TY-8272 終
クソッ、やはり駄目か!
怒りに任せて叩くが、画面は黒いままだ。
「一体何があったというのだ。」
本国との通信が途絶し現場の最も階級の高い方の指示で動いていたところ、いきなり他の戦艦との連絡も途絶えてしまった。また、同じタイミングでレーダーも機能しなくなってしまった。
もしかしたら、敵の妨害電波か?だとしたら、領域外に出れば治るかもしれない。
「全速前進!この空間から脱出するんだ。」
「だ、ダメです。ピクリとも動きません!」
故障したのか、このタイミングで。最悪だ。
「ブースターは正常に機能しているのに、どの方向にも進めないんです。」
はぁっ?わけがわからん、一体全体どうなっているんだ。
よし、一つずつ考えていこう。先ず本国との通信が途絶えた、これは敵軍の仕業と見ていいだろう。次に他の戦艦との通信途絶、おそらく事前に仕込んでおいたのだろう。ここは彼らの領域だ、できないことではない。最後に動けなくなった。これは、うん、無理、分からん。
いや、そもそも敵軍の仕業なのか?いくら我らの練度が高いとは言えど、数で勝る彼らが軍師のいない軍相手に互角とは考え難い。つまり、相手も本国と連絡できていなかった?あり得る。いや、そもそもここまで短絡的にアレを使うのもおかしい。何なら開戦前の降伏勧告で全く返事をしない上、煽りで返すなんて非常識をするか?普通。結局、話し合いもできていないようだし。それに、いつの間にか各国が参戦し始めたがそんな話聞いていなかったんだが?
何か作為的なものが働いているような。まさか、帝国か!?そう考えると辻褄が合う。ああ、動けない説明にはならないか。
パチパチッと部屋の明かりが点滅する。直後、完全に明かりが消えて体が中に投げ出される。
「エンジンが完全に故障しました!予備電力に切り替えましたが、重力と明かりは消して最低限だけ機能させます。」
一人が青ざめた顔でそう叫ぶ。
「復旧の見込みは?」
「ありません。」
ふむ、もう無理だな。
そう考えていると、ゲル状の何かが天井を突き破ってきた。一気に船内へなだれ込み、あっという間に室内を埋め尽くしてしまった。
息ができない中何とか周りを見渡すと、船や船員が少しずつ溶けているのが目に入った。
…リラウス
いや〜、あっという間に駆逐できた。
結局兵器の撃ち合いにはならなかったなぁ。
「あ、取ってこれた?」
「はい。結局全部持ってきたじゃないですか!」
「あはは、ごめんごめん。でも、各国と撃ち合ってほしかったからさ。」
「各国の首都と兵器の場所です。」
「ありがとう。じゃあ全部でこれを使おうか。」
最後の兵器の場所に投じると連鎖的に爆発していって、周りの星までもが半壊した。
星喰をそのまま使いたいと要請があったので確認して、許可を取ることができた。
後はこの世界の天使たちが片付けることだろう。
「さ、帰ろうか。」
「はい。」




