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「真実」
ついに最終章で、声はその真の姿を明かす。それは古代にアルビディウルを守るために創造された遺物だった。しかしその力はあまりにも強大すぎたため、悪用されぬよう幾つかに分割されていたのだ。
「お前は私の分身だ、マンスーリ」
声は静かに告げた。
「全ての断片を統合し、私の完全な力を取り戻すのだ」
マンスーリは悟った。遺物を復元すれば世界の勢力図は一変する。平和を築くためにこの力を使うべきか、それとも自らが圧制者となる危険を冒すべきか――
「我々は乗り越えてみせる」
アウローラ、アルリナ、リラに向かって宣言した。
「共にこの運命を全うしよう」
アウローラは誇らしげに微笑み、瞳は輝いた。
「ええ、いつだって一緒でしょう」