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俺の義妹は世界一カワイイ  作者: ロリコン三銃士
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少女の思惑が交錯する公園 著・きり抹茶

「公園に行きたい!」


 楓と穂乃果の提案は俺の予想を裏切る結果となった。


「公園? 買い物に来たんじゃなかったのかよ」

駿(しゅん)……。いつから私達が買い物に行くと錯覚していた?」


 いや貴方達が行きたいって言ったでしょうが。

 若干のドヤ顔で決めゼリフを吐く穂乃果と意味深な含み笑いを浮かべる楓。この二人……絶対何か企んでいるな。


「服はもう見なくていいのか? まだ来たばっかりだぞ」

「気分が変わったの。ほら、公園もすぐ近くにあるし後で戻ることもできるから……。早く行こ、お兄ちゃん!」

「そう言ってもな……。夢乃はどうなんだ? 公園行きたいか?」

「うん! 滑り台やりたい!」


 全会一致か。まあ仕方ない。今朝も楓は「どこでもいいから出掛ける」って言ってたからな。今日はそういう行き当たりばったりな日なのだろう。


 両手に華……ならぬ両手に義妹、後方に幼馴染。再び歩行困難なフォーメーションになった俺は周囲からの視線に気を重くしながら前に進むのだった。



 ◆



 大通りから脇道に入って数分。目的地の公園に到着した。

 一面には天然芝が広がっており、小高い丘や複合型の遊具があちらこちらに点在している。郊外によくありそうな公園といった感じだ。


「遊ぶぅー!」

「楓も遊ぶー!」

「私も……遊ぶ……!」


 一同は着くや否や、籠から解き放たれた小鳥のように遊具に向かって駆け出した。まあ夢乃や楓はいいとして……穂乃果は自分の()年齢を考えろ。お前高校生だろ。


「楓、ちょっとこっち来い」


 せっせと走り行く楓を引き止める。穂乃果と一緒に行動させたらまた喧嘩が始まりそうだからな。


「お兄ちゃん……どうしたの?」

「あっちの丘で少し涼まないか? 風が気持ち良さそうだぞ」

「なーるほど。そして二人で良い雰囲気になった後……プロポーズするんだね」

「いやしないって」


 楓の思考は相変わらずぶっ飛んでいる。まだ小学生だし可愛げがあって良いけれど。


 でもこれから何年か経って楓が思春期に入ったらきっと変わってしまう。好きな人ができて恋をして……俺に向かって笑いかけてくれる日も徐々に減っていくのだ。寂しい……。


 ――って何を考えているんだろうな俺は。兄バカにも程があるぞ。義妹()の将来を支えて祝ってやるのが本当の兄貴ってヤツだろう。いい加減向き合わないと。



 ◆



「見てみてお兄ちゃん! あそこに東京タワーがあるよ!」


 芝生の丘の上。楓は遠くを指差しながらはしゃいでいた。


「あれは送電線の鉄塔だ。残念だったな」


 深緑に染まる山々に点在しているのはいわゆる紅白鉄塔。俺も昔はよく勘違いしてたっけ。赤くて大きければ何でも東京タワーだと思ってた頃が懐かしい。


「あ、見てみてお兄ちゃん! あの木の陰から……」

「今度はなんだ? スカイツリーとでも言うのか」

「女の子がこっちを見てる!」

「…………は?」


 間抜けな声が出た。俺達を見てるって言われても……。

 楓の視線の先を確認する。五十メートル程離れた場所にある木から、一人の女の子が顔だけこちらに向けて出していた。金髪のツインテールに赤いリボンを付けている。見た目からして楓と同じくらいの年齢だろうか。


「ちょっとー! 何こっちをジロジロ見てるのー!」


 直後、楓は木に隠れる少女に向けて大きく叫んだ。放っておけばどこかに行くだろうに、それを許さないのが楓なんだよな。


 少女は驚いたのかビクッと髪を揺らす。そしてゆっくりこちらに向けて歩き始めた。


 身長は楓より少し低いといった所だろうか。紺色のセーラー服を身に纏っていた。


「バレるとは思わなかったけど……貴方、中々見る目あるわね」

「ふんっ、お兄ちゃんを守る為だから当然だよ」


 俺はいつ義妹に守られるダメ男になったのだろうか……。


「えっと、キミ……俺達に何か用かな?」


 デキる兄としてなるべく優しい声で話し掛ける。小学生とはいえ、突然泣かれだしたら困るからな。


「用は無いわ。言うなれば……幼女鑑賞ってヤツね!」

「はぁ……」

「ところでお兄さん。多分勘違いしてるから聞いておくけど、あたしの年齢いくつぐらいだと思う?」

「え、じゅ、十歳くらい……?」


 この子は一体何を言いたいのだろうか。

 突然の質問に一応答えると、少女は満足気に笑いながら


「ざんねーん。正解は十六歳よ」

「はぁ!? 同い年かよ!」


 こんな子供みたいな高校生がいてたまるか……と思ったが、ふと一人の幼馴染が頭をよぎる。そういえば穂乃果も年齢に見合わない外見だったな。


「いい気分だわ。あたしもまだロリで通用するのね」

「あれ、怒ってないのか……?」


 普通は「子供扱いするな!」等と言ってきそうなのに。


「寧ろ嬉しいわよ。ありがとねっ!」


 無邪気な笑顔で感謝された。可愛い……。こんな子が同級生にいたら毎日が楽しくなりそうだな。

 そんな邪な考えを浮かべていると、隣から冷たい視線が刺さる。まずい、楓に見透かされたか……?


「あ、晴流(はる)から電話だ。……ごめん、あたしはこれで。そこの可愛いロリっ娘も元気でね!」


 少女は明るく手を振ると急ぎ足で立ち去っていった。結局彼女は何がしたかったのだろう。


「不思議な人だったね」

「だな…………」


 俺達は虚空に取り残されたかのようにその場で棒立ちになっていた。すると背後から聞き慣れた声が届く。


「にぃに、ねぇね! こんな所にいた!」

「ん……? あぁ、夢乃か」


 愛しの義妹とロリな穂乃果が並んでやってくる。どうやら二人で遊んでたっぽいな。


「楓ちゃん。夢乃ちゃんが遊びたがってるから行ってきてあげて……」

「え、私?」


 楓は目を丸くする。なるほど、夢乃の遊び相手を交代って訳か。


「ねぇね、ブランコで遊ぼ!」

「うん、じゃあお姉ちゃんと一緒に行こっか」

「わーい!」


 そう言ってすぐさま来た道を走って戻る夢乃と「転ばないようにね」と心配しながら追い掛ける楓。

正に仲良し姉妹の構図だな。眺めるだけで尊い気持ちに浸れる。


「よし……邪魔者は去ったね。所詮は小学生。騙すのは簡単……」


 ところがその場に残った穂乃果は違った。ボス役のようなセリフを嬉々とした声で放っている。


「穂乃果……。俺に用があるのか?」

「用って言ったら……つまらないと思わない?」


 ぐいっと詰め寄られ、上目遣いで見つめられる。距離が近いのだが……。

 そして穂乃果は魅惑的な吐息と共に俺にそっと囁いた。


「せっかく二人きりになれたんだもん。後は……分かるよね?」

2巡目になりました。そろそろ展開を変えてみても良いだろうと思い、私なりのテイストで次に繋いでみました。

結果、張られた伏線が肥大化して手渡す形になりましたが(笑)

でも大丈夫でしょう。きっと面白く仕上げてくれるはずです。

また、中盤で登場した金髪ツインテの女の子は私が別途公開しております作品のヒロインになります。

作品名は「ロリっ娘女子高生の性癖は直せるのか」です。図々しく宣伝させていただきました(笑)

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