過去への旅立ち
新作品・降臨!
今回の話は、少し長編になります。
近未来で起きた、AIの独立宣言と言う宣戦布告をキッカケに始まった、対人間との独立を懸けた戦争。
その、結末は─!?
─プロローグ─
ここは、2960年。
日本のとある街。
AI達が世界に向けて宣戦布告をし、独立戦争を仕掛け、AutoImperialと名乗った彼らとの戦闘が日常茶飯事となり、日々戦闘が激化していた。
この時代の世界最高の科学者。と、称されたネリ博士は、自分の研究室に籠り続けていた。
構想をしてから約40年の時を経て、人類初となる完全な戦闘アンドロイドを、完成・起動させる事を目標としてやって来ていた。
『これで、奴らに対抗出来る。』
設計を開始してから、実に900体以上の実験を繰り返し、遂に!
自らが納得する能力を全て詰め込んだ、最高の完成体を作る事に、今回成功したのだった。
基本的なAIプログラムは入れる事に成功した。
会話プログラムに関しても、65%までは入力済。
だが─
博士を亡き者にしようとするAIの刺客達は、そこまで迫っていた。
『急がねばなるまい。。どうか間に合ってくれ。』
ドカン!
と、大きな音が聞こえるや、乱暴に研究所内へと侵入する、複数の機械音が聞こえた。
どうやら、秘密裏に建造した研究所の入口が、奴らに発見されてしまった様だ。。
『ここまでか。だが、アイツらがいれば。。』
そう呟くと、遠くで聞こえる銃撃音。
だが─
ネリ博士の作り上げた、今までの試作型戦闘アンドロイド達が、応戦してくれるはずだった。
もうココも、長くは保たないだろう─
長期戦になれば、不利な事は承知だった。
『仕方あるまい』
会話プログラムが80%を超えた所で、最後の防御壁が破られた様だった。
もうここまで来るのに、時間はない─
全てを悟ったネリ博士は、目の前の赤く染まったカバーを開けると、カチッ。と、起動スイッチを押した。
不意に研究所内に鳴り響く、大きな警告音。
どうやら、自らの研究施設内の、自爆シークエンスを開始させた様だ。
まだ、プログラムに関しては、その全てにおいてデータのダウンロードは終わっていなかった。
しかし─
残された時間は、僅かしかなかった。
警告音が鳴り響くなか、今日完成したばかりの戦闘アンドロイドを無理やり転送ポッドに押し込むと、設定してあった年へと向けて、転送ボタンを押す。
『頼んだぞ、MLR-913。未来の為に。、』
自らの命に代えても、今大事な事は2950年に亡くなった、偉大なる指導者・レンの命を守る事だと心に決めると、目を閉じたネリ博士。
そう─
我々は人類の希望を、失ってはいけないのだ
その爆発に散り行く研究所内で、1人満足気な表情を浮かべ、口元には笑みさえ浮かべたネリ博士の希望を、その小さな体に一心に背負う事になったMLR-913型は、指導者を守る!と、言う最重要任務の為に、過去へと旅立って行った。
主人公・MLR-913型が、過去へと旅立って行った。
果たしてアンドロイドは、マスターを無事に守る事は出来るのだろうか─?!
そして、、、
独立戦争の行方は─?
次回以降も、お楽しみに。