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春のリトミーク

なんだか初めての軽い回になりました。本人はそれでも深刻な詩だと思い込もうと、表現できたと、理解されるんだろうと期待しているんです。でもね――ー。

  「時の流れの恋人の詩」


時の流れの感触は

冷たい氷の滑らかさ

そっと口に入れた時

さっと広がる滑らかさ


時の流れのその姿

冷たい冬の風のよう

お屋根の端に立った時

さっと過ぎ行く風のよう


挿絵(By みてみん)


時の流れの悲しさは

秋も終わりの虫のよう

どこか暗い片隅で

一人鳴いてる虫のよう


時の流れの寂しさは

深い小池の魚のよう

蒼い藻草の穴倉の

一人っきりの魚のよう


時の流れの恋人は

知らないうちに居なくなり

時の流れの恋人は

静かに静かに離れてく




  「心に残る夢の夢」


心に残る夏の夢

周りは広い広い海

小さな小さな島の上

一本だけのヤシの木と

ひとつの小さな丸木舟

あとは小さな草むらと

いつも枯れない泉だけ


白い細かなさらさらな

波の映れる砂粒が

残るすべてを占めている

朝に顔出す太陽と

夕に海へと帰りゆく

月に後をまかせつつ

蒼い光に包まれる


挿絵(By みてみん)


他にはなんにも居はしない

空に真白いひとり雲


青い光に包まれて

ヤシの葉っぱの擦れる影

海の底から浮かび来る

泡のはじける音だけの

沖よりよせ来る波音も

魚の躍る跳ね音も

風の音もすべてない


夜は静かに更けてゆく

心に残る夢の夢・・・




  「夜になると落ち着かない」


真夜中の宇宙は止まる

凍結、静寂、暗黙と


昼間の世界はバラバラに

音も立てずに崩れ去る

沈黙の重力も消えて

清浄な空気もぐるり渦を巻く


前触れなしに動き出す

手足が、耳が、目の玉が

勝手気ままに動き出す

どこか遠くの冷たい空へ

みんな離れて飛び去って


挿絵(By みてみん)


あとに残るは夜だけだ

動かぬ物は動き出す

物理がなんだ

エネルギーがなんだ

靴は飛び去り

コップは光る

蛍光灯は地へもぐる

時計は笑うし本は飛ぶ


天井のネズミも知りゃしない

目玉は池へ

しっぽは空へ

頭と体は消し飛んだ


もうすぐ朝はくるだろか

もうすぐ元になるだろか

夜は続き

夜は深い




  「N O ‼」


体が全部壊れてしまって

大爆発


意識が体を離れてく

薄く、大きく、広がって

地球を越えて、太陽も越えて

時間も次元も越えていく

宇宙をずっと果てまで広がって

もっと、もっと広がって

ずっと、ずっと広がって

宇宙が意識で満たされる

宇宙は体


挿絵(By みてみん)


地球の山のそこここに

宇宙の種が落っこちる

芽を出し、葉を出し、花も咲く

それに地球は覆われて

NO! になる

皆様におかれましては、呆れかえることなく読了できましたでしょうか。次にたぶん続くであろう詩に期待?していただけることを、ささやかながらお祈りしております、です。はい。

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