23.弱者とは呼ばせない
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ハロルドは全部大人に任せた。
任せた、というか、ハロルドの周囲の大人はみんな「任せなさい」と楽しそうに胸を叩いた。良い笑顔であった。
現在進行形で、ハロルドに害をなした人間は神罰を受けている。色に溺れたものは性病を、金に溺れたものの資産は泡と消え、加虐趣味の者は四肢を腐らせる。全員に共通しているのが『真実しか話せない』ことと、『この世の物とは思えない痛みが体を襲う』ことだろうか。
尋問は今まで以上に早く、的確に、背後にいる者の存在も含めて洗いざらい詳らかになる。
二柱の神と、今まで手を出したくとも出せなかった者たちが、今までの怒りを込めて動いていた。
神罰の証がついた身体では逃げたとしても、厄介者として石を投げられ、捕まれば無事では済まない。
ハロルドに危害を加えた者たちは、逃げ道を塞がれていた。
「面白いようにことが進むな」
ようやくだ、とウィリアムは口角を上げる。
フォルツァート教とその信者、何よりもそれの加護持ちに人生を狂わされた人間は多い。
侯爵家の嫡男であったはずなのに、出家することになったウィリアム。
魅了によって狂っていく婚約者に耐えきれず、差し違えてでも聖女を殺した令嬢。
婚約者の自害により生きる意味を見出せなくなり、王なんてできなくなった王兄。
数え出せばキリがない。
それでもどうにもならなかったのは、フォルツァートの加護が強かったことや、末端を切り捨てて黒幕が捕まらなかったり逃げてしまったりしたことだ。
加護を持っている人間が現れれば尚のこと、かの信者たちは調子に乗る。内部の自浄作用なんて期待ができない。清廉な人間ほど食い物にされて権力には食い込めなかった。
だが現在、彼らにとってのイレギュラーが存在する。
それが状況の全てを変えた。
ハロルド・アンバー。
女神フォルテの加護を得た少年。
そして彼は後天的に医神アルス、天秤の女神ユースティアの加護を得た。
「あの神、まさか妻に弱いとは……」
フォルツァートは人を含めて数名の妻がいる神だった。だから、そんな印象がなかった。
だが、そのおかげで事態が動き出した。話したくないと頭では考えていても、口が勝手に動く。
白状したくなくても、全てを話してしまう。
逃げたくても、その身に刻まれた証が外に出ることを躊躇させる。
居場所は全部、ハロルドとルートヴィヒに筒抜け。
神罰を与えてなお、人の世界で裁くことを良しとしない神もいるが、ユースティアはよほど腹に据えかねていたせいか、それともハロルドを信頼しているためか。人の世界でも法で裁く許可が出た。
証拠は十分、痛みに気絶する度に癒してやった甲斐があるというものだ。
——今が底だと思うなよ。
今まで食われる側だった者たちは弱者となった加害者に牙を剥いた。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
◆質問とか
Q.今は痛風だけど、次にやらかしたら尿路結石とか糖尿病とかヘルニアになるんだろうな。
A.糖尿病はもう天然ものがいそう。痛風でも唇を食いしばって懺悔しない連中は多分尿路結石もくらってる。
Q.尿路結石もいける?
A.いける。
Q.歯痛を推すw
A.アルスが「口には滑らかに動いて貰わないと」と言っています。すでに痛みで滑らかに動かないと思うけど……。
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