18
あれからたまに篠宮里沙と朝日奈結衣と一緒に弁当を食べる日が出来た。トラは友達が増えたって嬉しそうだけど…僕とタカは憂鬱な日々を過ごしている。
「リク、おかえり」
「あれ?兄ちゃん帰ってたんだ?」
「おう。仕事もひと段落ついたからな〜。とりあえずはゆっくりバケタイかな?」
「じゃあ、後で一緒にやろうよ」
「そうだな。それより無手レベル上がったか?」
「もう全然…本当に上がらないんだけど…」
「だよな〜。俺もまだ上がってないわ」
「じゃあ、無手プレイだね」
「そうだな!そういや、リクさ〜。友達にゲームやる人いない?」
「どうしたの?」
「いやさ〜、懸賞でゲーム機が当たってさ。欲しい人がいたらあげようと思ってんだけど…バケタイ布教に使えば?」
「いや、僕の友達なんてトラとタカしかいないからね」
「そっか〜。じゃあ、欲しいって人がいたらあげていいからさ!リクにやるよ」
「ありがとう」
「うし!じゃあ、バケタイすっか!」
僕は兄ちゃんとバケタイの無手プレイをした。
兄ちゃんは相変わらず、すごく上手で、
化け物の攻撃をスウェイだけで避ける。
そんなんあり得ないだろって思うけど…
それをしているから凄すぎるのだ。
「リク、そっち行ったぞ」
「うん。わかった」
僕はステップで攻撃を避けながら、
殴りと蹴りのコンビネーションを当てる。
正直、化け物のHPを削れているのかわからないけど、使い続けることに意味があるのだ。
なんたって経験値が貯まるからね。
「やっぱ、レッドベアーじゃそんなに経験値貯まらんか」
ブルーベアーより強いのがレッドベアー。
ちなみにブルーバードより強いのがレッドバードだ。
「ドラゴンシリーズならもうちょい経験値もいいんだろうけどさ」
「まだ、兄ちゃんの刀レベルと僕の双剣レベルでもドラゴンシリーズはキツイでしょ」
「そりゃそっか」
ドラゴンシリーズとは前作から出ているドラゴンのことだ。
ブルードラゴン
レッドドラゴン
ホワイトドラゴン
ブラックドラゴンの四種類だ。
ドラゴンシリーズの中では、
ブルードラゴンから順に強くなっていく。
ブラックドラゴンがドラゴンの中では1番強い。
ちなみに今作はブラックドラゴンよりさらに強い、
ブルーブラックドラゴンが追加されているらしい。
まだ、ブルードラゴンすら戦うことができないけど…
「そうだリク、今回から無手なら石拾って投げられるだろ?」
「うん。そうだね」
「石拾ったまま殴ったらさ、自分のHPも少し減るんだけど攻撃力が上がってるみたいでさ。ブルーベアーで検証したけど、あきらかに攻撃回数が減ったんだよ」
「そうなの?」
「おう!それでさ、小型爆弾を持って殴ったらさ!爆発してさ!自分のHPも結構減ったけど、殴り判定になってるっぽいんだよな」
「そうなんだ。それ…すごくカッコいいね」
「だろ?スキルでさ。爆破無効ってあるだろ?あれって仲間の爆弾とか自分の爆弾とかを無効にするだけかと思ってたけど…無手プレイには必須のスキルになるかもな」
「そうだね」
装備品や装飾品によってプレイヤーはスキルがつくことがある。攻撃力アップや属性がついたり、様々だ。
レッドベアーを倒し、レッドバードと戦う。
兄ちゃんが刀で羽を斬り落とし、
その後、無手で攻撃をしていく。
やっと無手レベルが2に上がった。




