110
「…おはよう」
「タカ、おはよう」
タカは自分の席で本を読んでいたようだ。
「よっ!おはようさん!あれ?今日はリクの方が早かったな」
「そうだね」
「…トラが遅かっただけだろ」
「いや、まぁ、そうなんだけどさ!昨日のロボカスみたか?最終回!!」
「…一応ね」
「僕も見たよ」
超絶機動ロボ!カスタムゼロ2
アニメの話だ。
コウタロウくんの元仲間であるタマコ博士が改造してパワーアップした怪獣により、スターロボFがやられてしまった。
ボスダナーJr.も改造によりパワーアップしており、
超絶機動ロボとの最後の戦いが行われるところだ。
「タケシくんもやられちゃってさ!スターロボFの部品でパワーアップするべきだってハトムギ博士が言ってさ!」
「…言ってたな」
「なんかついにコウタロウくんとタケシくん、ハナコさんの思いが詰まったロボになんのかなぁ〜って期待したんだけどさ!」
「…スターロボはカッコよかったが、スターロボFはないだろ。あれはダサすぎた。それを考えるとな…」
「うん、そうだね。相変わらず、それは蛇足だって言ってたね」
「そうなんよ!コウタロウくんは最後の最後までそれは蛇足だっ!の一点張りで結局、カスタムしなかったな〜」
「…まぁ、カスタムゼロだからな。リク的にはよかったんじゃないか?」
「うん。僕としては嬉しかったかな」
「でも、まぁ、ボスダナーJr.もタマコ博士に改造してもらってめっちゃ強くなってたのに…超絶機動ロボに傷一つも付けられずにやられちゃったもんなぁ〜」
「…どれだけ超絶機動ロボが強かったんだよって話だったな」
「めっちゃフルボッコだったもんな…タマコ博士が治療して改造してって繰り返してもフルボッコ…後半のほとんどがボスダナーJr.をフルボッコにしてるシーンじゃなかった?」
「そうだったね」
「なんかコウタロウくんのこと好きだけどさぁ〜…見てたらタマコ博士とボスダナーJr.を応援したくなってきちゃったからな!」
「…悪は倒されたって最後にナレーションが入ったけど、どっちが悪だったのか考えさせられる作品になったな」
「あそこまで一方的にボコボコにしちゃうとな〜…父親の復讐だったんだもんな…ボスダナーJr.にとってはさ〜」
「まぁ、そもそもボスダナーが人間を滅ぼそうと攻めてきたのがキッカケではあるんだけどな…」
「てか、ボスダナーJr.を倒して、完ってなったけどさ!結局、ハトムギ博士とタマコ博士とかさ〜、タケシくんとかどうなったんやろ?」
「さぁな…」
「なんか考えさせられる作品だったな〜。てか、超絶機動ロボのフィギュア出るみたいじゃん!アレ買うん?」
「どうせトラは買うんだろ?」
「もちろん!タカはスターロボ派だもんな!リクは?」
「僕はいいかな?カスタムゼロってのが好きだっただけだからね」
「そっか〜、スターロボが出たらタカは買うんだろ?」
「スターロボFはいらないけどな」
ロボカスの話をしていたら、結衣さんが声をかけてきた。
「おっはよー!なになに?何の話をしてるのかな?」
「おー!ユイユイじゃん!おはよーさん!アニメの話してたんよ!」
「アニメかぁ〜…ユイユイ、アニメはわからないのです!」
「だよなぁ〜!そう言えば、バケタイの弓レベルはどうよ?上がってきたん?」
「うん!少しづつだけどね〜!まだ城下町にはならないのだよ!」
「そっかそっか!城下町になると領主になっからよ!衛兵の装備を揃えてあげっと、ランダム破壊を防いでくれたりするから便利になるぜ!」
「へー!そうなんだね!あっ!リサリサ!おはよう!」
「…おはよう」
そう言って、篠宮里沙は自分の席へと行ってしまった。
「…ユイユイさぁ、まだ篠宮さんと仲直りできてないんだな」
「そうなんだよねぇ…ユイユイが何かしちゃったのかな?」
「うーん、どうなんやろ?俺が知ってる限りじゃ何もないんだけどな…」
「ユイユイもわからないのです…」
「でもさ!なんか明らかに避けてる感じしない?そんな感じるの俺だけなんかな?」
「…俺もそう思うけどな。だが、だからと言ってどうこうできる問題でもないだろ?」
「そうだけどさ…」
「…朝日奈さんにもわからないなら俺らにわかるわけがない」
「じゃあ、このままでもいいのかよっ!?俺はそうは思わなねぇ!ユイユイも篠宮さんも友達じゃねぇかよっ!その2人が何かあったんなら解決したいって思うじゃねぇか!」
「…トラ、朝からヒートアップすんじゃねぇよ」
「わ、ワリぃ…でも、俺はそう思うんよ」
「…わかったよ。俺も気にはなっていたからな…友達だとは…思ってるからよ」
「タカっ!!」
「だから、うるさい!」
「ユイユイのために…いいのかな?」
「当たり前だろ!?俺らはダチなんだからよ!」
「…まぁ、友達…だからな」
「ありがとうっ!!」
トラとタカは結衣さんと篠宮里沙の間にあった、
いざこざに首を突っ込むことにしたようだ。




