第三章 乱 デビルズ・ピーク(3)
三日を掛けてデフィンが持った地図を頼りに東側から山に入る。と、早速あたりが騒がしくなった。
「ま、魔物が出ます。」
デフィンが震える声を上げる。
その前に腐りかけた、動きの鈍い人の体が現れる。
「ゾ、ゾンビというとか。」
震えながらデフィンが書物をめくる。
「頭を狙ってください。それで斃せます。」
デフィンの指示通りデフィンとレーネを後ろに三人がその魔物に斬り付けた。だがその数は多い。
「傷を受けないように・・傷から毒が入り奴らと同じ怪物になります。」
デフィンが大きな声を飛ばす。
「水のあるところへ。」
レーネが叫ぶ。
「こちらです。」
その声にデフィンが慌てて地図を見、四人を誘導する。それをゾンビが追いその後ろから真っ赤な血に染まった折れ帽子をかぶった醜悪で背の低い老人が四体、奇声を発しながら追いかけてくる。
「レッド・キャップだと思います。奴らは斧を使います。」
デフィンの言葉が終わらぬうちにレッド・キャップが一体、斧を振って襲いかかってくる。
その斧をガキッとザクロスの盾が受け止め、槍の一振りでレッド・キャップを地に叩きつける。
だがその間にも襲いかかるゾンビにザクロス達はジリジリと追い詰められていく。
「水場はまだ。」
レーネが叫ぶ。
「もうすぐです。」
それにデフィンが叫び返す。
無数の水槍が次々とゾンビ共を倒していく。
「こっちは私に任せて。」
レーネのその声にザクロス達は残った三体のレッド・キャップに向かう。
武芸に優れたザクロスとクローネはあっと言う間にそれを屠った。が、セクは苦戦している。そこへクローネが二本の剣を踊らせて飛びかかりそれを屠った。
その上から、
「助かった。」
と、声が聞こえた。
「何者だ。」
すかさずザクロスが誰何する。
一人の男が木の上から降りて来ながら、
「おらぁ炭焼のテッドと言うもんだ。この山で木を切っていたらさっきの魔物に襲われた。何匹かはやっつけたが、奴らは次から次へと出てきやがる。それで木の上に逃げたんでさあ。そして、暫くすると、あいつらあんた達の気配を感じたのか向こうへ行っちまった。それで恐る恐る木から降りようとしたら、あんた達の後を追ってまたこっちに来やがった。それでそのまんま木の上にいたって訳でっさ。」
「魔物がいることは知らなかったのか。」
「知っていました。でもこの山の奥には炭にすると火保ちが良く素晴らしい香りの木があるっていう、昔からの言い伝えを信じてこの山に入ったのでっさ。」
「まだ先に進むつもりか。」
「よかったら、あんたらと一緒に連れて行ってくれねえか。」
「ああ良いよ。」
ザクロスは笑って快諾し、ロバの背から一丁の斧を投げ与えた。




