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「ねーね!おかえりなさい!」

「メイ!ただいま〜」


僕は結衣さんと白雪姫花と一緒に学校から帰っており、

結衣さんの家の前にある公園でメイちゃんと会った。


「結衣、おかえりなさい」

「お母さん、ただいま」

「璃空くんと…」

「初めまして。白雪姫花です。ユイさんとは仲良くさせてもらっています」

「そう。姫花ちゃんって言うのね。結衣がお友達と帰ってくるなんて珍しいわね?」

「姫が…ユイさんのご家族にお会いしたいとお願いしたのです」

「あら?そうだったの?」

「ねぇ!にーに!あそぼう!」

「うん。わかったよ」


僕はメイちゃんと公園で遊ぶことにした。

白雪姫花は舞さんと話しているようだ。


「りっくん…ごめんね。付き合わせちゃって…」

「別にかまいませんよ。久しぶりにメイちゃんにも会えてよかったですよ」

「にーに!はやくはやく!!」

「わかったよ」


それからメイちゃんと一緒に遊んでいると、

白雪姫花が近づいてきた。


「メイちゃん。初めまして、白雪姫花です」

「はじめまして!ねーねのおともだちなの?」

「そうね」

「じゃあ、にーにともおともだちなの?」

「まだお友達かしら?」

「まだぁ?」

「そうね。メイちゃんにはまだ早いかしら?」


メイちゃんの頭の上にクエスチョンマークが、

ありありと見てとれた。


「今度は姫と遊んでくれるかしら?」

「うん!」


そう言って、メイちゃんは白雪姫花と遊びはじめた。


「ヒメちゃん!おにんぎょうさんみたい!きれー!」

「そうかしら?」

「うん!」


こうやって見ると白雪姫花の肌は白い。

メイちゃんがお人形さんみたいという気持ちもわからなくはないなぁなんて考えていると…


「璃空くん?」

「あっ、舞さん…どうかされましたか?」

「ううん。今日はありがとうね。なかなか面白いお友達がいるんだなぁ〜って思っちゃった!」

「そうですか…」

「姫花ちゃんは璃空くんのことが好きなのね〜…」

「…聞かれたんですか?」

「あら?やっぱりそうなのね〜…直接、聞いた訳じゃないわよ?ただ私たちに会いたい理由が璃空くんのことを聞きたいからだったからねぇ…それ以外、考えられないじゃない?」

「…僕のことをですか?それは…僕が仲良くさせていただいてるから…ですか?」

「そうじゃないかしら〜?これは強いライバルが現れたわね〜…結衣じゃ敵わないかしらねぇ〜」

「…何の話をしているんですか?」

「あら?何の話かしら?」


舞さんはそう言って僕に笑いかけた。


「メイ!そろそろ帰りましょうか〜!」


遊んでいるメイちゃんに声をかけている。

結衣さんも一緒に遊んでいたから、

3人が一緒に近づいてくる。


「なんかさ〜!こんなに公園で遊んだの久しぶりだったかも!ヒメ!ありがとうね!メイも楽しかったよね?」

「うん!ヒメちゃん!ありがとー!」

「それならよかったかしら。姫は初めてだったから…すごく楽しかったのだけれど…」

「え!?そうだったの?それならまた一緒に遊ぼうよ!」

「いいの…かしら?」

「もちろんだよ!」

「…ユイ…ありがとう」

「こちらこそだよ!ヒメ!ありがとね!」

「はーい、それじゃあ姫花ちゃん。今日はありがとうね。結衣と芽衣と遊んでくれて…これからも結衣のことよろしくね」

「はい。こちらこそお願いするかしら」


白雪姫花は少しだけ、ほんの少しだけ、

恥ずかしそうにしながらもそう言った。


「じゃあ、姫花ちゃん、璃空くん。またね」

「にーに!ヒメちゃん!またね〜!!」

「ヒメ!りっくん!また明日〜!」


朝日奈家の3人は笑顔で手を振って帰っていった。


「リクくん。今日は付き合ってくれて…ありがとう」

「いえ…白雪さんのお家は逆方向ですよね?それなのにどうして結衣さんのご家族に会いたかったんですか?」

「会いたいと…思ったからかしら?」

「…そうですか」

「じゃあ、姫も帰るわ」


学校が終わって、メイちゃんと長く遊んでいたから、

太陽はもうウトウトとしている時間だ。


「…送りますよ」

「…いいのかしら?」

「…これで帰るまでに何かあったら困りますからね」

「…そう。ならお言葉に甘えるわ」


僕は白雪姫花について歩く。


「後ろにいられると変な感じがするのだけど?」

「…そうですか」


白雪姫花の横を歩く。

こうして横に立って歩くと…

身長、小さいんだなぁって思った。

あまり意識したことがなかったからそんなことも知らなかったんだなぁと思ってしまった。


こうやって考えてみると、僕は友達だと思えるようになった人達のことをちゃんと見ているのだろうか?


「ねぇ、リクくん…」

「…なんでしょうか?」


考え事をしていたからか、

突然、声をかけられて少し驚いてしまった。


「リクくんは学校生活は楽しいかしら?」

「…どうですかね。もう少し穏やかに過ごしたいとは思いますが…」

「そうね。そんな顔をしているわね」


そう言ってクスクスと笑っている。


「メイちゃんと遊んでいるリクくんを見れたのが…」

「何て言いましたか?」

「ううん。何でもないかしら?」

「…そうですか」


声が小さくて聞こえなかった。


「ここまででいいかしら」


場所は前に行ったことがある、

大きな家の前にある広場まできた。


「…でしたら、僕は帰りますね」

「…また明日」


その言葉を聞いた瞬間、僕の頭に強い衝撃が走った。

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