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【書籍化】巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない【4巻制作・コミカライズ化決定!】  作者: 雪菊
7章

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50.うたた寝のあと



 ルートヴィヒが部屋から去ったあと、寝てしまったようだ。

 目が覚めたらすでに夜だった。

 身体を伸ばすと、少し頭がスッキリした感じがした。



(しっかり寝たはずなんだけど……神降しっていうのは、消耗するものなんだな)



 動いていた時よりはマシだ。しかし、気怠さは残っている。

 とはいえ、意識のない時に勝手に何かされるよりはいい。

 ゆっくりと、次に何をすべきかを考える。



(ドラゴンたちとデイビッドを連れてミライの外へ行き、説得をしてもらう。それで……うん。まぁ、本当の竜王の継承者がこちらにいるのだから、できるだろうな)



 有用性があれば、デイビッドがそう簡単に処分されたりもしないはずだ。何かあればハロルドが何とかできるという前提ならば尚更。

 ハロルドにとっては、ペーターと同じ、守るべき年下の男の子だった。そもそも、自分が拾った命だ。死んで欲しいとは思わない。ユリウスはちょっと別だが。



「ハル、起きちゃったんですか?何か食べに行きます?」


「こんな時間にわざわざ用意してもらうのも悪いよ。もう一回寝る……けどその前に。ペーターは大人しくしている?」


『筒抜けだぞ、って話しといた。大人しくなった』



 ハロルドの腕には6色の宝石が着いたブレスレットがあった。ローズたち妖精みんなと通信するための魔道具だ。

 ペーターがやらかしたのはネーヴェの記憶から知っているので、ルアを見張りとして向かわせていた。

 知っていたなら止めるか教えろよ、とハロルドは思っているけれど、ネーヴェにとってはペーターやデイビッドなんて路傍の石に過ぎない。だから放置だった。



「ならいいけど……。俺は回復してるのと、勉強はきっちりやっとくように伝えておいてくれる?」


『わかった』


「ありがとう、ルア」



 魔力が途切れる直前、「ハロルド!?」という幼馴染の声が聞こえたが、普通に切った。

 結果として暴走していたユリウスを捕獲できたのはお手柄だが、別に自分のために誰かが傷つくのをよしとは思えない。

 貴族と平民の価値観の差だと思っていたが、これは人間性なのかもしれないと考えを改める。



(大事に思ってくれているのはありがたいけどね)



 幼い時の時間全てが悪いものではなかったのだと思える。

 翌日にはまた動き回らないといけないだろう。何かあればロナルドを使えとは言ったけれど、本当にそうさせるつもりはない。被害が大きくなる予感しかしない。



「早く全部終わらせてゆっくり寝たい……」



 ハロルドはそんな愚痴を溢す。

 なお、試験が近いため難しかったりする。

いつも読んで頂き、ありがとうございます。

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