6.嫌な予感と課題
「なんか、すごく嫌な予感がする」
「ハルの嫌な予感とか怖すぎるんだけど」
ハロルドはそっと肌を摩る。酷い風邪でも引いたのかと思うような寒気だった。何かとてつもなく面倒なものに目をつけられたのでは、と思ったハロルドは自身に鑑定をかける。
(いや、面倒なのはセルピナ様しか増えていない……。ん?『砂の支配者』ってなんだ?)
よく見たら、花の妖精族の加護と砂の妖精族の加護は一緒になっていたはずなのに、『砂の妖精王の友愛』なんていう謎の加護内容になっている。おそらく、何らかの事情で加護が強くなったのだろう、とハロルドは苦笑した。
フォルテ曰く、寵愛だとか友誼だとかいうものは前世風に言えば『好感度ボーナス』というものらしい。神に好かれるほどに与えられる力が強くなるのだそうだ。
それを考えるとこの『砂の支配者』なるスキルはカラム関係なのだろうと想像がつく。
(土系統の魔法なのかな?)
少しばかり興味が移ったハロルドはそのまま嫌な予感をなかったことにした。
流石に起こってもいない出来事に対処はできない。気にするだけ無駄だと思ったのである。
「しっかし、なんであの勇者サマが付いて来てるんだろうな」
「わからないけど……勇者という称号の割に、成果を出せていないって思っているのかもね」
「……それに比べて、ハルは国から信用されていて、戦いではなく農作関連で成果を出してるからか」
「確証はないけどね」
「何にしても面倒な」
面倒なのは確かだが、一国を滅ぼしている神子が戦いで成果を出していないとはいかに。
護衛たちは訝しんだ。
しかし、全員が「まぁ、神子様たちがそう言ってるんだからそうなんだろ!」という結論に至り、頷いた。あまりにも盲目すぎる結論だった。
「私語が多いですわよ。ほら、課題の続きが待っていてよ」
ヴィクトリアに問題を指さされた二人は「はーい」と返事をして、続きに取り掛かった。
二人は単位を落とすつもりはない。課題さえ普通にこなしていれば追いつけるようにしてくれるというのなら、喜んで課題をやる。
「その課題が終わったら少し休憩をいたしましょう。そのあと、講義を始めます」
「「はい」」
少なくとも、ラムルを超えるまでは大きな問題が起こる可能性は低い。それゆえの安心感からか、彼らは若干呑気だった。
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