街中で薬草を栽培しないのには理由があります
アーリー「おはよう、レイト。今日はどうするの?」
レイト「冒険者ギルドに行って、初心者向けの依頼をこなそう。」
アーリー「分かったわ。それじゃあ行きましょうか。」
アーリー「なろう小説の駆け出し冒険者のテンプレ仕事、薬草採取なんていいんじゃない。」
レイト「そうだね。ここに張り出されてる薬草は常時買取を行っているみたいだから、これを採りに行こうか。何でも、怪我を治すポーションの材料になるそうだよ。」
アーリー「この街から西に2km程の地点に広がっている森の中に生えているらしいわね。でも、どうして薬草の需要があるのに街中や街の近くで栽培しないのかしら。」
冒険者A「そりゃあ、ポーションの材料になるような薬草は、モンスターの死体から土に還った魔石の魔力を吸って成長するからだな。」
アーリー「じゃあモンスターの魔石を肥料のように撒いて薬草を栽培すればいいんじゃないですか?」
冒険者B「薬草を育てられる量の魔石があったら、それをそのまま売った方が手っ取り早く稼げるから、薬草を育てるために使う奴なんていねぇな。」
レイト「そうなんですね。わざわざ教えていただいてありがとうございます。」
冒険者A「たまたま通りがかりに聞こえてきたから答えてやっただけだ。気にすんな。」




