょう! そうすれば、三人のボデーを見らずに済みます! 僕の理性も失われません! よし、そうと決まれば目隠し目隠し……あっ、この布を使いましょう!

 モノローグで語った僕は、畳の床に落ちていた白い布を巻きつけました。


「い、いざッ桃源――もとい、風呂場という名の戦場へッ! レッツゴーです!」


 ガッツポーズをきめ、僕は風呂場へ続く扉に手をかけます。ガチャッ!と 戸を開けて中に入ると、

そこには微かに残る女の子の残り香が――ゲフンゲフン! ゴホンッ、いけませんいけません! このままでは、本当に僕は何かに目覚めてしまいます! え、既に目覚めてるだろって? んなわけありません! アイアムノットストレンジャーです。


――えと、確かこの辺りにタオルなんかのタンスがあるんでしたよね。



サワサワ。


 手探りでその場所を確かめ、タンスの箱を引きます。中にバスタオルが入っていないことを確認した僕は、やはりありませんでしたと早めに気付いてよかったと安堵しつつ、バスタオルを浴室の戸の手持ち部分に掛けようとしました。が、そこで一つ問題が起きました。


ゴツンッ!


「~~~~ッ!」


『え?』


『あれ、今何か聞こえませんでしたか?』


『うん、確かに何か物音が聞こえたよ?』


――し、しまったぁあああぁぁぁあぁああぁあッ!!! ぼ、僕としたことが洗濯籠に足の小指をぶつけてしまいました! てか、イッテェェェェェエエエエッ! な、なるほど、これがタンスの角に小指をぶつけるのは死亡フラグだということですか。しかし、洗濯籠でもこれほどの威力……もしもタンスにぶつけてしまったら――ブルブル、考えただけでも身震いものです! しかし、これではここに僕がいることが彼女達にバレてしまいます! ど、どうすれば……そうだ。この目隠しを取って出口までの経路を確かめてそこまで猛ダッシュすればいいんです! 幸運にもバスタオルは掛けることができましたし……後は脱出さえ成功すればいいんですから!



 そう自分に言い聞かせ、僕は固く縛った目隠しの布を取り外しました。そして、急いで風呂場の外へ出ようとしたその時、僕の足の小指に大打撃を与えてくれた洗濯籠にふと視線を落としました。すると、そこには見てはならぬ物があったのです。そう、三人の下着――。


「……」


――やっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!! じゃなくて、えええええええええええッ!

なんであの人達はこうも開放的に下着を脱ぎ捨ててるんですか! 普通シャツとか制服とかにくるんで隠すとかそう言った工夫をですね……って、モノローグで語っても仕方ありません! 



 白、水色、オレンジの三枚のパンツが眼前の洗濯籠に普通に入れられている。その下には明らかにあの三人と思しきカッターシャツの姿も……。これを見る限りこれが彼女達がさっきまで着用していた物だというのははっきりと理解できました。しかし、これのせいですっかり僕の理性は崩壊しかけていました。嫌な汗があちこちから吹き出て僕の体を火照らせます。


――ど、どうすれば!? ダメです、こういった時どういった行動を取ればいいのか僕にはわかりかねます! 教えてください鷲羽君!



 僕は慌てふためきました。どうすればいいのか本当に分からないのです。そこで僕は脳内で二つの選択肢(ルート)を展開しました。一、理性を捨て目の前にある下着をお持ち帰りしてくんかくんかする。二、理性を取り戻し賢者となってそのまま猛ダッシュで立ち去る。

 普通ならば二の選択肢を選びます。が、今の僕は理性崩壊数秒前なのです。このままでは一の選択肢を選んでしまうことに……。そうなれば確実に僕は“け”で始まり“つ”で終わる例のあの人達にお縄を頂戴するはめになってしまいます! そうなったら、せっかく両親のおかげで入れたこの学園からもおさらば、青春も地平線の彼方へと行ってしまいます。それだけはなんとしてでも阻止しなければなりません!

 イチかバチか。いや、イチかニか。二つに一つ。


――うぐっ、だ、ダメです! 視線を逸らそうとしてもどうしても目の前のアレに目が……ッ! くっ、なんて恐ろしいんですか女の子の下着。男をここまで変貌させるとは! しかも草食系の僕をここまで奮い立たせるその業! 感心です――って、感心してる場合じゃないですよ! そうです、さっきの目隠しで――。



 僕は急いで両目を目隠しで塞ぎ、その場に立ち上がりました。


――よし、このまま奪取して、もといダッシュしてランアウェイです!!

 が、人生そう甘くはなく僕は苦い思いをするハメになるのでした。



ガラララ……。


 無情に開かれる浴室の扉。人生終了のベルがどこかで鳴り響くのが聞こえたような気がしました。サーッと血の気が引くのをここまで肌に感じたことはありません。

挿絵(By みてみん)


「え? ど、どうして野丸くんがいるの?」


「え、の、野丸君?」


「お、お兄ちゃん!? そんなトコで何やってるの?」


 雛本さん、鷹ノ宮さん、みふえちゃんの三人がきょとんとした顔で僕の姿を視界に捉えていました。


――何で、よりにもよって三人同時に上がって来るんですか……。



 三人のあられもない姿。男の肌と違って瑞々しく潤いのある肌。健康そうな肉付き。濡れた髪の毛が浴室の証明に照らされてキラキラと光っている姿はまさに女神そのもの。さらに、肌から垂れるその滴が三人をよけいに色っぽく魅せてきます。


「あ、あの……これは、ですね」


「……どうして、どうしてここにいるんですか?」


 顔を俯かせてプルプルと肩を震わせながら怒気を含んだ声音で尋ねる鷹ノ宮さん。


「そ、その……バスタオルを渡すのをすっかり忘れてまして……それをデリバリーに」


「だったら、それだけでいいはずですよね? なのに、どうして野丸君は私達の下着に手をかけている

んですか?」


――え? 下着に手をかけ……? そ、そんなはずは! た、確かに僕は一ではなく二の選択肢を選んで――。



 そう思い、手元を見てみると、そこには確かに白、水色、オレンジの下着が握られていました。


――オウッノォー!!?



 頭を抱えて僕は心の中で叫びました。まさか本当に一の選択肢を選んでしまっていたとは!


「ち、違うんですこれにはワケが――」


「どんな訳なのかはっきりと説明してくれるんですか?」


「そ、それは――」


「どうなんですか?」


「……無理です」


 はっきり言ってそれは不可能だった。説明しようにも弁明の言葉が見つかりません。はぁ、僕には逃げるというコマンドを押すことは出来ないようです。


「では、ご自分の罪を認めていただけますね?」


「はい……」


 その二文字しか僕には言えませんでした。鷹ノ宮さんの後ろに立っている雛本さんもみふえちゃんも

心なしか悲しそうな顔で僕を見ていました。


――ていうか、お三方ともバスタオルせっかく用意したんですからそれを巻いていただけませんかね……。顔をあげようにも裸体に目が行って――。



「何、いやらしい顔で私たちを見てるんですか!」


「え? み、見てませんよ! それよりもタオルを巻いてください!!」


「野丸君に命令される筋合いはありません!!」


 確かにそれはごもっともですが……。

 言い返せないのは確かでしたが、それでも僕はタオルを巻いてもらえないと理性を保てそうにありませんでした。まぁ、そのあとどうにかバスタオルは巻いてもらえましたがそれでもバスタオルから伸びる二本の引き締まった足を見ているといろいろと妄想してしまうワケですよ! 艶かしい足が僕の精神をブレイクさせてくるんです! このままでは本当に理性が壊れかねません! ほんと、女の子は色んな意味で怖いです!


「――ですからね?」


 それから小一時間ほど僕は殆ど鷹ノ宮さんにたっぷりとお灸を据えられました。長い長い説教話。しかし、幾つか気になったのは「そんなに覗きたいならちゃんと許可を取ってからにしてください」とか訳の分からないことを言っていた事ですかね。ほんと鷹ノ宮さんはよく分からない人です。後の二人はそこまで怒ってはいませんでしたが、ショックそうな顔をしていました。

《野丸くんも男の子だから仕方ないよね? その気持ちはよく分かるよ? でも、こんなことはしてほしくなかった……かな。言ってくれれば――あっ、やっぱりなんでもないっ!!》

 と、雛本さんに言われ……。


《お兄ちゃんはわたしの裸が見たかったの? それともついでなの?》


 などとみふえちゃんに勘違いをされ……。

それから僕達は部屋に戻って寝巻き姿で布団の上で沈黙の時間を過ごしていました。


「あ、あのぅ……そろそろ寝ませんか? 僕、掃除とかで忙しかったので眠いんですけど……」


「寝たいのならばどうぞ? 私達は野丸君に襲われない様にあなたが先に寝るのを待っているんですか

ら」


 そう冷たく言う鷹ノ宮さんの言葉に思わず僕はその場に立ち上がってしまいました。


「ええッ!? 僕、そこまで重要監視相手ですか!? そ、それは少しひどすぎません?」


「いいえ、これくらいがちょうどいいんです! 野丸君はふと眼を離したら私達の下着を臭う程の重度

の変態さんなんですから」


「すみません、いつの間にか罪を重くするのやめてもらえませんか? 確かに下着は手に取りましたが

臭ってません!」


 罪の上乗せまでされるのはいささか腑に落ちなかった僕は鷹ノ宮さんをムッとした目で見ながら言った。


「手に取るのも臭うのも同じ事ですっ!」


「いやいやいや、全然違いますよ!」


 いやはや鷹ノ宮さんにとって僕の行動はもっと重大な行動の様に変換されているようです。ああ、恐

ろしや。


「雛本さんもみふえちゃんも何とか言ってくださいよ!」


「わ、私は何にも言えないよ。そ、それに下着を手で持ってたのは事実だから悪いことには変わりない

んだし……」


 口元に手を運び恥ずかしそうに眼を伏せる雛本さん。


――くっ、雛本さんでは僕の弁護役には役不足ですか……。こうなったらみふえちゃんで!



「う~ん、わたしもさすがにあれはひくかな……。昔はお兄ちゃんもあんなんじゃなかったんだけど」


 みふえちゃんも無理でした。くそぅ、やはり誰も僕の弁護役にはなってくれないんですね……ぐすん。ああ、鷲羽君がいてくれたら弁明してくれるでしょうか。


「分かりましたよ、じゃあ僕は先に寝ますよ! 寝ればいいんでしょ、寝れば!」


 打つ手がなくなった僕はついに開き直るという何とも情けない手段に打って出ました。無論、三人の目が冷たい目のままだったことは言うまでもありません……。

というわけで、後半はサービスシーン満載でしたね。

挿絵入れてみましたが、白黒で肌色なんてわかりませんよね?

カラーにするまでの時間がなく、誠に残念です。まぁ、ここまできわどいと逆に白黒の方が安全かもしれません。

ちなみに、手前が鷹ノ宮さん、奥が雛本さん、立ち上がろうとしているのが小鳥遊さんです。

また、この主人公。平凡な名前、顔の割りには美味しいとこは独り占めしてますね。自分で書いてても少し憎くなりますもん。ちなみに、今はこんだけしか人数がいませんが今後、この管理棟も色々とハチャメチャなことになります。てなわけで、次の話は管理棟で三人の女子と一人の男子が一つ屋根の下で朝を迎えるとこから始まります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ