8.悲鳴と久しぶりの人
「ぎゃあああああああ!?!?!?ハロルドぉ!?嘘だろ!?目を開けて!!」
「そんな……こんなに早く……」
アーロンは同居人の悲鳴と悲嘆を聞きながら首を傾げた。学園に来る予定だったハロルドはついぞ来ず、何かに巻き込まれたのだろうと想像はしていた。
スノウを抱えて、声のあった方向へと向かうと棺のようなものがある。
その中には、色とりどりの花と妖精たちと一緒に眠るハロルドの姿があった。
「趣味悪い寝床でスピスピ寝てんじゃねぇよ、ハル」
微かに寝息が聞こえる。アーロンは呆れた声でそう言って思いっきりデコピンをすると「い゙!?」と驚きながらハロルドは目を覚ました。
「あれ、シャルロットさんは?」
「いや、俺は会ってねぇけど」
「というか、俺はいつの間に解放されていたんだ」
疲れた顔ではあるが、その表情は朝よりも元気そうに見える。ティターニアの心遣いはちゃんと負担のかかった彼の身体を癒していた。
そのティターニアもいきなり人を伴侶扱いしようとした怖い女であることに変わりはないけれど。
「シャルロットなら、王城に放り込んでたわよ」
目をこすりながら、ローズがハロルドの肩に座る。
ティターニアは「この子は火、草木を焼く火だもの。離しておかなきゃ」とわざわざ別々に送り届けたらしい。
「ティターニア様、身内以外の火には厳しいの。一度国を焼かれているから」
「焼かれて……?」
「そう。だから花の国はもう妖精が住める国ではないのよね」
不穏な言葉が聞こえたけれど、それ以上は話すのも不快といった表情であったために、それ以上を尋ねることはできなかった。
何より、花がたくさん入った棺のようなものに横たわっていたハロルドが死人のようだったので、ペーターが足に縋りついて号泣し始めたし、ミハイルは真っ白になっている。
事情の説明はしておかないといけないか、とペーターの頭を撫でながら考えていると「なんか面白いことになってやがるな」という声がした。
「よ!」
「カラム、最近ジャンナガーデンで見ないと思ったら」
「アイマンがこっちに来るっつーから引っ付いて来たんだよ。あ、そうだ。アイツも一応来てるぜ」
確かによく耳をすませば扉を叩く音が聞こえる。
「ハル、どう収拾つけたらいい?」
「俺にもわからない」
もう、しっちゃかめっちゃかである。
ハロルド「無理。寝たい」
せやな




