しみしみと冷えていく
体は冷え切ってしまうとかえって感じなくなるのでしょうか。眠たくなってしまって、寝てしまうことになるそうですが。寒いのは苦手です。
「吹き寄せる雪雲に想う」
青い空に
無数の雪たちが集まり
地面めがけて落ちてくる
太陽の光を受けてさらさら落ちてくる
一面の雪が地面を、木々を包み込む
白く輝く真綿の帽子
青い空に
無数の雪たちが集まり
太陽に向かって登っていく
真綿の帽子が風を従え
さらに青い空に消えた後
透明な光に覆いつくされた
一面の雪景色だけが残っている
「雪に寄せて」
空の彼方から
苦しみを、悲しみを
灰色の光を身にまとい
あなたは運んでくる
冷たい氷の結晶の核に
人々の苦悩を閉じ込め
はるかな時空を超えて
あとからあとから
空に湧き出でる
青く、太陽の輝く空からなのに
灰色のあなたは
地面を、私をめがけて落ちてくる
浅ましさを覆い
汚れた心を隠すように
音もなく降り立ち
淡い温かみを取り去り
跡に一滴の涙と
甘い追憶と
苦い悔恨を積もらせる
うすら寒い深い空と
透明な冷たい空気と
鋭くとがった光と
空しい静寂と
堅くしまった想い
真っ白なあなたの屍骸が残される
「時の彼方を彷徨える影」
時の彼方
遠い面影が彷徨う
暗黙が支配する
はるかな世界
青く透明な光
夜の暗い空気を冷たくする
冷え切った先には空虚が横たわる
空気はさらに重くなる
狭い表象の境に
悄然と立つ影ひとつ
血色の衣をつけ
無限に眼を向けている
一本、一本刻まれていく
苦悩の深きしわ筋
空気は震え
眼は閉じられる
暗黙が支配する
はるかな世界
暗い空気を温めるのは
光のない白熱電球なのか
凍りついた記憶はそこにたたずみ
わずかな温もりを捜して
大きく手を広げる、けれど
際限なく奪われる熱は取り戻せない
すこし暖かくなりたいと思うのは私だけでしょうか。