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第四章 囚われる(20) 裏切り(1)

 クローネはミズールに着くと、ローグに宛がわれていた屋敷に案内された。

 「今日からここの政治を見て貰います。」

 すぐにテッドが挨拶に現れ、続いてエイゼル、そして新たに仲間になったバルハードと大方の挨拶が済んだ。

 「私は政治はよくは判らない・・テッド、補佐を宜しくお願いします。」

 クローネはエイゼルではなくテッドを指名した。それはザクロスにいい含まされていたことだったが、テッドの横で苦虫をかみつぶしたような顔をしているエイゼルには気がつかなかった。


 最近はたまにプリンツの兵が押し寄せてくる。それは先に教皇スワージが出した裁可によるものだった。

 戦闘は徐々に激しくなり、エイゼルやバルハードだけでなくテッドまでが戦場に出た。結果はいつも大勝、その噂を聞きつけ益々人が集まった。

 「戦うのはいつも俺達か。」

 「手柄はクローネとテッド。」

 エイゼルが不満を漏らし、バルハードがそれに同意を表す。

 「いっその事・・・」

 バルハードが言おうとする事をエイゼルが口に指を当てて止めた。

 「ガイを呼ぼう。あいつもスローズの所で不満がたまっているようだ。」

 エイゼルがバルハードに唇を歪め笑いかけた。

 「スローズ、エイゼルから連絡があった。ここはお前とレーネに任せてミズールに行っていいか。」

 「まあ待て、ロゲニアがここの東に傀儡国家を創ろうとしている。その様子を見てからにしてくれ。」

 「また戦場か。」

 「そう言うな、ガイ。俺とお前は戦うしか能が無かろう。」

 スローズはそう言って豪快に笑った。

 ロゲニアの傀儡国家、ロゲニアもスローズが治める村ドボーグが煩わしくなっていた。そこで、この村に圧力をかけるための国を創ろうと、自国の西の村々に庇護を与え、それを纏めようとしていた。すでに五つほどの集落を傘下に置き、その兵力は三百ほどになっていた。だが、戦う兵士は素人が多く決して強いとは言えなかった。その素人軍団がたまにドボーグの近くまで進出してくる。それを追い払うのがスローズとガイの役目だった。

 「村を治めるのは女二人か・・・」

 「ハッハッハッ・・お前や俺より村人にあたりがいい。女とは本当にありがたい。」

 スローズはガイの言葉を全く意に介さない。


 「あっちもこっちも戦いばかりになってきたなぁ。」

 ペンテンの村でザクロスがローグと話している。

 「かえってここの方が落ち着いてきたんじゃないか、ザクロス。」

 「そんな感じもするな。そろそろ戦いに向けて人員の配置も換えなければならないかな。

 例えばミズールをエイゼルに任せるとか。」

 「それも一つの手かもしれんな。」

 「とにかくもう少し様子を見るか。」

 そう言いながら二人とも戦場に出て行った。

 ここペンテンでも戦いは絶えない。ただガリヤの将が代わってから、その戦いはずいぶん楽になった。弱い・・ガリヤの軍は弱くなっていた。


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