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ぼくはもう正義にはなれない  作者: 白闇エナンカ
運び屋と悪魔の出会い
3/3

もう一つの仕事

 事務所は少し離れた第四市街の地下にあるので、歩いて戻るのは大変である。なのでたまに、第四市街の地下鉄を使って移動している。ちなみに、その移動費は私の自腹で、

 「なんで…シロの地下鉄代まで出さなきゃいけないの…」

 お金を持っていなかったシロの分も私が払ったのである。

 地下鉄には仕事や学校帰りの人ばかりで、満員程ではないが人が多く乗っている。まぁ、夕方だから仕方ないかな。私達は空いた席座り、最寄りの駅まで揺られるのだった。

 「ゆらゆら、ガタンッゴトン…」

 地下鉄に乗ったのは初めてなのか…シロは少し楽しそうだが、異様な姿をした男性がウキウキで窓を眺めている光景を見た乗客達がざわつきはじめた。もうとにかく気まずいし帰りたい!帰ったらシロには色々聞きたいことがある…だから早く事務所に、


 ドガーン!キィーー!


 突然爆発音と激しい揺れが、私達が乗っている地下鉄を襲った。

 「なんだよぉ…」

 「事故ぉ?」

 ハプニングなことなので、乗客達が騒ぎ始めた。すると、

 赤くて長い腕が現れて、ギギギ…と地下鉄の扉をこじ開ける。

 「な、なんか入って来るぞ!」

 ドガーン!

 その赤い腕は私達が乗っている車両を破壊して、近くにいた乗客を次々と攫い始める。

 「いやぁぁぁ!」

 「逃げろぉ!」

 パニックになった乗客達は後ろの車両へと逃げていく中、赤い手はどんどん迫ってくる。

 これは明らかに人災ではない、

 「襲撃!?」

 悪魔による襲撃だ。

 車両が破壊されたことで動かなくなり、地下だから地上に助けを呼べない状況だ。…こうなれば、

 「戦うしか…ないのか」


 私…キリカは、未成年でありながら戦闘経験がある。悪魔討伐も1年前までは参加していたくらいだ。

 私は目を閉じて「ある物」をイメージする。すると無数の小型ナイフが現れ、迫りくる赤い手に対抗する。


 かつて世間から、『魔法』と呼ばれていた異能力だ。


 その魔法で生み出したナイフが刺さった赤い手は少しずつだが、退治していく。

 「シロ!私はこれからあの悪魔を退治するから、あなたは早く後ろへ…」


 バシュ!

 シロは自らの爪を伸ばした手で、赤い手を切り裂いた。

 「戦う。キリカに危険、許さない!」


 シロってひょっとして…戦えるのか!?でも一人だと不利だから、

 「だったら…シロ!二人であの悪魔を退治するよ!」

 「りょーかい!」

 私が魔法で遠隔操作で対応、シロはそれを交わしながら私の周りに迫る敵を切り裂いていく。上手く戦えてはいるが…、

 「切っても切っても再生する、本体は何処…」

 赤い腕の本体を倒さないと消滅しないと思う…、赤い腕を倒しても次々と新手が増える繰り返しだ。

 次々と生える腕…その向こうを見てみると、暗くてよく見えないが大きな物体のシルエットが…、

 「そうだ…これで!」

 私は1本のナイフを腕の向こうへ飛ばすと、

 「ギギャァァァ!」

 腕は一瞬ピクリと止まったのを確認した。

 「そこかぁ!」

 私は腕の向こうにナイフを飛ばしていく…が、

 「キリカ!危ない!」

 攻撃を一点に集中しすぎて、周りの敵の存在を忘れていた。シロがそう叫んでももう目の前に…、


 ドガーン!


 「援護きたよー!」


 見覚えのあるツインテールの少女が、目の前の敵を大きなハンマーで叩き潰した。

 「Ajisai_chan!?」

 「話は後!それより、本体を叩き潰さないと終わらないよ」

 そうだ、早く本体を…!

 「まかせて」

 するとシロはそう言って、素早い速度で敵の方へ乗り込む。よく見ると、シロの拳に少しだけ魔法のオーラを感じたような…?

 身長が高いのに上手く交わしてつつ、本体へと攻めていく。だが、無数の腕がシロを包んでしまった。それでも拳で破壊して、

 「おまえ、邪魔すんな」

 シロが本体にオーラを纏った強めのグーパンで叩くと本体は崩れ、腕も少しずつ消滅していく。

 「…討伐完了!」


 その後、攫われた乗客達は軽傷で発見され、地上からの応援で警察も駆けつけ乗客達を最寄りの駅まで誘導していた。

 私達は無事に悪魔討伐を完了した後、警察が来る前に撤退していたのであった。

【追記】

 最初は第1話〜第8話まででしたが、色々と悩みまして…なんと!第9話と第10話も追加で行きます!ということで、第1話〜第10話までを応募作品として公開します!

 毎週金曜日午前10時に更新予定ですので、見てくれている読者様も初見な読者様も是非最後まで見ていってください!

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