5.余計な好奇心
準備を終えた騎士団が出発を始める。
最近捕まえた魔馬に跨ったロナルドは溜息を吐いた。
ここに本気であの少女がいるとは思っていなかったが、ハロルドの婚約者であるエリザベータ・ルビーも含め、彼の周囲にいる女性は何らかのことに秀でていた。
もし魔法や武術への才能を持っていたら、ハロルドに付いてきているのではないか、と少しだけ期待していた。
(あれがハロルドの第二夫人候補であれば尚のこと、身を守る術が必要になってくる。だから可能性は0ではないと思ったんだけどな)
もし、そうであれば奪い取ってやる気だった。
イベリアの爵位は魅力的だ。イオは魔法使いとしてみればかなりのもの。
二人とも美しく、魅力的なものを持っているが、外見が好みなわけではなかった。
(少しならいいけど、媚びも度をすぎれば気持ち悪いしな)
一応婚約者であるイベリアを思い出すと溜息しか出ない。
実際、休暇の際はマラカイト家の所有している領地の魔物を退治して楽しんでいるが、イベリアとの仲を深める気にはならずに放置している。イオは勝手に付いてくるから仕方がないが、本当は彼女のことも邪魔だと感じている。
馬車に目を向け、幼馴染と呼ぶのだろう存在を狙う存在がいるのを確認する。
ストレス発散のために魔法でも落としてやろうと思った瞬間、彼らが火だるまになった。それを見て、面白い、と口笛を吹く。
「やるじゃねぇか。いや……あれはハロルドじゃなくて、あの赤いのか?」
容赦がなくていいことだ、と笑う声を零す。
ドラゴンがやってきていた時、案内を担当していた小さくて赤い、翅のある少女。妖精のローズ。彼女のことを思い出しながら、逃げていく男たちの姿を見送ろうとして、ふと気が変わった。
指を軽く振って、雷を落とす。
(一応、守ってやるつもりではあったしな)
花香の使者を名乗る存在が何度か尋ねてきたことがあったが、勇者を手に入れようと思っている割には態度が悪く、報酬も微妙だった。冒険者をやっていた方がまだ稼ぎがある。何度か襲撃もしてきた連中を逃しても次がやってきて面倒なだけだと考えた。
(それにしても、ハロルドのやつは面白いな。魔王問題を片付けに行く時は連れて行ってもいいかもしれねぇ)
ロナルドはそんなことを考えながら、機嫌よく笑みを作る。
幼馴染は口煩いが、我慢強く、人を見捨てられないお人好しだ。若干、昔より冷たい面を見せることもあるが、それだって大したことではない。
一緒にいることによる、利益の大きさを思えば思うほどそれがいい考えであるように感じた。
ハロルドはおとなしく馬車で座っているだけだというのに、また厄介な人物に目をつけられていた。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
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続刊&コミカライズが決まりました!!
最新4巻は1月25日発売予定となります。
コミカライズに関しましては、情報解禁許可が出次第、またお知らせさせてください。
これも応援していただきました皆様のおかげです。引き続き、本作をよろしくお願いいたします。
『巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない 3』2025年7月25日に発売いたしました。
今回もRuki先生にハロルドたちを魅力的に描いていただいております。
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