27.女神様にご相談2
ハロルドがお願いした通りに、フォルテは夢の中に現れてくれた。
そこにセルピナがいるのは想定内であったが、アルスもいることに不思議そうな表情を見せる。
「なんでアルス様がここに?」
「僕の信者が、君の安寧を祈っていたので今回の事態に気がついたんだ。友人のピンチをどうにかしたいと思うのは不思議なことじゃないだろう?」
神からしっかりと友人扱いをされている事実にハロルドは苦笑する。ありがたい。だが、かなり畏れ多い。そう思うのはある種、当然のことだろう。
セルピナは少しばかり機嫌が悪そうだが、これはハロルドが彼女のお願いを断り続けている以上、仕方のないことだろう。そう理解しているので、表情が険しいのはあまり気にならない。
「よく来たわね」
そう声をかけてきたこの神域の主人は花を編み込んだゴージャスな三つ編みをしている。そんなフォルテを見たハロルドは「神様もおしゃれをしたい気分の時ってあるんだなぁ」とのんびり見ていた。
フォルテのような美人に花はよく似合う。
「それより、何で僕の提案をことごとく断るんだい?それなりに譲歩はしているつもりだけれど」
「いや、神目線と人目線では感覚が違うこともあるので、こちらでもしっかり確認しないと踏み切れない部分もありまして」
何回も口にした言葉を聞かされたセルピナはやはり、納得いかないといった様子でプイと顔を背ける。かなり子どもっぽい。
「それで、相談というのはセルピナにも関わることなのかしら?」
「ええ」
ハロルドは正直に言うとかなり気の重いことであるので、無視を決め込みたかった。国王リチャードも「こちらに任せて待っているといい」と言ってくれていた。
しかし、セルピナのお願いやフィアンマ帝国の女帝の様子から動かざるを得なくなってしまっている。最近では脅しのような言葉を聞かされることも増えてきたので、相談していたリチャード王やアンリ王太子と共に事態の解決に乗り出すことになった。
ブライトを拐われたという私怨も若干あるが。
なお、父親のはずのケリーが連れて行かれた件については「めんどくさい事態を引き起こさないでほしかった」としか思っていないあたり、ハロルドは彼への興味がないに等しかった。
「一応、滅ぼすにあたってのプランを立ててきました」
顔に「仕方がないのでね」と書いてある。笑顔がかなりヤケクソに見える。
アルスはジト目でセルピナを見るが、彼女はようやくハロルドが前向きになってくれたと瞳をキラキラさせていて、気づきもしない。
そして、その後ろから女神がもう一人現れたことにも気がついていなかった。アルスは彼女の姿を見た瞬間、フォルテの後ろに移動しているというのに。
「まぁ、わたくしのことも誘ってくれるのね?」
「この度もどうぞ力をお貸しください、ユースティア様」
「何でいきなりティアが来るんだい!?」
「おまえのやらかしは聞いていてよ。この件が終わればお話があります」
彼女の笑顔を見たセルピナは助けを求めるように、ハロルドとフォルテに視線を向けるも、彼らはとびっきり良い笑顔をセルピナに向けるだけだった。
セルピナもまた、ユースティアのことがとても、かなり、すごく、苦手だった。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
フォルテ「最近本当に困らされてきたし、セルピナの困った顔は本当にスッとする」
アルスはたぶんこっそりハロルドに「これは珍しい花の種なんだ。ハロルドにやろう」と言って種を握らせている。
大体の神はユースティアが苦手(一部トラウマレベルで説教をくらっているため)。
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