表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/115

第三章 乱 デビルズ・ピーク(7)

    ×  ×  ×  ×


 「大丈夫か。」

 水中に膝をついたレーネにザクロスが声を掛ける。

 「(ジン)が・・・

 結界が消えます。それに・・もう闘えません。」

 「水から上がるぞ。今度は俺達の番だ。」

 ザクロスはクローネを見、

 「テッド、デフィン、レーネを頼む。」

 言い残してザクロスはクローネと共に水の中から飛び出した。

 無数の魔物、その後ろに四体ほどの人形(ひとがた)

 「この上まだ・・・」

 「全て倒すだけだ。」

 クローネの言葉にザクロスが被せる。

 槍が一閃し、二本の剣が舞う。そのたびに魔物が崩れ去っていく。だがその魔物達の後ろから、柄のない大きな双刃の鎌を持った人形(ひとがた)が唸り声を上げながらが、旋風のように走ってくる。

 デフィンがそれに向けて槍を投げる。が、それは簡単に弾き飛ばされる。

 「アレン・・・」

 レーネがその姿を見てか細い声を上げる。

 「待って・・あれは・・ヴァン・アレン。

 ハベトの所から旅立った人達。」

 それを証拠立てるようにその人形(ひとがた)は次々と魔物を倒していく。

 その後ろにもう一人、刀を振るいこれも魔物を倒す。

 「骸骨(スケルトン)じゃない。」

 先を駆ける少年が大声を上げる。

 「グレムリンだ。構わず倒せ。」

 若い男の声も聞こえる。

 「ワーロック様、それにサイゼルも・・」

 「私の仲間よ。闘わないで。」

 レーネがあらん限りの声を張り上げる。その声が届いたか、少年の姿に身構えていたザクロスとクローネが異形の魔物を倒すことに集中する。

 あらかたの魔物は倒しつくし二つの集団が水辺に集まった。

 「レーネ、なぜここへ。」

 「あなたたちこそ。」

 ワーロックの問いにレーネが問いを返す。

 まずワーロックが経緯(いきさつ)を話し、レーネがその後に続いた。

 「お前、子供は。」

 「ハベトの所に置いてきました。」

 ワーロックが静かにレーネの額に手を当てた。

 「心縛(マインド・コントロール)・・・

 いつ・・・」

 ワーロックの目がザクロス達を見回し、クローネと名乗った女で止まる。

 「憑依(ポゼツシヨン)か・・・何が目的か知らぬが狡猾なことを。」

 ワーロックが唾棄する。

 「何事だ。」

 ザクロスがそれを見咎める。

 「何でもない。」

 と言いながらワーロックは気を集中しながら皆を見渡した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ