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第五章 崩壊(10) ランダの贈り物(1)

 「敵はポルセウス奥の院。」

 黒い森を抜ける頃、突然ジューノが言い出した。

 「そしてファナもな。」

 怪訝そうな顔をした者達を見渡し、

 「邪神を創りだした司祭。それはポルペウス奥の院にいるはず。ヴァサゴの話しでは邪神ルグゼブは人の世の阿鼻叫喚を悦ぶ。奥の院に立て籠もる者達は死をも恐れず戦うと聞いたことがある。

 その邪神を生み出した者は奥の院の司祭。

 そして、ファナを連れ去ったのも司祭。」

 「だが、それはアモールの司祭だぞ。」

 アレンが異を唱える。

 「やってることが同じなんだよ。

 どっちが本物かは解らないが、奥の院の司祭は信者に命を懸けさせ、死ぬことを喜びとさせている。また、アモールの司祭は戦を起こし人々に苦痛を与える。どちらも邪神が悦びそうなことだ。

 同じ穴の狢ってことだ。

 そして、邪神を信奉する司祭の名はキュア。それはランダが教えてくれた。」

 ジューノの話が終わる頃、そこら中からグールが現れだした。

 「ランダめ、裏切ったな。」

 アレンが闘いの姿勢をとったが、グール達は襲ってくることはなく、一行の足止めをするようにそこらをうろついた。

 「待て、様子が変だ。軽々しく手を出すな。」

 ジューノがアレンを手で制する。

 暫く睨み合いが続いた後、森の奥からズルズルと巨大な蛇が這いずる音が聞こえてきた。

 「間に合いましたね。」

 現れたのは若い美女。

 「ラミアが何の用だ。」

 ジューノがその姿を睨む。

 「争いに来たわけではありません。ランダ様の言づてを届けに。」

 「ランダの言づて。」

 アレンが横から口を挟む。

 「そうです。

 西の宝物庫に行きなさい。その地下迷宮の入り口にサイゼルだけに見える扉があります。その中の物を貴方に送るとのことです。」

 「そこに何があるんだ。」

 「それは仰いませんでした。

 但し魔物が巣くい出しましたので気をつけろと、それに宝を護る怪物にも・・と。」

 それだけを告げるとラミアは森に帰り、グール達も土の中に戻った。

 「変わったのか・・あいつ。」

 アレンが首を傾げる。

 「ランダはランダだよ。ランダ以外の何ものでもない。

 ただ・・・」

 「ただ。」

 ジューノの言葉をアレンが繰り返す。

 「お前を産み、育った姿を見て僅かな母性が目覚めたのかも知れんがな。」

 ジューノがニヤリと笑った。


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