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「声の謎」

マンスーリは、自分につきまとう声が次第に大きく、執拗になってきていることに気づいた。もはや選択を促すだけではなく、驚くほど有益な助言まで与えるようになっていた。ある夜、声はこう囁いた。


「お前は真実に近づいている、マンスーリ。だが警戒せよ。真実を受け入れられる者ばかりではない」


マンスーリは鼓動が早くなるのを感じた。この声は単なる想像ではなく、何かもっと深いものだと悟った。


◆◇◆


マンスーリは精巧な外交ゲームを開始した。中立国に使者を送り支援を取り付けつつ、密かに反乱勢力を資金援助して圧政を崩壊させようとする。だがこの行動は国内の不満を招いた。


「他国の問題に資源を費やしすぎだ」

側近の一人が訴えた。

「まず自国民を考えるべきだ」


マンスーリは、国内問題と外交のバランスがますます難しくなっていることを痛感した。


◆◇◆


声の正体を探るため、マンスーリは国内の学者や賢者に相談した。調査の結果、この声はかつてアルビディウルを守っていた古代遺物と関係がある可能性が浮上した。


「その遺物は何年も前に失われた」

老学者が説明した。

「だがもし君と繋がっているなら、呪われたスキルの理由も説明がつく」


マンスーリの胸に希望が灯った。この遺物を探し出さねばならない。


◆◇◆


一方、マンスーリを巡るアウローラ、アルリナ、ライラの恋愛模様はますます複雑になっていた。三人の間には緊張が走る。


「遺物探しにばかり時間を取られないで」

アウローラは寂しげに訴えた。

「私たちのことも考えて」


アルリナが同意する。

「あなたのそばにいたいの」


普段は冷静なライラも真剣な面持ちだ。

「誰が一番あなたを支えてきたか、忘れないでください」


マンスーリは義務と私情の間で胸が痛んだ。


◆◇◆


宮殿のバルコニーに立つマンスーリが遠くを見つめる。声の謎に近づいている実感があると同時に、これが全てを変えるかもしれないという予感にも駆られていた。


「我々は乗り越える」

三人に向かって宣言した。

「共にこの難関を突破しよう」


アウローラは誇らしげに微笑んだ。

「いつものように一緒ね」


マンスーリは頷き、新たな決意を胸に刻んだ。どんな試練が待っていようとも、もう迷いはなかった。

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