22.これ幸いと
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アルスはちょっと悩んだ。
父であるフォルツァートから神罰代わりに頼むわー的なメッセージが回ってきたからだ。申請だけ提出して、あとは何をやるか決めるだけだ。
「まぁ、あの男やフォルテ様が動くと国を巻き込んだ大騒ぎになってしまうからな」
何せ、彼らの力は大きすぎる。
フォルテはまだ力を取り戻しきっていないせいですぐに大きな影響を与えることはない。だが、彼女の力は大地……こと豊穣に関わってくる。要するに農作物の収穫量が落ちたり、地脈に強い影響が出てしまう。あの意外と優しい女神は、他者に影響を与えることを簡単に判断することができない。
フォルツァートはその力を子に分け与えてるとはいっても天空を支配する神だ。自ずと天候などにも大きな影響を与える。
バリスサイトの悪夢、その影響はまだ「手加減をした結果の神罰」だった。自分の領分外での慣れない作業だったのだから。彼が本気を出せばやまない雨、続く日照り、夏に降りる豪雪……異常気象を容易く引き起こしてしまう。
だから、マリエの願いを叶えたのもユースティアだったのだろう。最近、フォルツァートはこっぴどく怒られていたから。
「僕もそんなに加減ができるタイプじゃないんだけど」
アルスだって疫病を蔓延させたりとかできてしまう。感染するタイプの病を神罰にするのはまずい。
うんうん唸ってから、個人でめちゃくちゃ痛くて簡単に死なないものを探し始めた。
アルスも大概怒っていた。ハロルドが目立つのを嫌がるからと呪いで済ませるんじゃなかったかな、なんて考える程度には。
(僕も友人に危害を加えられて怒らないほど温和じゃない)
共に旅をし、たまに薬草を送り合って、彼の作った薬について批評する。
アルスの中でのハロルドは『我が子』でも『神子』でもない。
『友』である。
そう、神様らしくビッグな感情でアルスは友情を感じていた。
色々考えた結果、彼は『ハロルドに危害を加えるような言動を取ろうとした瞬間、痛風の痛みが発生する』という神罰を与えることにした。
痛風、日常生活が困難になるほどの痛みがある発作をもたらす病気である。肥え太った連中も多いのでちょうどいいだろうと鼻で笑った。
魂になってからこちらで仮初の肉体を与え、怪我や病を治療する実験台にしてもいい。あれだけの愚か者たちだ。心も傷まない。
「そもそも、僕だってあの手の連中に痛い目に遭わされたからね。これだって優しいほうだろう?」
そう言って口角を上げる。
多方面に迷惑をかけるわけではないけれど、一応意見を聞いておかないと自分がやらかしている可能性がある。アルスはそう考えて、異母兄エスターの意見を聞くことにした。
「お土産は……ハロルドの新作、リラックスティーでいいか」
最近は体調が良さそうだ。ストレスが減ったせいかもしれない。だが、身体は疲れているだろう。
「それにしても、何かまた効果が上がっていないか?」
アルスは首を傾げると、「まぁ、元気になるならいいか」と頷いて神域を移動した。
彼本人に自覚はないが、加護を、パワーアップさせていた。
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アルス、うっきうき。彼も、いつかやったろって思ってた。
◆質問とか
Q.フォルツァート、一回やり込められないとダメでは?
A.コレでも今までと比べたら反省してる方。絶対喜んで神罰考える、しかも周囲にそこまで害を与えない神を選んでるだけ進歩。ただ、痛い目にあっといた方がいいかなっておもう……。
Q.侯爵、ストレス抱えてんだろうなぁ……
A.大事な長男の出家原因だし、やらかしまくってるしストレスと恨みしかない。
Q.いわれのない作業がアルスを襲う!
A.アルスもあいつら嫌いだし、もうちょいで神格落とすとこだったし、友達が迷惑してるから今回に限っては喜んでやってる。コレがいつもになったりするとユースティアにチクる案件。
Q.フォルツァートの妻ってユースティアとヴィーナ意外誰だっけ?
A.ディーナちゃん(愛の女神)。ミハイルに加護を与えたトゥーナちゃん(幸運の女神)のマッマ。
【お知らせ】
2024年6月25日に巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない1巻が、オーバーラップノベルスさまより発売いたしました。
イラストレーターはRuki先生です。素晴らしいイラストをたくさん描いていただいたので、ご期待ください!!
特典等詳細は著者活動報告にも書いておりますので、ぜひご確認ください!
今後もどうぞよろしくお願いいたします!




