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第五章 崩壊(9) 動き

「やっと来ましたね。」

 デルポイが満面の笑みでワーロックを迎える。

 「指輪を何に使う。」

 「私達の宮殿を造る。」

 そこへラダ。

 「マルファスか・・ただそれだけのために。」

 ワーロックが七人を睨む。

 「人夫、それにマルファスを手助けする者達は集めた。」

 今度はラグラ。

 「それであちこちにフェノゼリーやピクトが居るのか。」

 「そうです、陽の刻印を施しました。私達は選ばれし者。このようなテント暮らしを長く続けてはおれませんから。」

 デメテルがワーロックに手を差し出した。

 「カダイの呪いを解くのが先だ。」

 「同時にしましょう。」

 ペルセポーネがカダイの額に手を当てる。それを見てワーロックはポケットから“召喚の指輪”を取り出した。

 「同時だぞ。」

 ワーロックは念を押しながら“召喚の指輪”をルヒュテルの手に載せた。それと同時にペルセポーネが己の手のひらに念を込める。

 「確かに」

 ワーロックの手を“召喚の指輪”が離れる。

 「これで宮殿造りが進みます。」

 ダナエがにこりと笑う。

 「お前はこれからどうする。」

 「さあね。」

 ルヒュテルの言葉にワーロックが素っ気なく答える。

 「その働きに報い、貴方とその男に特権を与えましょう。自由にここを使えるよう。」

 と、ペルセポーネが宣した。


×  ×  ×  ×


 「出発の準備をおし。七日後にはここを出るよ。」

 突然ランダは宣した。

 「街の娼館は・・」

 バーローが慌てる。

 「閉じるよ。

 サビーネにはすぐにここに戻るようにいいな。そしてガルフィがその後を見るようにね。そのガルフィも私達の後を追わせる。街に残った私の財産は全てエミリオスと女達にやりな。」

 「なぜ急に。」

 「夢を見たんだよ、この私が。

 大きな戦が始まる。

 みんなをここに集めな。

 そうそう、森のシャムハザにも使いを出して私に従うか、それともラミアに喰われるか決めな。って言っておいで。」

 呼ばれたランダの部下が三日で全て集まり、そこには魔王を名乗るシャムハザもいた。

 「戦が始まれば私の商売もあがったりさ。私が居ればここも目立ち過ぎるしね。ここらが潮時、新しい土地を目指すよ。

 お前達は私の一族。見捨てはしない。一緒に連れて行くよ。

 だけどねぇ、この地も捨てがたい。そこでだ、ラミア。あんたをこの黒い森の女王にする。一緒に残るのはトウテツとバーバヤーガ。お前の妖力に敵う者はそうそういない。上手いこと森を治めな。」

 頷くラミアにランダが続ける。

 「但し幾つか言っておく事がある。」

 ランダがラミアの目を覗き込む。

 「一つ目はドゥリアスのマーサ。あいつの所へは手をつけない事。これは昔からの約束事だからね。

 二つ目はピグマイオイ。」

 ランダはニーコダマスを見る。

 「忘れる所だったよ。これをお飲み。」

 ランダがニーコダマスに銀のカップを渡し、彼はそれを苦い顔をしながら飲み干した。

 「私の血だよ。これでお前は老いることはない。」

 ランダはもう一度ラミアを見る。

 「こいつを差し出したピグマイオイ。こいつ等も後からこの島を出してやれ。よく言い聞かせてね。」

 頷くラミアに

 「一番大事なことを言う。心して聞いておきな。

 これから始まる大戦、それには手を出すな。兵士がこの森に入ってもだ。お前が火傷するよ。

 それに西の宝物庫、あそこは諦めな。もう人がその近くまで入っている。オヴィンニクとスプリガンは他の魔者達を集め、そこの宝だけを護るんだよ。宝は三つあるからね。

 上に祠でも造るんだね。」

 「オッとその前にその中の一つの宝のことはサイゼルに教えてやりな。あそこに巣くいだした魔物の退治にもなるしね。

 置き土産だよ。」

 ランダは皆が信じられないようなことを言った。

 「さて、この間に準備は進んでいるんだろうね。」

 バーローが頷く。

 「じゃあ予定通り。」

 ランダは皆を見つめ、そして席を立った。


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