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放課後になり、タカは涼川愛夏と帰って行った。
「なぁ…リク…」
「どうしたの?」
トラが少し考えた様子で話しかけてきた。
「俺さ…思ったんだけどさ…」
「うん」
「白雪さんって…俺のこと好きなんじゃね?」
「そうなの?」
「だってさ!俺にだけ冷たいじゃん!それって好きだから正直になれないってアレなんじゃね?」
「そうなのかな?」
「そう俺は思ったんだけどさ…違うかな?」
「うーん。僕にはよくわからないかな…女子の気持ちは女子の方がわかるんじゃないかな?」
「たしかに!じゃあ、俺さ!篠宮さんとユイユイに聞いてみるわ!」
トラは元気にそう言うと、また明日な!と大きく手を振りながら帰って行った。
まだ時間があったので、宿題を終わらせてから、
用事を済ませる。
用事も終わったので、帰ろうとすると、
3人のクラスメイトが話している姿が見えた。
「白雪さんのことが好きです!俺と付き合ってください!」
「俺の方が白雪さんのことが好きなんだ!絶対に幸せにしてみせます!だから、俺と付き合ってください!」
間島宏樹と土田剛が、
白雪姫花に告白していた。
何でこんな場所で告白するかな?
そう思ったけど、人通りが少ない場所だからかとすぐに答えが思いついてしまった。
「どうして姫が付き合わないといけないのかしら?あなた達と付き合うメリットなんて1つもないのだけれど。姫はあなた達のことなんてこれっぽっちも興味ないのだけれど。それを言う為に姫を呼び出したのなら時間の無駄だと思うのだけれど、姫の時間を返してくれないかしら?」
うわぁ…すごい言われようだな…
「時間を返すことはできない!でも、この時間があってよかったと絶対に思わせてみせる!」
土田剛はすごいことを言ってるな…
「じ、時間の無駄だなんて…白雪さんが俺のことに興味がないことはわかった。でも、俺は諦めない!俺は白雪さんのことが好きだから!」
間島宏樹はそれでも諦めないなんてすごいなぁ
「この時間も無駄になっていることが理解できないのかしら?もう帰ってもいいかしら?」
「絶対に振り向かせてみせる!」
「わかった…でも、俺の気持ちは変わらないから…」
こういうのって本当にあるんだなぁ
そう思いながら、帰ろうと思ったら見つかってしまった。
「霧山くん。そこで何をしているのかしら?」
「え?霧山?」
「もしかして、俺達の告白を見ていたのかっ!?」
うわぁ、関わりたくなかったなぁ
「も、申し訳ありません…たまたま通りかかったら見てしまいまして…僕はもう帰りますので…誰にも話しません。あの…ごゆっくりとお話しされてください…」
「あなた達のメリットが思いついたのだけれど」
「それは本当かい!白雪さん!」
「俺に出来ることがあるなら!」
「霧山くんもこの中に入らないかしら?」
「もしかして!霧山も白雪さんのことが好きだったのか!?」
「霧山がライバルに…だが、俺は負けない!」
「あ、あの…別に…そういうわけじゃありませんが…白雪さんはただの友達です。お二人のようなお気持ちが僕にあるわけではありませんので…」
「霧山くんをこの中に入れることができるならもう少し話を聞いてあげてもいいのだけれど…」
「え?で、でも、霧山はただの友達なんだろ…?」
「霧山!お前も俺のライバルだと認めてやろうっ!」
とりあえず、土田剛は黙っててほしい。
「申し訳ありませんが…ただの友達の僕がこの中に入るのは不適切だと思われますので…失礼します」
「そ、そうだよな…」
「霧山!逃げるのかっ!?自分の気持ちから逃げるなんて男らしくないぞっ!!」
僕は白雪姫花と間島宏樹に、
軽く頭を下げてから、静かに帰った。
これ以上、関わりたくなんてない。
でも、面倒なことになりそうだなぁと思ってしまった。




