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お手軽簡単あらカルト

作者: 阿部千代

 おれはあらゆる差別が死ぬほど嫌いで、その理由はムカつくからなのだが、そんなおれに差別感情が存在しないとは口が裂けたって言えない。あるに決まっている。そんなもの、何度も何度もおれ自身が目撃している。気づかず見過ごしてしまったことだってもちろん何度もあるに違いない。つまりはクソだ。クソなんだ。等しくクソなんだ。おれだってとことん臭いクソの一員だってことだ。だからなんだと言うんだ。参政党を支持しろとでも? ふざけるのも大概にしたまえよ。本当にいい加減にするんだ。一体なんなんだってんだ。


 排除しようとしなければ気が済まない連中がいる。連中は極端にケツの穴の小さい病的な臆病者である。いつだって自分ファーストで意地汚く、てめえの座っている汚らしいシミやら悪臭が染みついた椅子を誰かが狙っているという強迫観念に囚われていて、そのくせ理由もなく自尊心を極端に肥大化させている。まあ、言ってしまえばアホだ。アホが自分のアホらしさや汚らわしさに目を向けることなく、そんな可能性すら検討したこともなく、とにかく盲目的に信じている。自分の正しさを。恐ろしいことだ。


 そんなふうに、無邪気に毎日すくすくアホを純粋培養させている連中を、気持ち良くイカせることを生業にしている醜悪なやつらがいる。やつらは事実がどうであるかなどは心底どうでもいい。ハリボテの真実を粗製濫造してその辺にばらまいておきゃ、アホどもが指一本で見つけた「真実」で勝手に興奮しだして(アホどもは指一本の浅さの中に、この世の全てが隠されていると信じているらしい)せっせとシコッているのを見て嗤っているのだ。

 アホどもはそれでいいのか? いや、愚問だ。いいに決まっている。アホに、あんた騙されてますよ、なんて言ったって意味がない。なぜならアホはアホであるがゆえに、自分が間違うかもしれないなどとは露ほども考えやしない。話せばわかる、はアホには通用しない。アホとは会話が成立しない。なぜだろう。そりゃアホだからだ。

 そんなアホどもが一番嫌がるのは、事実を突きつけられて自分の中の真実が揺らいでしまうことだ。なんだか負けた気がするらしい。

 事実は単なる事実であって、それ以上でもそれ以下でもない。勝ち負けの問題では決してないのだが、そんな当たり前の理屈をアホの脳はいとも簡単に跳ね返してしまう。アホは強い。いや、めちゃくちゃ弱いのだが強い。事実なんかには負けやしないのだ。連中はただ、お手軽に現状を引っくり返してくれるような気がするストーリーで気づきを得まくってパキパキに目を覚まして寝ぼけた覚醒がもたらしてくれる快楽の中でアヘアヘしていたいだけで、地味でつまらない事実や都合の悪い実態などハナからお呼びでないのだった。


 さて、おれ自身の生きる姿勢として「なめんなよ」という言葉を設定してある。これは幼少期に熱血硬派くにおくんから教わった、大変ありがたいお言葉なのであるけれど、参政党のクソどもがポスターに「日本をなめるな」とかお書きになられましたでしょう? その事実がおれをげんなりさせてしまった。わかりますかね、この気持ち。わかりませんかね。反吐が出るほど嫌いな連中と部分的にであれ共鳴してしまったような気がするこの感じ。なんならパクられたような気さえした。まあ、これはおれの言い掛かり的な被害妄想ではあるけれども、実際問題として、連中がそんなことを言い出すのなら、おれはもう別に舐められてもいいんじゃないかな……とまで考え出すほどおれは追い込まれてしまったわけだが、まあ結論としては、カルトヘッドどもはくたばれ、今すぐにくたばっちまえ、という感じでそろそろこの文章を締めたいと思う。

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