22.反応は三者三様
「正気?」
「命が惜しくねぇのか?」
「薬で一度で仕留められなかったなら、もう殺せないだろうな」
ブライトが拐われたという報告を聞いたハロルドたちは三者三様の反応を示した。
ルーチェはあまりの言い分にめまいがしそうである。しかも全員が真顔なのでどう言っていいものかもわからない。
「アイツを殺さずに拐う以上、無力化できてるつもりなんだろうな。……実際は魔道具飛ばして自分で報告まで上げてきてるけど」
「ブライトを拘束するなら最低でもオリハルコン……できればアダマンタイトやヒヒイロガネを使いたいところだけど……そういうのを使っている気がしないな」
「セルピナ様をお迎えする前にあの国、滅びるんじゃないか?私としてはその方がいいが」
「ブライトをなんだと思っているのかしら」
ルーチェはそう言うけれど、これが現実なのだ。
ブライトは年々力を増している。制御できるように友人たちでサポートもしているが、見かけで判断すると後悔するレベルの能力を思えば、心配するのは彼の精神への影響くらいのものである。
そしておそらく、今回拐われる際に使われた薬の耐性はすでにできている。おおよその毒物に対してもブライトは耐性があった。
それはベキリー家が彼を殺そうとした産物であることを思うと彼の生家へ怒りもあるが、それが「殺せないだろう」という判断に繋がるのだから皮肉なものだ。
「迎えに行くついでに……ちょっと確認して来てもらおうかな」
「ああ、例の悪巧み?成功するのかよ」
「どうだろうね。まぁ、神の願いを叶えるためには準備が必要だし」
「それにしても、よく砂の妖精王が下準備を引き受けてくれたな。
私はよく知らないのだが、王というからには重要な存在なのだろう?」
「けど、同族も随分犠牲になっていると聞くから何かいい方法がないかなってダメ元で聞いてみたんだ。そうしたら手伝ってくれるっていうから。それに……まぁ、向こうにも利益があるように、とは考えたから」
ルーチェは目の前にいる契約者の友人たちが悪巧みをしている様子を見て、スノウを突いた。面倒そうに「なに」と言う彼に、「あれって、助けてくれるってことかしら」と問いかける。
スノウは何バカなことを言っているんだろうという顔を向ける。
「話聞いてなかったのか?アイツは黙ってても帰ってくるから助けじゃなくて迎えを出すだけ。その他は全部滅ぼす準備」
「物騒かしら!」
「今更だろ」
余計な真似をしなければ、もう少しくらい生きられたかもしれない。
だが、起こってしまったことは仕方がない。
やったことの対価は、いずれ払わなければならないものだ。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
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