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あれから休みの日にたまに6人でバケタイをしている。

朝日奈結衣の弓レベルも上がり、

今ではブルードラゴンと戦えるようになったぐらいだ。


「リク!ロボカス見たか!?」

「うん。見たよ」


超絶機動ロボ!カスタムゼロ2

アニメの話だ。

タケシくんとハナコさんが付き合っていたが、

ハナコさんがハトムギ博士と浮気をしていて、

仲間同士で喧嘩をするという、

昼ドラのようなドロドロ展開を見せてくれた。


ハトムギ博士の娘である、タマコ博士は、

コウタロウくんのことが好きになったが、

それは蛇足だぁーー!!と言われ続け、

少しモヤモヤしているようだったが…


「俺さ!もう意味わかんなかったんだけど!!」

「ハナコさんのことだろ?俺も見て、は?って言ってしまったからね」

「そうだね。あれはビックリしたよ」

「怪獣からのビームがさ!超絶機動ロボに当たりそうになった時にさ!フラワーロボが身代わりになってさ!」


フラワーロボとはハナコさんが乗っているロボだ。


「私…本当はコウタロウくんのことが…好きだったの…だぜ!え?ハナコさんってタケシくんと付き合って、ハトムギ博士と浮気してたよな!?」

「そうだな。まさか本命がコウタロウくんだったとは…それで、タケシくんとハトムギ博士が一致団結してコウタロウくんにさらに敵対していることも疑問に思ってしまったよ。そもそも、お前らは恋敵だっただろ?ってな」

「それで超絶機動ロボとスターロボが戦うって展開な!いやいや!タケシくんはそれでいいん?浮気相手が作ったロボでさ!浮気相手がパワーアップしてくれたロボでさ!敵討ちだぁー!って何だよそれって思っちゃったからね!」

「俺はもう人間関係については考えないようにしてるよ。とりあえず、スターロボを見れたからよかったかな」

「俺はコウタロウくんの気持ちを考えてるんだけどさ!俺はハナコさんに命を救われた…敵討ちだと思うなら思えばいい…俺は受けて立つ!ってさ!何受け入れちゃってんの!?」

「でも、僕はカスタムしないでいてくれて嬉しいかな」

「いや!それもっしょ!タマコ博士がどんなこと言ってもさ!それは蛇足だぁーー!!って受け入れないのに…何でそれ以外は何でも受け入れちゃうんよ!」

「考えたって仕方ないだろ。俺はもうロボをカッコいいなって見るアニメだと思ってるよ」

「それでもさぁ…俺はどんな展開になるのか気になんだよなぁ〜」


今日は3人で弁当を食べながら、

アニメの話をしていた。


弁当も食べ終わりバケタイの話をしていたら、

あれ?なくなってる!?と言う声が聞こえた。

みんな学食から戻ってきていたようで、

声がした方を見ると涼川愛夏だった。


「え?愛夏どうしたの?」

「陽菜!今度は化粧品が盗まれたんだけどっ!!」


みんなまたかよ…とざわざわしはじめた。


「愛夏、家に忘れたんじゃないの?」

「ううん!化粧ポーチに入れて、持ってきてたから!ほら!ここの部分あいてんじゃん!」


伊藤陽菜は化粧ポーチを見て…う、うんと頷いた。


「誰だよっ!?アタシの金と化粧品を盗んだやつ!!」


教室内はざわざわとしているだけだ。


「なぁ、愛夏よ〜。お前、本当に盗まれたのか?」

「はぁ!?優吾!何言ってんのっ!?」

「孝二よ〜。愛夏ばっかり盗まれんのって何か変じゃね?」

「そうだよな〜。本当は盗まれてないんじゃね?」

「アタシは嘘なんてついてねぇよ!」

「それともアレか?本当はお前が盗んでるけど、被害者のフリしてたらバレねぇみたいな?」

「は?マジで意味わかんないんだけど!」

「陽菜から聞いたんだよなぁ〜。お前ってさ、新しい化粧品めっちゃ買ってるらしいじゃん?それって盗んだ金で買ってんじゃねぇの?」

「違うからっ!」

「なんかさ〜。そうやって否定されるとますます怪しく感じんだよな〜」


たしかにちょっと怪しいかも…

涼川って化粧品めっちゃ買ってるって聞いたことあるわ…

てか、涼川が犯人なんじゃね?


教室内にはそういう雰囲気ができつつあった。


「萩原くん!竹下くん!そういう決めつけは良くないと俺は思うけどな!」

「おい、蓮よ〜。そうやって霧山の時も庇ってたよな?本当はお前が犯人なのか!」

「俺はやってない!だからと言って、涼川さんが犯人と決めつけるのは間違ってると思う!」

「蓮と愛夏って仲良いじゃんか?そうやって女子に媚び売って人気取りでもしてんの?マジうけるんだけど」

「お、俺は…」

「おい!優吾!蓮のやつ黙ったぜ!」

「えっ!なに?図星だったの?」

「ち、違う」

「いやいや、もう遅いっしょ!」

「だから!今更違うって言ってもそうとしか思えないんだけど!」


萩原優吾と竹下孝二は笑いながらそう言った。


「お、俺はただ…みんなで仲良くしたいだけなんだ」

「そんなん無理だろ?テメーの価値観を押し付けてくんじゃねーよ」


萩原優吾にそう言われて、田中蓮は黙ってしまった。


「陽菜もよ〜。愛夏が化粧品いっぱい持ってんの不思議に思ってたじゃねぇか?ほら、謎が解けたな!」

「陽菜も…アタシのこと…そう思ってたんだ」

「いや…アタシは…」


涼川愛夏は悲しそうな顔をしている。

その瞬間、僕の隣から大きな怒声が聞こえた。


「ふざけんじゃねぇぇぇぇ!!」


意外にもタカがブチギレたようで、

怒声を出しながら、座っていた机を蹴飛ばした。


ドカッ! ガタガタン!!


机が倒れて大きな音がした、

そしてざわざわしていた教室がシーンと静まりかえる。


「テメーら!涼川愛夏の何を知ってやがんだっ!何も知らねぇくせに好き勝手ほざいてんじゃねぇぞっ!犯人だぁ!?ふざけんなぁ!涼川愛夏は被害者だろうが!何の証拠もねぇくせに勝手に決めつけてんじゃねぇぞっ!」


教室内にいるみんなが驚いた表情でタカを見ている。


「今度好き勝手なことほざいてみろっ!俺がぶち殺してやる」


そう言ったタカの目は血走っていた。

みんな何も言えずにただ黙ってタカを見ていた。

タカはその言葉を残して教室から出ていった。


「り、リク…」

「僕が様子を見てくるよ」

「お、おう…」


トラも驚いていたようだ。

僕も教室から出て、タカを追いかける。

タカは階段に座り込んでいた。

僕は静かにタカの横に座る。


「リクか…悪い…カッとなっちまった」

「タカがあんなに怒るなんて珍しいね」

「そう…かもな」

「みんなビックリしてたよ」

「そうだよな…でも、俺は許せなかったんだよ」

「そうだったんだね」


タカは何も言わずに静かに俯いている。

僕も何も言わず、ただ横に座っていた。


「リクは…何も聞かないんだな…」

「そうかな?僕はただタカが心配だったから…そばにいてあげたいなぁって思っただけだよ?」

「ははっ…リクらしいや」


タカはそう言って少し笑った。


「なぁ、リク…俺の話…聞いてくれるか?」

「うん」

「ありがとな…」


タカはポツリポツリと話しはじめた。


「俺さ…涼川愛夏のこと…好きなんだよ」

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