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【書籍化】巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない【4巻制作・コミカライズ化決定!】  作者: 雪菊
6章

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27.幕引き……?

6章最終話



 一連の騒動がどうなっているのかを聞きながら、ハロルドとアーロンはめんどくさそうな顔をしていた。ただ、自分が絡まれたところから地獄のような連鎖反応が起こっていることにはドン引きしている。先日会ったエリザベータが「出遅れましたわ」と嘆いているのもちょっと怖かった。彼女はハロルドの「エリィ」呼びと「俺以外を見る必要はある?」で数日放心状態だったので、その間にできることがなくなってしまっていたらしい。ルビー侯爵家の仕事の早さに少しだけ感謝をしていたハロルドだが、その余波がブライトたちに行っていたのは想定外だった。



「俺のせいでもあるのかな」


「ハロルドくんが度を越した美少年だからって何の罪があるっていうの?というか、あの女は余罪もあったから放逐されたんだよ。大人しくしてれば、貴族との縁談もあったかもしれない裕福な家に生まれたのに、本人が全部ぶち壊してるんだから世話ないよねぇ」



 ブライトがニコニコと笑いながら「そんなこと言ってたら僕の可愛さも犯罪じゃーん!」などと言い出したのを見て、ルートヴィヒは「自分で言うな」と溜息を吐いていた。



「まぁ、今回ばかりは俺は何もやってないしね」


「ちょっと散歩に出たらヤベェのがいただけだもんな」


「自分の従姉妹を追い落とそうとするような方でしたし、そのうちやらかしていたでしょうから、早期解決ができてよかったのではありませんか?」



 身も蓋もないミハイルの言葉に苦笑する。

 実際に、わざわざウルクの部屋に入って絵を盗み、それを売り払ったのは彼女だという証言が出ている。共謀したメイド数名は訴えられ、賠償金を払うことになったようだ。親戚筋から行儀見習いとしてきていた娘たちであったため、これを機に縁故採用していた使えない使用人たちを処分するらしい。身内が一番の敵だ、なんてオパルス子爵も不憫である。



「オパルス子爵もねぇ、もう少し早く兄上を見限っていれば、自分の子供たちからの信頼を失わずに済んだだろうにねぇ」



 優秀だった祖父の血縁だからと、来るはずもない『いつか』を信じて婚約を長引かせたのだ。早くから「レスターはダメだ」とずっと言っていた子供達からすれば、人を見る目がないと思っても仕方がない。



「兄上がダメ男すぎて僕を受け入れちゃうあたり、ほんっとどうかと思う」


「ブライト、君も性格が悪いわけじゃないんだからそんな言い方をしない」



 ハロルドにジト目を向けられるが、ブライト本人からすれば「あー、それはハロルドくんたちお友達相手だからだよー」という感じである。自分の身勝手さも欠けている部分もブライトはある程度の自覚があった。



(いや、まぁ……ルビー嬢には負けるけど)



 現在侯爵令嬢となったエリザベータの暴走っぷりを知っているブライトは、それを受け入れて転がしているハロルドからすれば、自分なんて大したことがないのだろうと思い至ってアルカイックスマイルを作った。



「新年度早々これだったからなー。もう面倒事は勘弁してほしいぜ」



 アーロンがそう言うけれど、面倒ごとは既に動き始めていた。

厄介ごと、一つじゃないんだよなぁ……

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