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第七章 堕ちる(3) 目指すは・・・(2)

 行き先はポルペウス。だがあちこちに戦の火の手が上がりその道程は安易ではない。

 遠い昔、火の山ジュノンが大噴火を起こし、その溶岩が流れたという火の谷の縁を巡る旅になった。その行程も魔に魅入られているのか次々と魔物が出現する。

 「低級なものばかりだな。」

 そう言っていたジューノの表情が山を登るにつれ引き締まっていった。そして・・岩陰に隠れた。

 目の前に現れたのは全身を硬い鱗で覆われ四つ足でのし歩くドラゴン。その頭から背の鱗は巨大化しゴツゴツと尖っている。尻尾の先の鱗も棘のように尖り、触れただけでも突き刺さりそうな印象を受ける。

 「ファイアードレイクだ。やっかいな奴が現れたな。

 こいつは実体だ。アレンお前は手を出すなよ。まがいなりにも命を持っている。」

「どうする気だ。」

 「斃さねば成るまい。命を奪いその後に式神とする。」

 「出来るのか、そんな事が。」

 「俺は呪術師でもある。俺なら出来る。」

 「羽根がないが、飛ばないのか。」

 ドルースが訊く。

 「ドラゴンではなく大地の(アーシー)ドレイクだ、飛ぶことは無い。但し火を吐くのは一緒だ。」

「どうやって斃す。」

 とアレン。

 「ミーアは土壁で炎を防いでくれ。闘うのは俺とサイゼル。ドルースは手を出すな。お前の権能(パワー)では敵わない。」

 「俺は・・」

 「お前は囮だ。」

 チッとアレンは舌を鳴らした。

 「サイゼル、俺のアンフィスバエナの後にスフィンクスを呼び出せ。それ以外は役に立たん。」

 任せた。と肩を叩かれたアレンが岩陰から飛び出す。それに気付いたファイアドレイクが傲然と吠え声を上げる。権能(パワー)のない者はそれだけでも気を失いかねない。

 素早くミーアが土壁を立ち上げる。ファイアドレイクがまき散らす炎がその土壁を焼く。

「行くぞ。」

 ジューノがサイゼルに声を掛ける。

 まずアンフィスバエナが姿を現し、ファイアドレイクと吠え声を交わす。その凄まじさにミーアが土壁の後ろで耳をふさぐ。

 次いでサイゼルが呼び出したスフィンクスが雷の轟音と共に姿を現した。

 「とどめは俺が刺す。」

 それらの轟音を割り裂くつもりかジューノが怒鳴る。

「俺のアンフィスバエナもお前のスフィンクスもその階位(レヴェル)はこいつより上のはず。斃すぞ。」

 ジューノは尚も声を大きくする。

 「ではなぜ欲しがる。」

 そこへ囮となって跳ね回るアレンの声。

 「均衡(バランス)をとる為だ。陰の凶獣アンフィスバエナとな。」

 「多寡がそんな事の為に・・・」

 「でなければサイゼルと・・“光の子”と出会った俺が崩壊する。」

 もう一度アレンの舌打ち。

 その間にファイアドレイクはスフィンクスの爪とアンフィスバエナの毒息に追い詰められていく。

 そこでジューノの三つの手が印を結ぶ。

 氷結(フリーズ)・・ファイアドレイクの動きが止まり氷の刃がその躰を切り刻む。そして最後に巨大な氷の槍がファイアドレイクを貫いき、その死骸がジューノが差し出す呪符に吸い込まれる。

 「終わったな。」

 ジューノが一息をついた。


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