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【書籍化】巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない【4巻1月25日発売・コミカライズ化決定!】  作者: 雪菊
15章

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8.理解できぬ人



「なんか、あの自称勇者。いつもと様子が違って気持ち悪くねぇか?」



 アーロンにそう言われたハロルドは少し考え込んでから「確かに」と思って頷いた。

 なぜだか、いつもよりも比較的穏やかな印象を受ける。以前、同じ村に暮らしていたときも、『弱者としての』ハロルドとペーターを守ってくれていた面はあったので、あまりおかしいとは思わなかった。だが、それにしても横暴さがマシになっている。ギラギラした目をあまり向けられていない。



「ハルのスゴさがやっとわかったんじゃない?」


「ハルのお野菜、サイキョー」


「ふふん、今は特別に食べさせてあげてるだけなんだからぁ」



 ローズたちの言葉にハロルドとアーロンだけでなく、他の面々も「絶対違う」と思ったが、黙っておいた。この可愛らしい妖精たちは、見た目に反して結構エグいパワーでぶん殴ってくる。余計なことは言わない方がいいと全員が理解していた。



「なんか、よくわかんねぇヤツだよな。俺はやっぱ嫌いだけど」



 アーロンの言葉にハロルドは苦笑する。

 正直に言えば、ハロルドだって好きではない。むしろ嫌いだし関わりたくないという気持ちでしかない。



(ただ、なぜかやたらと縁があるよなぁ……)



 生まれた村が同じであったり、年齢が近かったり、同じ学校に通うことになったり。

 特に追いかけているわけでないのに、いつも近いところにいる。

 何か意味でもあるのだろうか、なんて一瞬考えたもののそんなわけないだろうと苦笑する。

 フォルテはフォルツァートのことが嫌いだ。その加護を受けたものと故意に一緒にするわけがない。



「弟のことを、家族のことを忘れて、あれは自分の家族じゃないって言い切れるのが信じられねぇ」


「俺たちはペーターと一緒に暮らしているから余計にそう思ってしまうね」



 ハロルドにとってみれば、ペーターも家族のようなものだ。だからこそ、ロナルドの言葉を少しばかり皮肉にも感じてしまう。彼らの両親はいい人だった。優しく、穏やかで、誠実な人だった。

 それでも、ロナルドが自身の血縁者を『家族』であると思えなかったならば、それはそれで不幸なことであったのかもしれない。



(記憶を受け継いで生まれてきてしまった、悪い影響だな)



 少なくとも、ハロルドにとって祖父母がきちんと『家族』だと思える人たちだったのは幸運なことだったのかもしれない。

 そんなことを思いながら、「なんか、じいちゃんとばあちゃんに会いたくなってきた」と呟いた。



「夏季休暇に時間作って帰ろうぜ。領地の方にも門?扉だったか?繋げてあるんだろ。向こうにも顔出す必要はあるんだろうけど、ずっとじゃなくてもいいんじゃねぇか?」


「そうだね。美味しい野菜と王都のお菓子も一緒に持っていこうかな」


「そうしろそうしろ。俺も家族の土産を何にするか考えとかないとな」



 そう言って二人は笑い合った。

いつも読んで頂き、ありがとうございます。


【お知らせ】

続刊&コミカライズが決まりました!!

最新4巻は1月25日発売予定となります。

コミカライズに関しましては、情報解禁許可が出次第、またお知らせさせてください。

これも応援していただきました皆様のおかげです。引き続き、本作をよろしくお願いいたします。


『巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない 3』2025年7月25日に発売いたしました。

今回もRuki先生にハロルドたちを魅力的に描いていただいております。

書き下ろしもしておりますので、ぜひお楽しみいただけますと幸いです。

現在、1巻・2巻も好評発売中です。こちらもよろしくお願いいたします。

挿絵(By みてみん)


3巻店舗特典はこちら↓

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書き下ろしSSペーパー『太陽の恵み!』&イラストカード

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