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【書籍化】巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない【4巻1月25日発売・コミカライズ化決定!】  作者: 雪菊
8章

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2.庭への侵入者



 打ち上げが終わり、友人たちが帰ったあと庭の方で妙な気配がした。

 アイマンが「見に行ってくる」と言うので任せてアーロン、ペーターと片付けをする。ミハイルは少し顔色が悪かったので早めに下がらせていた。

 少しすると、庭から大きな声が聞こえた。



「俺、ちょっと見てくるよ」



 ペーターがそう言って、台所を離れた。

 庭への扉が開かれた瞬間、「単独で国を出るなんて何を考えているんですか殿下ぁ!!!」というアイマンの声が響いた。



「なぁ、ハル。殿下って聞こえなかった?」


「聞こえた」



 そして、ルートヴィヒが帰った今、自国の王子ではないだろう。

 二人は視線を合わせて、同時に溜息を吐いた。嫌な予感がする。



「……行くか」



 二人は持っていた食器を置いて、手を拭いた。

 そして、庭に続く扉からひょっこりと顔を出す。



「聞いておられるのですか!アデニウム殿下ッッッ!!」


「聞いている聞いている。だが私はスペアのスペア、第三王子だぞ。あと、あちこち徘徊しすぎて誰も私のことなど気にせん」


「あなたが気にせずとも、この国であなたに何かあれば、この国が困るのです!!」



 国際問題にする気か、と至極真っ当なお説教である。

 アイマンの目の前にいる男は、しっかりと地面に正座させられていた。


 黒髪に、緑色の瞳。ゆったりとした白を基調とした服に赤いターバン。気品を感じさせる顔立ちは、説教を受けていることで台無しになっていた。



「おや、そこにいるのは誰かな?」



 アイマンをスルーして、ひょいと顔を出したアデニウムはひらひらと手を振った。



「私はアデニウム。君たち、名は?」



 そう聞いたアデニウムだったが、そこから一拍置いてゴン、と拳骨が落ちた。

 さすがに痛かったのか頭を抱えている。



「すまない。この侵入者はラムル第三王子……薬学狂いのアデニウムだ」


「じ、自国の王子に対しての態度ではないんじゃないか!?」


「あの国に戻るつもりがないので」


「え、それは困る!!私ではなく兄上たちが!!」



——あんたは困らんのかい。

 ハロルド・アーロン・ペーターの心の声が重なった瞬間だった。

 目の前にいる成人男性は、少なくとも三人が見た限りでは、非常に『誰かに面倒を見てもらわないとそのうち死ぬ系』の人間に見えた。

いつも読んで頂き、ありがとうございます!

また、感想もたくさんありがとうございました!!

とりあえずまた感想欄閉じてます。

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