40.騒ぎ
急展開
ルートヴィヒが、思っていたよりもやばいことをやらかしているエリザベータが使っていたらしき魔道具を研究室に持ち込んでからブライトを回収して王城へと帰ると、酷い騒ぎになっていた。
「放せ、私は何もしていない!!」
何やら次兄が捕まっている。
近くを通りかかった青い顔のエドワードの様子にただ事でないことを察する。
「ルートヴィヒ殿下、今日は、早く、お部屋にお戻りください」
同じく青い顔のダニエルに言われて頷く。
部屋に戻ったルートヴィヒはしばらく落ち着かない気持ちで待ち、その夜遅くに告げられたのは思いもよらぬことだった。
王太子暗殺未遂、である。
第二王子の居住区画には聖女が滞在している。彼女の取り巻きも同じくだ。追い出そうにも、フォルツァートの神罰は長期間、民への影響も考えずに落とされるものであることもあって中々上手くはいっていなかった。
その聖女の取り巻きの一人が、侍女を買収し、手引きさせてアンリを襲ったようだった。
「アンリ兄上は無事なのか?」
「お怪我はそれほどでもありませんが、毒物の種類が特定できず難航しております。犯人から話を聞き出そうにも、何をしても狂ったように笑い続けるだけ。精神に干渉する魔法を受けている可能性が高いとのことです」
第二王子ジョシュアが捕えられたのは、彼が聖女と深い仲だということが知れ渡っていることもある。本人は「血の繋がった兄を、殺そうとなんてするわけがないだろう!」と言っているそうだが、彼が王位を求めているといった情報も入ってきている。野放しにできる状態ではないと判断された。
急に起きた出来事に唖然とする。
話を聞いても何をどうするべきか、自分に何ができるのか。そんなことばかりを考えてしまう。
そんな彼の背をブライトが叩いた。
「ルートヴィヒ殿下、落ち着いて」
「こんな状況でどうやって?」
「少なくとも、毒物の種類に関しては判定できる人が友達にいるでしょ」
その言葉に我に返る。すぐに遣いを出して友人に助けを求めた。
「いい?前みたいに、僕らは一人じゃない。君が声をあげればついてきてくれる人もいる。陛下だって動いてる」
その言葉に苦笑する。
学園に入ってから彼らと出会って、そんなことはわかっているはずだった。
安心させるようにブライトがにっと笑ってみせた。
「そうだな、原因がわかればきっとなんとかなるはずだ」
そう自分に言い聞かせるように彼は呟いた。
いつも読んで頂き、ありがとうございます!
感想もありがとうございます。
これで3章終わりになります。
4章も頑張って書いていきたい……!




