四季の詩
ずっと重いと、たまには軽く、って、普通ですよね。
「春一番の風の頃」
浅い水面の青さに
冬の眼の赤みを伝え
静かに眠りに就こうとする
冬の空欠伸
ただ
ひとたび眠りに就いてしまえば
時流の中の一点のシミ
春一番の風の中に
冬の青さと
春の青さの色合いが混じる
光の中に柔らかい静寂と
ひと時の安心がやってくる
その時
ひとつの記憶がよみがえる
心の中に浮かび来る面影
春一番の風の頃に・・・
「雲間」
灰色の光の中の
青いオアシス
零れおちる砂黄金
「春」
フリージアの大欠伸
春はそこから躍り出る
かすむ野原に
土筆の背伸び
小枝の新芽が
眼をあける
「初夏」
地上は
陽炎のフラダンス
木の葉の緑が眩しくて
春は夏に変身する
光の飛沫が体について
黄金の海が
目に染みる
「夏」
太陽は
青い水面に
眼を輝かせる
枯れた草の葉の
青い宇宙の影に濡れた
その先に
小さな波紋が広がる
青い草木はそよともしない
「秋」
いつに間にか草いきれが消えて
街の人が落ち着きをなくしてる
涼しくなった周りを感じて
ちょっとだけ夜が長くなって
やっぱりそわそわ落ち着かない
気が軽くなると夢見もよくなるのはうれしいです。深刻な顔をしてるのはほんと、疲れるんですよ。